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【獣医師執筆】安心のできる場所を用意してあげよう!今日から実践したい犬の「寝かしつけ方法」

船田治子

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船田治子

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【獣医師執筆】安心のできる場所を用意してあげよう!今日から実践したい犬の「寝かしつけ方法」

2021324日情報更新

みなさんは、わんちゃんが夜、なかなか寝ついてくれずに困ったことはありませんか? そんなときは、わんちゃんの睡眠について理解することで、改善できるかもしれません。

そこで今回は、わんちゃんの睡眠に関する基礎知識と、寝かしつける方法について、獣医師の船田治子先生に解説いただきました!

■わんちゃんの睡眠について

安心のできる場所を用意してあげよう!今日から実践したい犬の「寝かしつけ方法」
出典:https://www.shutterstock.com/

(1)睡眠時間

わんちゃんは短時間の睡眠を繰り返して過ごします。成犬の睡眠時間は11215時間ですが、子犬やシニア犬ではもっと長くなります。

(2)寝すがた

わんちゃんはいろいろな格好で寝ますよね。あお向けや、長々と体を伸ばしているときは、安心して眠っています。寒いときは体を丸め、暑いときは体を伸ばして寝る姿もよく見られます。

飼い主さんの体に寄り添ったり、クッションやぬいぐるみに寄りかかったりして寝るのも、わんちゃんが好きな姿勢です。

(3)寝ごと・夢

わんちゃんの睡眠にもレム期(浅い睡眠)とノンレム期(深い睡眠)があります。全睡眠の8割がレム期睡眠であり、直ぐに目を覚ませる状態です。

このときに、わんちゃんが小さな声で寝ごとのように吠えたり、前掻き運動をしたりしていれば、夢を見ていると考えられます。

(4)病気

人の睡眠にかかわる病気として知られる“ナルコレプシーは脳神経系の疾患で、わんちゃんにも発症することがあります。食事中や遊んでいる最中に、突然眠ったり虚脱状態になったりするなどの症状に気付いたら、早めに動物病院で受診しましょう。

認知症のあるシニア犬では、昼夜逆転が起きることもあります。対処法については、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

■寝かしつける方法について 

安心のできる場所を用意してあげよう!今日から実践したい犬の「寝かしつけ方法」
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(1)安心のできる場所

一番おすすめできるのは、サークルの中にクレートを入れて、わんちゃんの寝場所にすることです。わんちゃんは本来、狭い穴にもぐることで安心します。昼夜にかかわらず、安心して眠れる場所が必要です。

リビングルームなどで自由に寝かせる場合は、周囲の安全確認が重要です。テーブルの上にあるものを飲み込んだり、ゴミ箱をひっくり返したりすることがないようにしてください。なるべく一部屋限定で、キッチンには入れないようにしましょう。

安心のできる場所を用意してあげよう!今日から実践したい犬の「寝かしつけ方法」
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飼い主さんと一緒に寝かせることは、あまりおすすめしません。理由はずっと一緒に寝る覚悟が必要なこと、飼い主さんがいなければ眠れずに、分離不安症を起こすかもしれないことなどです。

どうしても飼い主さんの近くでないと安心できないわんちゃんは、寝室の飼い主さんの足元にサークルを置き、クレートやドーム型の寝場所で寝かせましょう。馴れたら別の部屋でもひとりで寝られるようになるでしょう。

(2)おもちゃ

夜中に目を覚ましたわんちゃんが、退屈で飼い主さんを呼ぶことがないように、ひとりでかじって遊べるようなおもちゃを用意しておきましょう。

(3)ラジオ

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ひとりでなかなか寝つけないわんちゃんには、ラジオを聞かせることも効果的であると、筆者は多くのわんちゃんで経験しています。ただし騒々しい番組は避け、穏やかな語り口の番組を選んでくださいね。

(4)散歩と遊び

日中の十分な散歩や遊びも大切です。わんちゃんに適度な疲労感と満足感があれば、夜は眠くなるでしょう。

わんちゃんは、生活リズムを飼い主さんのリズムに合わせることができます。しかし、健康的に過ごすためには、十分な睡眠が必要です。また、わんちゃんが寝ついてくれないと、飼い主さんが睡眠不足になってしまいますね。

お互いのためでもありますから、夜はわんちゃんが眠りに入りやすい環境を整えてあげましょうね。

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【参考】 

ブルース・フォーグル(2007)『新版 あなたのイヌがわかる本』ダイヤモンド社.

水越美奈監修(2013)『イヌの心理学 愛犬の気持ちがもっとわかる!』西東社.

田中茂雄総監修(2011)『犬の医学』時事通信社.

【画像】

※ Patryk Kosmider, poutnik, Milles Studio, Dorottya Mathe, Scorpp, / Shutterstock

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