大切な家族であるねこちゃんの健康を守るために、飼い主さんとして知っておきたい病気の一つが「猫伝染性腹膜炎(通称FIP)」です。
FIPは治療が難しく、ねこちゃんの命に関わる深刻な病気です。この記事では、FIPについて、原因から症状、予防法まで、飼い主さんに知っていただきたい情報をわかりやすくまとめました。
大切なねこちゃんとの幸せな時間を長く過ごすために、ぜひ最後まで読んでくださいね。
■猫伝染性腹膜炎(FIP)とは
FIPは3つのタイプがあり、これらはねこちゃんにとってつらい病気です。
大切なねこちゃんを守るために、FIPがどんな病気なのか知っておきましょう。
FIPってどんな病気?
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、ねこちゃんにとって非常に深刻なウイルス性の病気です。
この病気は、猫コロナウイルス(FeCV)が体内で変異することによって発生します。
FIPは主に1才未満の若いねこちゃんや純血種、多頭飼育されているねこちゃんに発生しやすく、一度発症すると治療が非常に難しい病気です。
FIPの種類
FIPには大きく分けてウェットタイプとドライタイプ、混合タイプの3つのタイプがあります。
ウェットタイプでは、お腹や胸に液体が溜まり、お腹が膨らんだり、呼吸が苦しくなったりする症状が見られます。
ドライタイプは、内臓や神経にしこりができるタイプで、進行はゆっくりですが、食欲不振や元気の喪失、目の異常などが見られます。どちらのタイプもねこちゃんにとっては非常に苦しい病気です。
混合タイプは、ウエットタイプとドライタイプの両方の特徴を併せ持ったタイプです。
■FIPの症状
FIPにはいくつかの症状があります。
ウェットタイプとドライタイプそれぞれ特徴があるので、ねこちゃんの様子をよく観察するようにしてください。
初めの症状
最初は、ごはんを食べなくなったり、やせたり、熱が出たりします。
他の病気でも似たような症状が出るので、見分けるのは難しいことがありますが、こういった変化を見逃さないことが大切です。また双方が混在する混合タイプもよくみられます。
ウェットタイプの症状
ウェットタイプは、ねこちゃんのお腹や胸に水がたまるタイプです。
腹水や胸水が溜まることでお腹が膨らんで、息が苦しそうになったり、ごはんを食べなくなったり呼吸困難黄疸を引き起こすこともあります。
また、お腹をこわしたり吐いたりする症状もみられます。
症状が急に悪くなることがあるので、変化に気づいたらすぐに獣医さんに相談しましょう。
ドライタイプの症状
ドライタイプは、ねこちゃんの体の中に小さなしこりができるタイプです。
しこりができる場所によって症状が違い臓器への影響が目立つ傾向にあります。
目が濁ったり、体の動きがおかしくなったり、お腹をこわしたりする場合があります。また、虫垂神経に病変が現れることで神経症状を引き起こすことがあります。
症状がいろいろなので気づきにくいこともありますが、いつもと違う様子があれば獣医さんに相談してくださいね。
混合タイプの症状
FIPはウエットタイプとドライタイプのこの2種類に分けられていますが、ウエットタイプとドライタイプの混合型では、どちらの症状も認められます。
■FIPの原因
FIPを引き起こすのはコロナウイルス
FIPの主な原因は猫コロナウイルス(FeCV)です。
このウイルス自体は多くのねこちゃんが保有していますが、通常は軽度の消化器症状を引き起こすだけです。ではなぜFIPを引き起こすのか、また、どのように広がるのか見ていきましょう。
FIPは、普通のねこちゃんの風邪のようなコロナウイルスが変異して起こります。
多くのねこちゃんがこのウイルスを持っていて、普通は軽い症状で済みますが何かの拍子に変異してしまい、ねこちゃんの自己免疫反応をおこしてしまいます。
残念ながら、原因は判明していません。
FIPの感染経路は?
このウイルスは主にウンチから、飛沫が飛んで経口感染します。
また、よだれや鼻水でも広がる場合があるので、たくさんのねこちゃんと暮らしている場合は特に気をつけるようにしましょう。
■FIPの予防方法
ウエットタイプ、ドライタイプのどちらであるかに関わらずFIPを感知させることは難しいと考えられます。
特に、ウエットタイプの場合は病気の進行が速いため早期の治療開始がとても重要になります。
FIPを発症しないためにも予防が重要です。
FIPを完全に防ぐことは難しいですが、ワクチン、お家の環境管理、そして日頃の健康管理で予防に努めることができます。
ワクチンについて
残念ながら、今のところFIPを確実に予防できるワクチンはありません。
FIPのワクチンは開発中ですが、まだ十分な効果が確認されておらず、現在は推奨されていません。
猫白血病ウイルスやカリシウイルスなどの、3種混合ワクチンや5種混合の予防ワクチンを打つことで、ねこちゃんの体を強く保ち、間接的にFIPのリスクを下げられる可能性があります。
ワクチンを接種するか、獣医さんと相談しながら決めていくのがよいでしょう。
環境を整える
FIPを予防するには、お家をきれいに保つことが大切です。
トイレをまめに掃除したり、病気のねこちゃんと健康なねこちゃんを分けて飼ったりすることが必要です。
また、野良猫からこれらのウイルスが伝染することも多いため、愛猫と接触させないようにしましょう。こうすることで、ウイルスが広がるのを防げます。
健康管理
定期的にねこちゃんの様子をチェックして、早めに異常に気づくことが大切です。
いつもと違う様子があったら、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
FIPは怖い病気ですが、早期発見と適切な対処が、大切なねこちゃんを守る鍵になります。
清潔な環境づくりと日々の健康観察を心がけ、異変に気づいたらすぐに獣医さんに相談しましょう。
愛情と気遣いを持ってねこちゃんの健康を見守ることで、絆はさらに深くなりますよ。
この記事を参考に、ねこちゃんの健康を守り幸せな毎日を過ごしてくださいね。
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