わんにゃの健康と病気

【動物看護士執筆】犬のあくびが病気のサインの可能性もある?

miyu

JCSA 認定「動物看護士」
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【動物看護士執筆】犬のあくびが病気のサインの可能性もある?

愛犬があくびをしている姿はとても可愛いですよね。しかし、眠い時だけではなくて、何かのサインとしてあくびをしている可能性があります。それでは、どんなサインの可能性があるのでしょうか。

カーミングシグナル

シーズーがあくびをしている写真
出典:https://www.shutterstock.com/

カーミングシグナルは、「落ち着く」という意味の英語「Calm」と、「合図」という意味の英語「Signal」が合わさってできた言葉です。語源の通り、カーミングシグナルは、ストレスの原因である緊張などを落ち着かせるときにする行動です。目をそらす、背中を向くといった行動の他にも、「あくび」もカーミングシグナルのひとつだといわれています。

人間の場合、緊張しているときにあくびはしませんが、犬は緊張をほぐすために、あえてあくびをすることがあります。また、緊張の原因となっている人間や他の犬に対して、「争うつもりはないよ!」という意思を示すためにあくびをすることもあります。

人間のあくびがうつることも

チワワがあくびをしている写真
出典:https://www.shutterstock.com/

誰かのあくびが伝染してしまうことがあると思いますが、犬も同じように、親しい気持ちを抱いている飼い主のあくびが伝染して、あくびをしてしまうことがあるといわれています。また、赤の他人よりも親しみを感じている人のあくびの方が伝染しやすいという研究結果もあるそうです。もし愛犬が飼い主に親しみを感じてあくびをしてくれているとしたら、とても嬉しいですね。

低血糖症

プードルがあくびをしている写真
出典:https://www.shutterstock.com/

糖分は身体にとって重要なエネルギーとなるので、血液中の糖分が通常時よりも減少するとさまざまな不調が生じます。食欲低下や下痢にはじまり、脳の働きが低下することにより、あくびが多くなるといわれています。

そこで、犬の身体は脳の働きを活性化させるためにあくびをして、酸素を送り込もうとするのです。低血糖症は生後3ヵ月前後の子犬、チワワやトイプードルに起こりやすいといわれています。

なぜかというと、身体が小さいと体温維持のために多くのエネルギーを必要とするため、低血糖症が引き起こされるリスクが高いためです。そのため、フードを複数回に分けたり、栄養価の高いフードを与えるなど工夫が必要です。もちろん中・大型犬の犬でも低血糖症が起こるリスクはあるので、1日に必要なカロリーを十分に摂取できるように注意しましょう。

うつ症状

体調不良のビーグル
出典:https://www.shutterstock.com/

犬は繊細な心を持つ動物なので、人間と同じようにさまざまなストレスがかかると、うつ症状が出てしまうことがあります。あからさまに元気がなくなったり、食欲不振や粗相が増えたりします。

そのひとつとして、あくびの回数が増えることがあるといわれています。お留守番が増えたり、散歩の回数が少ないなど、犬にとっては飼い主と接する時間が少ないことが、もっとも大きなストレスとなります。そのため、なるべく愛犬が寂しくならないように気をつけてあげましょう。

また、うつ症状のひとつとして粗相や食糞をしたのにも関わらず、それを叱ってしまうと、さらにうつ症状が酷くなったり、信頼関係にヒビが入ってしまうことにもなりかねません。なお、これは実体験となりますが、愛犬の粗相に対して無性に腹が立ってしまうときは、飼い主自身にも余裕がないことが多いです。それを愛犬が気づかせてくれているのだと理解し、愛犬のためにもストレスを癒す時間を多めにとった方が良いかもしれません。

 

もちろん、あくびの全てが病気の症状というわけではありません。また、あくびを全くしない場合、虫歯や口内炎の痛みが原因となっている可能性もあります。そのため、愛犬の食欲や糞尿の具合、表情などをチェックして、何か異変がある場合は、迷わずに動物病院を受診することをおすすめします。

 

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