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【獣医師執筆】愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドック」について~猫編~

黒須星翔

獣医師
黒須星翔

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【獣医師執筆】愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドック」について~猫編~

近年、犬や猫の平均寿命が伸びており、犬や猫の高齢化に伴って、その健康管理に関心を持つ飼い主さんが増加してきています。

そんなペットの長生きに寄与している一つの要因として、“ペットドック”が挙げられます。そこで今回は、動物の定期健康診断であるペットドックについて、猫の診断を主軸にお伝えします。

 

■猫にも健康診断「ペットドック」がある!?

愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドッグ」について~猫編~
出典:https://www.shutterstock.com/

飼い主さんにとっては自分の愛しい犬や猫が病気をせず、いつまでも長生きしてほしいと思われるのではないでしょうか?

人間は40歳を超えると“人間ドック”、すなわち定期健康診断を受けることを薦められます。それは40歳をすぎると、様々な病気にかかるリスクがあるからです。では犬や猫はどうでしょうか?

犬や猫は人間の5倍の速度で年を取っていくと言われています。人間の40歳は猫では6歳にあたります。したがって、猫も6歳を過ぎれば様々な病気になることが予想されます。これらの病気を早期発見するには、定期的な健康診断“ペットドック”が必要となります。

 

■様々な検査項目で病気を発見!

愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドッグ」について~猫編~
出典:https://www.shutterstock.com/

ではペットドックでどのような検査をするのでしょうか? 今回は猫をターゲットにしたペットドックについて注意すべき点を紹介します。

ペットドックでは様々な検査項目があります。以下にそれらを記載します。

<基本的検査>

・一般身体検査(体温、心拍数、呼吸数など)

・糞便検査・尿検査

・血液検査

・レントゲン検査(胸部、腹部)

・超音波検査(胸部、腹部)

<より詳細な検査>

・ホルモン検査(甲状腺ホルモン)

・歯科検査

・眼科検査

・CT検査

・MRI検査

 

■高齢の猫は腎臓の病気に注意!

愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドッグ」について~猫編~
出典:https://www.shutterstock.com/

上記のうち、猫のペットドックとして基本的検査は最低限必要です。特に猫の場合は、高齢になると腎臓の病気が多くなってきます。そのため、尿検査、腎臓の超音波検査は必須です。腎臓の病気で最もよくあるのは腎不全です。

下記のような症状がある場合は要注意で慢性腎不全を疑います。そのため、動物病院への受診をおすすめします。

・最近水をたくさん飲むようになった

・おしっこの量が増えた

・食欲がなくなってきた

・痩せてきた

・吐く

また猫の場合、動物病院の診察台にのるだけで非常に緊張し、心拍数が異常に多くなったり、また血液検査で血糖値が上昇したりします。飼い主さんは家にいるときと動物病院に連れてきた時の、猫の状態をしっかり観察することが大事です。

 

■猫の様子をちゃんと観察してあげよう!

猫は緊張すると、唾液を多く出します。また診察台の上で緊張のあまり体がこわばってしまうことがあります。普段と様子が違うかどうかは飼い主さんにしかわからない場合がありますから、そのような様子が見られた場合、それを獣医師さんに伝えることは大事です。そのような緊張した状態で測定した心拍数や呼吸数、血液検査は意味をなさない場合もあります。

愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドッグ」について~猫編~
出典:わんにゃ365

また、猫の場合は若い時でも色々な病気にかかります。特に野良猫を拾って飼育されている飼い主さんは要注意です。野良猫が集団でいる場合、集団内のほとんどで猫風邪に感染しています。これは様々なウイルス感染によっておこります。また生後2~3か月で感染します。

人間の風邪と同様に猫も風邪をひくと、鼻水、くしゃみ、食欲不振、発熱がみられます。さらに野良猫の場合、エイズに感染している場合もあります。そのため、野良猫の子猫を拾ってきて飼育する場合、まず動物病院に行って、これらの感染症にかかっているかどうかの健康診断をしてもらいましょう。

 

大切な家族である猫に長生きしてもらうためにも、定期的な“ペットドック”の受信はとても大切です。そして、いつも猫の側にいる飼い主さんだからこそわかることもあります。ペットドックを受信する際は、些細なことでも獣医師さんに伝えてみてくださいね。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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