ねこちゃんが口を開けて息をしていたり、変な呼吸をしていたりしたら、飼い主さんは心配ですよね。ねこちゃんの呼吸は基本的に鼻呼吸であり、健康であれば口呼吸はほとんどしません。
もちろん、私たちが運動後に呼吸が早くなるのと同じように、ねこちゃんも走った後や激しく動いた直後は、正常値より多く呼吸をする場合もあります。ねこちゃんの様子を見て数分で落ち着くのであれば問題ありません。
この記事では、ねこちゃんが開口呼吸をする原因や呼吸困難の種類、そして異常な呼吸をしている時に考えられる病気について解説します。
■開口呼吸の原因
ねこちゃんが口を開けて呼吸をする「開口呼吸」は、さまざまな原因が考えられます。
主な原因を見てみましょう。
熱中症
ねこちゃんは体温調節が苦手で、特に暑い環境に長時間いると熱中症になる場合があります。
熱中症になると、ねこちゃんは体温を下げるために口を開けて呼吸します。
よだれを垂らす、脱水、元気がない、ごはんを食べない、なども熱中症のサインです。
ストレス
ねこちゃんはストレスを感じると、口を開けて息をする場合があります。
動物病院への通院や知らない場所への移動、大きな音、知らない人や動物の存在などがストレスの原因となります。
ストレスによる開口呼吸は、一時的なものである場合が多いですが、長時間続く場合は注意してくださいね。
呼吸器の問題
のどに何かが詰まったり、気管支炎や肺炎になったりすると、ねこちゃんは口を開けて息をする場合があります。
気管支炎はのどの奥が腫れる病気で、咳が出たりゼーゼーしたりします。
肺炎は肺の炎症で、発熱や咳、呼吸困難を伴います。
心臓の問題
心臓病や心不全などの心臓の問題が原因で、十分な酸素を体に供給できない場合も、ねこちゃんは口を開けて呼吸をすることがあります。
疲れやすくなったり、咳が出たり、お腹が膨らんでいるように見えたりするのが心臓病のサインです。
■ねこちゃんの呼吸困難の種類
ねこちゃんの呼吸困難にはいくつかの種類があります。
それぞれの特徴を知っておくと、いざというときに役立ちます。
呼吸数の増加(頻呼吸)
頻呼吸とは、通常よりも速く呼吸をする状態です。
ねこちゃんの正常な呼吸数は安静時で1分間に20~40回ですが、それより多い場合は頻呼吸かもしれません。運動後や興奮時以外で続く場合は気をつけましょう。
ただし、子猫の場合は1~2割ほど呼吸数は多くなります。
※ねこちゃんの呼吸数の測り方:ねこが休んでいる時(寝ている時やリラックスしている時)に、1分間に胸が上下に動く回数を数えましょう。
呼吸が浅い(浅呼吸)
浅呼吸は、息を浅くしか吸えない状態です。
これは肺や気道に問題がある場合に見られることが多いです。
浅呼吸の原因には、肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患があります。
呼吸音の異常
ゼーゼーやヒューヒューといった音が聞こえる場合は、呼吸器に問題がある可能性があります。
これらの音がするときは、気道が狭くなっていると考えられます。
■異常な呼吸をしている時に考えられる病気
ねこちゃんが異常な呼吸をしている場合、以下のような病気が考えられます。
気管支炎
気管支炎はのどの奥が炎症を起こす病気で、咳が出たり息が苦しくなったりします。
細菌感染やアレルギーが原因の場合が多く、薬による治療が行われます。
肺炎
肺が炎症を起こす病気で、熱や咳、息苦しさが見られます。
ウイルスや細菌が原因の場合が多く、早めの治療が大切です。
心臓病
心臓病や心不全は、心臓がうまく血液を送り出せず、体が酸素不足になるため、呼吸が荒くなります。
心臓病の治療には、薬物療法による症状の緩和ケアを行います。
喉頭麻痺
喉頭麻痺は、喉頭の筋肉がうまく機能しなくなる病気です。
高齢のねこちゃんに多く見られ、呼吸困難や声の変化を引き起こします。
保存療法で治る可能性がありますが、場合によっては手術が必要になります。
腫瘍
肺やのどに腫瘍ができると、呼吸の通り道が押されて狭くなってしまい、息をするのが難しくなる場合があります。
腫瘍の治療には、外科手術や放射線治療、化学療法などが行われます。
横隔膜ヘルニア
外傷や先天的な理由で横隔膜が破れ、胃や腸が呼吸器官を圧迫することで呼吸困難に陥ります。
治療には外科的手術が行われます。
ねこちゃんの開口呼吸や異常な呼吸は、さまざまな原因や病気が関係しています。ねこちゃんが普段と違う呼吸をしている場合は、すぐに獣医師に相談するようにして下さい。
早期の診断と治療が、ねこちゃんの健康を守るために欠かせません。飼い主として、ねこちゃんの呼吸の状態を日頃から観察し、異常を感じたら適切な対処を心がけましょう。
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