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【獣医師執筆】外飼い?それとも室内飼い?犬が生活をする「最適な場所」について

小林真也

獣医師
小林真也

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【獣医師執筆】外飼い?それとも室内飼い?犬が生活をする「最適な場所」について

2021118日情報更新

みさなん、わんちゃんはどこで飼っていますか? 室内飼い、外飼い、それとも日中は外だけど夜は室内、など、飼い主さんのライフスタイルに合わせて、いろいろな飼育方法があると思います。

筆者が小学生のときは、柴犬を庭で飼っていました。昔のように犬=番犬というイメージは薄くなり、近年ではペットの家族化や小型化が進んでいます。わんちゃんの室内飼育も身近になっていますよね。

そこで今回は、獣医師の観点から、それぞれのメリットやデメリットをお伝えします。ぜひ飼い方の参考にしてくださいね。

■室内飼育向きの犬種は? 

外飼い?それとも室内飼い?犬が生活をする「最適な場所」について
出典:https://www.shutterstock.com/

プードル、マルチーズ、ヨークシャテリなど、シングルコートの犬種は季節による換毛期がなく、体温調節が上手ではないので室内飼育がよいでしょう。

ダックスフンドやチワワのような、ダブルコートだけれど小型犬の場合や、ミニチュアピンシャーなど短毛犬種は寒さに弱いです。また、フレンチブルドックやパグなどの短頭種は暑さに弱いので、室内飼育が望ましいでしょう。

<メリット>

・十分なコミュニケーションがとれる

しつけをしていく上で、飼い主さんとわんちゃんのコミュニケーションは欠かせません。室内で一緒に生活すれば触れ合える時間も増え、愛犬の異常にすぐに気づけるはずです。

・いつも快適な温度で生活できる

日本には四季があります。犬種によって暑さに弱いわんちゃんや、寒さに弱いわんちゃんがいますが、室内で生活すれば、常に快適な温度で過ごすことができます。

<デメリット>

・誤飲・誤食、さらには感電の危険性

家の中には、わんちゃんにとって誘惑がたくさんあります。例えば、ネギ類やニンニク類、チョコレート、レーズンなど、美味しいのにわんちゃんには中毒性のある食べ物、腸閉塞を引き起こすようなおもちゃ、化粧品などの化学薬品、観葉植物などです。誤って口に入れてしまうと、とても危険です。

また、コンセントに繋がったコード類を噛んで遊んでいると、感電することもあるので要注意です。

・アトピー性皮膚炎の発症リスク

室内飼育は“ハウスダストマイト”に晒されて生活することになり、アトピー性皮膚炎の発症につながるケースもあります。特に、柴犬やシーズーなどの好発犬種は注意が必要です。

・分離不安症などの問題行動

一緒に生活することはコミュニケーションが十分にとれる一方で、わんちゃんが飼い主さんに依存してしまうリスクもあります。

お留守番中に物を破壊することや、自傷行動を起こすことも考えられるので、適度な距離感をとり、お互いに依存しないことが大切です。

■外飼い向きの犬種は?

外飼い?それとも室内飼い?犬が生活をする「最適な場所」について
出典:https://www.shutterstock.com/

柴犬や秋田犬などの日本犬は、性格的にあまり干渉されることが好きではないように感じます。そのため、庭に犬小屋のような一人の空間を作ってあげるとよいかもしれません。

<メリット>

・家が汚れない

飼い主さんのメリットになりますが、多くのわんちゃんは毛が抜けたり、散歩をすると足が汚れたりしてしまいます。外で飼育すれば、抜け毛や汚れは気にならなくなるでしょう。

<デメリット>

・フィラリアやノミ・ダニなどの寄生虫に注意

外にいると蚊に刺されてフィラリア症に感染したり、ノミやマダニに寄生されてしまったりする危険性が増えてしまいます。しかし、ちゃんと予防薬を使用すれば、防ぐことができます。

・気候や天候の影響を受ける

夏場は熱中症になったり、冬場は低体温症になったりと、気候で体調を崩すことも考えられます。また、雨の日に濡れてしまい、不衛生な状態になってしまうと、皮膚トラブルなどの原因になってしまいます。

・コミュニケーション不足

外飼いの場合、飼い主さんと一緒にいる時間が少ない分、体調の変化に気づきにくいことがあります。体調や食欲、排便や排尿は注意して観察してあげましょう。

わんちゃんの大きさや飼い主さんのライフスタイルに合わせて飼育場所を決めることが重要ですが、外飼いと室内飼いのメリットとデメリットを見比べると、室内飼いの方がよいでしょう。

愛犬に長生きしてもらうためにも、その子に適した居場所を作ってあげてくださいね。

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