ねこちゃんと暮らしはじめたら、どのような環境を好むか、どのような食事やトイレを好むかなどは気になるところ。大好きなねこちゃんには快適な環境で毎日健康に暮らしてもらいたいですよね。
そんな中、ねこちゃんのお悩みとしてよく耳にするのが“食事について”です。いつもより食べてくれなかったり、すぐに飽きて残してしまったりすると、飼い主としては心配になりますよね。
そこで今回は、犬と猫の問題行動の治療を専門としている獣医師の筆者が、“ねこちゃんがごはんを食べてくれない原因”についてお話します。
■ねこちゃんがごはんを食べない理由と原因
自分のねこちゃんが元気かどうか、健康のバロメーターにもなる食欲。ねこちゃんの性格によってはムラ食いをしたり、すぐごはんに飽きてしまったりすることもありますが、ごはんを食べない原因の裏には病気が隠れている可能性があるので注意が必要です。
ここでは、ねこちゃんがごはんを食べない主な原因をお伝えします。愛猫のごはんの食べ方、食欲などを日々観察することで、食べない原因が明確になることもありますのでチェックしてみてくださいね。
(1)わがまま、気まぐれ
ねこちゃんには気まぐれなところがあります。そのような気質がねこちゃんの魅力でもあるかもしれませんが、ごはんにすぐ飽きてしまったり、食べ残しが多かったりすると心配になることも。
そんなときは新しいごはんを与えたり、ごはんにトッピングしたりしてみてください。ひと工夫することで食べはじめてくれる場合は、単なるわがままや気まぐれかもれません。
(2)ストレスや不安がある
ねこちゃんはとてもデリケートな動物。ノラ猫が庭に現れる、家族構成が変わる、ご家族が体調を崩すなどの環境の変化が原因で、食欲に影響がでることがあります。できるだけ環境変化の少ない日々を過ごさせてあげましょう。
(3)季節に関わる変化
ねこちゃんは決して暑さに強い動物ではありません。気温、湿度が上がると食欲が落ちることもあります。室内の温度調整をこまめに見直して、快適な温度で暮らせるようにしてあげましょう。
また発情期を迎える季節には食欲に変化が出てきますので、ねこちゃんと暮らしたら避妊・去勢手術をしてあげましょう。
(4)体調がすぐれない、具合が悪い
人もそうですが、体調がすぐれないと食欲にも影響がでてきます。ごはん1回分程度を残す、または食べない程度でしたら心配ありませんが(子猫の場合は例外)、1日以上経過しても食欲が安定しない場合は、体調が悪いのかもしれません。
体調がすぐれないねこちゃんは活動レベルが下がる、グルーミングの頻度が減る、顔に覇気がないなどの変化のほか、下痢、嘔吐といった症状が見られることもあります。口内炎の痛みからごはんが食べられなくなることもよくあります。
(5)毛玉が原因による食欲不振
ねこちゃんは毛づくろいをする動物です。毛づくろいをしていると、自然と舌にからまった毛を飲みこんでしまいます。
飲み込んだ毛が胃の中で固まり、それが原因で嘔吐したり食欲がなくなったりすることもあります。
■ねこちゃんがごはんを食べないときの対処法
ねこちゃんがごはんを1日以上食べない場合は、体調が悪いことが考えられます。かかりつけの動物病院に相談をしましょう。
病気がからんでない場合は、以下のような対処を行ってみましょう。
(1)ごはんのブランドを変える、トッピングを工夫する
ごはんにすぐに飽きてしまうねこちゃんには、風味の強いごはんに切り替えたり、ごはんは同じものを提供し、ごはんの上にかけるトッピングを日替わりにしたりして、目新しくなる工夫をしてみましょう。
また食事は少し温めて香りをだしてあげることも効果的です。
(2)おもちゃを活用し、遊び感覚でごはんが食べられるようにする
おもちゃの中にごはんを隠し入れたり、家の中に何か所かごはんの隠し場所を作ったりしてみましょう。遊び感覚でごはんを探して食べるように工夫をしてあげるのもおすすめです。
(3)ストレスや不安になる原因を見つけて取り除く
ねこちゃんがストレスや不安を感じる刺激は意外と多く、筆者も驚く経験をしたことがあります。
例えば、洗濯用の柔軟剤や香水を変えた、同居猫が入院後退院して帰ってきた、マンションの外壁工事がはじまったなど。匂いや音も含めて、わずかな環境の変化でもねこちゃんはストレスを感じてしまうようです。
ストレスとなる刺激をできるだけ見つけて回避してあげましよう。
(4)ごはんを手やスプーンで与える
ねこちゃんが体調を崩したとき、特に呼吸器疾患があり鼻が利かなくなると、ごはんに対する興味が薄れてしまうこともあります。
ごはんを手やスプーンなどで与えて、ひと口でも食べるきっかけを作ってあげると、食べてくれるようになることもあります。
ねこちゃんがごはんを食べない原因や理由は、意外とたくさんあります。日々のちょっとしたねこちゃんの変化に早めに気づいてあげることで、ねこちゃんも健康でハッピーに暮らせます。
特に子猫はまだ体力も免疫力も低いため、食欲がないときは早めに病院に連れて行ってあげてくださいね。
【関連記事】
※ 下痢をしたら注意?病気の可能性がある「猫のうんち」3パターン
※ ねこちゃんの気持ちを第一に考えて!「多頭飼い」で注意するポイントとは
※ 無理やりはダメ!猫の「シャンプー」で気をつけたい4つのポイント
【画像】
※ Pixel-Shot, Aaron Amat, Suphannapa Viseshakul / Shutterstock
戻る
みんなのコメント