わんにゃとの暮らし

ドッグトレーナーが伝授!「落ち着きがない犬」その理由&おすすめ対処法

マルヤマミエコ

ライター
マルヤマミエコ

いいね 31

ドッグトレーナーが伝授!「落ち着きがない犬」その理由&おすすめ対処法

※2023年3月28日情報更新

わんちゃんは、飼い主さんが思っているより何倍もデリケート。なので、さまざまな理由で落ち着きがなくなる場合があります。すると、わんちゃんは動き回り、吠えて騒いだりしてしまうことも……。

飼い主さんは周囲の目もあるため、なんとか場をおさめようとすると思いますが、その対処法が間違っていると、悪循環を生んでしまうこともあります。

愛犬が落ち着きのない行動をするのはどんなときか。さらに、正しい対処法についても、家庭犬トレーナーの遠藤ゆかりさんに伺いました。

■飼い主の行動が落ち着きのなさを助長する!?

遠吠えするラブラドールの写真
出典:https://www.shutterstock.com/

愛犬の落ち着きがない行動に困っている飼い主さんのなかには、「年齢を重ねたら落ち着いてくるのではないか」「性格によるものだから仕方ない」と考える人もいます。

そのように考える飼い主さんは、愛犬が落ち着きのない状態にあったとしても、それを改善するのではなく、わんちゃんの催促に応えてしまう傾向にあります。

愛犬の落ち着きのなさは、年齢的な問題や性格によるものだと考えがちですよね。しかし、飼い主さんが愛犬の催促に日頃から応えていることが、落ち着きのなさを強めてしまっているのかもしれませんよ。

■犬が落ち着かない3つの理由

落ち着きがないボーダーコリーの写真
出典:https://www.shutterstock.com/

それでは、なぜわんちゃんはソワソワしたり、ワンワン吠えたりするのでしょうか? それには、以下のような理由が挙げられます(あくまで一例です)。

(1)不安要素がある場合

・しつこくされるため、子どもが苦手。子どもが帰宅すると落ち着きがなくなる。

・病院の治療に恐怖を感じているため、病院の待合室に行くと落ち着かない。

・外が怖いので、落ち着いて散歩ができない。

・飼い主さんとの関係性が良好ではなく、何かしらの不信感がある。

(2)興奮と期待から

・ごはんやおやつをもらうとき、楽しみで落ち着きがなくなる。

・散歩中に大好きなわんちゃんや人と会ったとき、うれしくて落ち着きがなくなる。

(3)犬に考えさせていない

「どうすれば目的を叶えられるか」「何をしているときはどんなことができないのか」、わんちゃんに考えさせることが大事です。飼い主さんが落ち着きのない愛犬の行動に催促されて応えていると、その子は「それでいい」と思ってしまいます。愛犬に落ち着いた振る舞いを求めるのであれば、愛犬が落ち着くまで待ってから目的を叶えるようにしなければなりません。

愛犬が落ち着かない状態になったときは、理由は何にせよ、一旦落ち着かせます。犬が興奮状態のままで、くれぐれも行動を推し進めないことです。

■犬が落ち着けるように導こう!

訓練されている犬
出典:https://www.shutterstock.com/

周囲の目もあるため、興奮状態で落ち着きがないわんちゃんのペースに振り回されがち……そんな飼い主さんはいませんか? わんちゃん主導ではなく人が主導のペースで生活することを、飼い主さんには心がけてほしいと思います。

それでは、いくつかの例を挙げて対処法を考えてみましょう。

(1)散歩に行くことがわかるとソワソワする犬の場合

ソワソワして動き回るわんちゃんの行動を落ち着かせずに、そのままにしてリードを装着すると、犬主導になってしまいます。そういう場合は、「おすわり」「まて」のコマンドで愛犬を落ち着かせて、そのコマンドに従うことができたらリードを装着します。

じっとしていないと次の行動が実践されないことを、わんちゃんに理解させます。そうして、人が主導となるように、飼い主さんの求めている行動や態度を示すように導きましょう。

(2)散歩で走るか止まるかの犬の場合

愛犬が走ったら飼い主さんも走り、立ち止まったら止まる。これでは、わんちゃん主導の散歩になってしまいます。

そこで、わんちゃんが穏やかに歩いているときは、飼い主さんも一緒に歩いてご褒美を与えます。そうすることで、わんちゃんはその行動(穏やかに歩くこと)を身につけていきます。ご褒美を効果的に使い、「飼い主さんと一緒のペースで歩くといいことがある」という感覚を、身につけさせましょう。

ただし、わんちゃんが散歩中に興奮状態になってしまわないように、一定の落ち着いた精神状態で歩ける散歩コースを歩いてください。

(3)ごはんやおやつに興奮してクルクル回ったり吠えたりする犬の場合

騒いだり催促されたりしたからといって、ごはんやおやつを与えてしまうと、わんちゃんが主導となり、落ち着きのなさを強めてしまいます。そのような状態のうちは、絶対にごはんやおやつを与えないことが重要です。

「おすわり」「まて」のコマンドを出して、それができたらごはんやおやつを与えます。最初は一瞬しかコマンドに従えないかもしれませんが、「おすわり」「まて」が数秒間できるように練習しましょう。

この動作を継続的にわんちゃんに求めて、できたらご褒美を与える……これを繰り返して行けば、衝動的な行動は飼い主さんに受け入れてもらえず、落ち着かなればならないことを、愛犬に教えることができます。

わんちゃんは物事を損得で考える動物です。そのため、落ち着かなくても自分にとって利益があればそれでよいと理解してしまいます。

くれぐれも、状況と解決法を犬に十分に考えさせること。そうして人が主導となり、わんちゃんが落ち着くように導いていきましょう。

<取材協力>

ドッグトレーナーが教える!「遊び下手な犬」気になる原因&実践したい対処法

ドッグトレーナー 遠藤ゆかり(えんどうゆかり)

戸田市を中心に犬のしつけレッスンをしている、『PLUS WAN』のドッグトレーナー。わんちゃんと飼い主さんの楽しい生活に欠かせない“絆”を育むお手伝いをしている。HP:https://plus-wan.jimdo.com

【関連記事】

わんちゃんの目薬どうしてる?!目薬を差すコツについて

【獣医師執筆】それって病気のサインかも!? 犬の「目やに」からわかる目の健康状態とは

※ 犬も「ストレス」を感じるの?身体や心に良い影響を与える対策とは

この記事に付けられているタグ

いいね 31