ねこちゃんは私たち人間の4倍のスピードで年をとると言われいます。ねこちゃんの1歳は人間の15歳、2歳では人間の24歳と言われており、7~8歳ごろから体力が落ち始め、11歳ごろからが「シニア」と言われるようになります。ねこちゃんも年齢を重ねると、行動や体調にさまざまな変化が現れます。
食事や水分摂取量の変化、排泄や運動量の減少など、小さなサインを見逃さず適切なケアをしてあげると、ねこちゃんがもと穏やかに過ごせるようになります。
この記事では、健康を守るための注意ポイントや快適な生活環境を整えるアイデアを紹介しているので、参考にしてくださいね。
■日常生活で見られるシニア猫の3つの行動変化
ねこちゃんは年齢を重ねるにつれて、日々の生活の中で行動に少しずつ変化が見られる場合があります。
これらの変化は、ねこちゃんの健康に影響することもあるため、早めに気づいてあげなければなりません。
ここでは、特に気をつけたい3つの行動の変化についてお伝えします。
■食事量や水分摂取量の変化
ねこちゃんがいつもより食べる量や飲む水の量に変化があると、「どうしたのかな?」と心配になりますよね。
食べる量が減ってきた場合は、歯や口の中が痛い、または年齢の影響で好みが変わってきているのかもしれません。
逆に、急に食べる量が増える場合は、甲状腺の異常が隠れている場合もあるので注意が必要です。
水を飲む量にも気を配ってみてください。
ねこちゃんは体重1kgあたり1日に約50mlの水を飲むのが理想です。
体の水分が10%減ると意識障害、15%減ると命の危険があると言われています。
ねこちゃんがいつでも水分補給できるように、水が飲める場所を数カ所つくってあげるようにしましょう。
■トイレの利用頻度や排泄物の変化
健康なねこちゃんだと、1日に2〜3回くらいトイレを利用するのが平均的で、排尿は1〜3回、排便は0〜2回が目安です。
トイレに行く回数が多すぎる場合は、膀胱炎や尿路のトラブルが考えられます。逆に尿量が増えているときは、慢性腎臓病や糖尿病の可能性もあります。
また、便秘が続くときは腸の動きが悪くなっていることもあるので、食事や運動の見直しが必要になるかもしれません。
排泄物の色や形、臭いなどを毎日チェックしてみてください。「何かおかしいな」と思ったら、すぐに獣医さんに相談してみましょう。
■運動量や遊び方の変化
ねこちゃんが歳を取ると運動量が減ってくるのは自然なことですが、極端に減ったときは関節炎や筋力の低下が影響している可能性があります。
実は、12歳以上のねこちゃんの約90%が関節炎を持っているとも言われています。動きが鈍くなったり、歩き方や座り方が普段と違ったりした場合は、ねこちゃんのペースに合わせながら遊んであげるようにしましょう。
■体調の変化で注意すべき5つのサイン
ねこちゃんは年齢を重ねると、体調にさまざまな変化が現れてきます。日々の生活の中で小さなサインを見逃さず、状況に合わせたケアを心がけて下さい。
ここでは、特に気をつけたい5つの体調の変化について見ていきましょう。
被毛の質感や毛艶の低下が示す健康状態
ねこちゃんの毛並みは、健康のバロメーターのひとつです。
もし毛がパサパサしていたり、艶がなくなったりしてきたら、栄養不足やホルモンバランスの乱れ、もしくは腎臓や甲状腺の病気が原因かもしれません。
また、グルーミングの頻度が減っている場合は、関節炎などで体を動かすのがつらくなっている可能性も考えられます。
ねこちゃんの被毛の状態を定期的にチェックして、異変を感じたら早めに対処してあげましょう。
体重の急激な増減
体重が急激に減少した場合は、消化器の不調や腎不全、がんの可能性も考えられます。
逆に体重が増えたときは、運動不足や代謝の低下、甲状腺の異常が原因となることがあります。
ねこちゃんの体重は、週に一度くらい測る習慣をつけるといいですね。
大きな変化がなくても、定期的に記録しておくと健康管理がしやすくなりますよ。
呼吸の仕方や咳、くしゃみの変化
呼吸が荒くなったり、咳が増えたりする場合は、気管支炎や心臓病が疑われます。
また、くしゃみが頻繁に出る場合は、アレルギーや感染症が原因かもしれません。
ねこちゃんがリラックスしているときの呼吸音や頻度を普段から観察しておくと、異常に気づきやすくなります。
気になる変化があれば、早めに獣医さんに相談してくださいね。
口腔内や歯のトラブル
シニアのねこちゃんになると、歯周病や口内炎がよく見られますが、実はこれらのトラブルが全身に影響を及ぼす場合があります。
口の中に炎症があると、食欲の低下や、菌が血流に乗って心臓や腎臓に影響を与える可能性もあります。
ねこちゃんが口元を気にしたり、硬いものを食べなくなったりしたときは、歯や口の中の健康状態をチェックしてあげましょう。
定期的に獣医さんに診てもらい、歯のクリーニングを受けるのも良い方法です。
尿や便の状態から読み取れる内臓の異常
尿の色が濃い、便が硬い、または下痢気味など、いつもと違う様子が見られた場合、腎臓病や消化器疾患が隠れているかもしれません。
日常的に尿や便の色、形、臭いを観察する癖をつけると、異常を早めに発見できます。最近ではシステムトイレもあり、尿や便の回数も記録される便利なトイレもあります。
また、トイレ掃除をするときに異変を感じたら、すぐに獣医さんに相談しましょう。
■シニア猫と過ごす快適な生活環境の整え方
健康で快適に暮らせる環境を整えると、ねこちゃんが快適に過ごせるようになります。
年齢に合わせた食事や居心地の良い場所を工夫すると、ストレスが軽減され毎日がより穏やかで幸せな時間に変わるでしょう。ここでは、そのための具体的なアイデアを紹介します。
■運動量や遊び方の変化
シニアになったねこちゃんは、年齢や体調に合わせた食事がとても大切です。
例えば、筋肉量を維持するために高品質なタンパク質を含むフードを選ぶようにしましょう。
ドライフードが食べにくそうな場合は、ウェットフードや柔らかめのフードに切り替えてみるといいかもしれません。
フード選びに迷ったときは、動物病院や専門家に相談してみるのもおすすめです。
ねこちゃんに合った食事を選び、健康をしっかりサポートしてあげましょう。
■シニア猫が快適に過ごせる寝床や居場所の工夫
ねこちゃんが安心して過ごせる居場所づくりも、快適な生活の鍵です。
寝床は柔らかく温かい素材を選び、関節への負担を軽減するクッション性を重視してあげましょう。
冬場は温度管理がしやすいペットヒーターやブランケットを活用するのもおすすめです。
また、シニアのねこちゃんは高い場所に登るのが苦手になる場合があるため、床に近い場所にお気に入りのスペースを作ってあげるといいでしょう。
さらに、静かで落ち着ける場所を確保し、ねこちゃんのストレスを軽減してあげましょう。
■日常のストレスを軽減するための方法
ねこちゃんは年齢とともにストレスに敏感になる場合があります。
環境の変化や大きな音、人の出入りが多い状況などが、ねこちゃんの不安の原因になるかもしれません。
ストレスを軽減するためには、生活空間にねこちゃんが隠れられるスペースを設けてあげると安心感を与えられます。
また、生活のリズムを整え、毎日のごはんや遊びの時間を規則的にして、ねこちゃんに安心感を与えてあげてください。
ストレスの少ない環境作りで、ねこちゃんがのびのびと過ごせるお手伝いをしてあげましょう。
ねこちゃんが快適に過ごせるよう、日々の行動や体調の変化に気づいてあげることが大切です。
今回お伝えした「行動の変化」「体調の変化」「生活環境の整え方」を取り入れるだけで、ねこちゃんの生活がより豊かになりますよ。
毎日のちょっとした工夫を重ねるだけで、安心して穏やかな時間を過ごせます。
健康をしっかり支えながら、愛猫との絆を深めて、素敵な思い出をたくさん作っていきましょう。
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