2017年以降、ねこちゃんの飼育頭数は、わんちゃんの飼育頭数を上まわっています。子どものいる家庭で、ねこちゃんと共に暮らす飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は筆者の経験上感じる、子どもにとって、ねこちゃんと一緒に生活することについての良い点と注意すべき点について解説します。
■良い点がたくさんある!
(1)自尊心が得られる
人は元々生きものの世話をしたいという欲求があると思います。子どもはねこちゃんの世話をすることで、達成感が得られるのではないでしょうか。しかし、子どもにすべてを任せるのではなく、年齢に応じて飼い主さんも関わりながら、ねこちゃんの世話をしてあげましょうね。
例えば、3歳の子どもでも飼い主さんが洗った容器に、ねこちゃんの飲み水を入れることはできますよね。
(2)相手を思いやる
ねこちゃんの世話を通して、他者を思いやるきっかけを与えることができるのではないかと筆者は考えています。例えば、ねこちゃんが眠っているときには起こさない、顎の下をなでると喜ぶ、いやがるときには抱くことができないなど、無理に接するのではなく、相手の気持ちを思いやる付き合い方は必要になりますよね。
(3)話し相手ができる
飼い主さんもねこちゃんに向かっていろいろ話しかけることがありますよね。子どもたちもねこちゃんに悩みを打ち明けたり、両親に言えないことを黙って聞いてもらったりすることが、情緒面での支えになるのではないでしょうか。
(4)生命観を育てる
子どもはねこちゃんに直に触れることで、あたたかい体温を感じ取ります。ねこちゃんの行動や反応から、自分以外の生きものを理解しようとします。
また、残念ながらねこちゃんが病気になったり寿命を迎えたりすることで、別れの機会も体験することになります。悲しみを家族で分かちあうことは、子どもの成長途中での貴重な経験となるのではと筆者は考えています。
■注意することもある
(1)衛生面
子どもがねこちゃんと接したあとは、手洗いの習慣をつけましょう。ねこちゃんのノミ・ダニの予防にはいろいろな方法がありますので、動物病院で相談しましょう。
(2)爪切り・ブラッシング
引っかかれた時に被害が大きくならないように、ねこちゃんの定期的な爪切りをおすすめします。春、秋には換毛もしますので、まめにブラッシングをして、洋服や部屋が毛だらけにならないようにしましょう。
(3)ネコアレルギー
アレルギー傾向のある子どもがいる場合、ねこちゃんとの生活は難しいかもしれません。病院で血液検査を受けて、ネコアレルギーかどうか確認しましょう。
(4)子どもに教えること
ねこちゃんは、無理にさわったり追いかけたりすると仲良くなれません。ねこちゃんの方から近づいてくるのを待ちましょう。側にきたり膝にのったりしたら優しくなでましょう。
しかし、どのねこちゃんも膝に乗るわけではありません。決して無理をしないことが重要です。
筆者も子どもの頃はねこちゃんと暮らしていました。穏やかな子で、小学生だった筆者の話し相手や遊び相手になってくれたことを懐かしく思い出します。
また、ねこちゃんがいる環境で子ども達を育てました。特に危険もなく、子どもたちはねこちゃんを好きになり、関わったねこちゃんの思い出を大切にしています。ねこちゃんは、一緒に暮らすとこどものよきパートナーになりうる存在と筆者は思います。
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【参考】
※ 一般社団法人ペットフード協会(2018)「平成30年 全国犬猫飼育実態調査」p.18, <https://petfood.or.jp/data/chart2018/3.pdf> 2019年2月18日アクセス.
※ I.Robinson編(2009)『人と動物の関係学』(山崎恵子訳)インターズー.
【画像】
※ gornostay, Zurijeta, elista, Impact Photography, oes / Shutterstock
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