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【獣医師執筆】室内でも熱中症になる!? 暑い夏「犬の室内飼い」で注意すること

船田治子

獣医師
船田治子

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【獣医師執筆】室内でも熱中症になる!? 暑い夏「犬の室内飼い」で注意すること

暑い夏はわんちゃんにとって苦手な季節です。日ごろから気をつけておかないと、室内でも熱中症になってしまうことがあります。また「エアコンをつけているから大丈夫」と安心していると、逆にわんちゃんの体を冷やしてしまうことも……。

そこで今回は、室内でわんちゃんが快適に過ごす方法をご説明します。夏を乗り切るために、ぜひ参考にしてくださいね!

 

■食欲が落ちたらどうするの?

出典:https://www.shutterstock.com/

夏は気温がとても高くなります。すると、わんちゃんの食欲が落ちてしまうことが。もしも、わんちゃんがフードを残していても、傷みやすいので取っておかずに処分しましょう。

ウェットタイプのフードは、開封したあと冷蔵庫で保存します。なるべく食べ切れるサイズのものを購入しましょう。

また、夜になり涼しくなると食欲が戻ることがあります。そんなときは、朝よりも夜の食事を多めに与えてもよいでしょう。もちろん、いつも清潔な食器と新鮮な水を用意することを忘れずに!

 

■エアコンはつけるだけじゃダメ!上手な使い方とは

夏になると、わんちゃんも室内で“熱中症”になることがあります。わんちゃんは肉球以外に汗腺がないので、人間のように汗をかくことができません。

「ハアハア」と呼吸することで体温を下げようとしますが、それだけでは間に合わないと熱中症をおこします。暑い日にわんちゃんの呼吸が荒くなったり、口を開けて「ハアハア」としたり、そんな様子が見られたらエアコンを使って温度を下げてもOK。

ただ、エアコンを上手に使うために、注意すべきポイントがあるのでご紹介します。

(1)冷たい風を直接かけない

ケージやサークルに入っている場合、冷たい風が直接わんちゃんの体にかからないようにしましょう。

(2)わんちゃんのいる場所が寒くならないようにする

冷たい空気は床面に流れます。わんちゃんのいる場所が実際に何度くらいになるのか、温度計で測っておくと安心です。扇風機を併用して、室内の空気を循環させるのもよいでしょう。

(3)適温を保つ

温度は25℃前後になるように設定しましょう。

(4)お留守番のときも忘れずにエアコンをかける

閉め切った室内の温度はかなり上昇します。暑い日にお留守番をさせるときは、飲み水を十分に用意して、エアコンをつけて出かけましょう。

 

■熱中症になってしまった時の対処法

出典:https://www.shutterstock.com/

もし熱中症になってしまったら、とにかく冷やすことが重要です。応急処置をしながら、なるべく早く動物病院に連れていきましょう。

(1)水が飲めるようなら、十分に飲ませる。

(2)保冷剤や氷、濡らしたタオルを首、脇の下、内股などに当てる。

(3)お風呂場で体に冷水をかける。

重症化すると、ハアハアする呼吸がおさまらず、体温が41℃以上になる、よだれが多量に出る、ぐったりする、下痢嘔吐、けいれん、意識を失うなどがみられ、亡くなってしまうこともあります。

 

高齢犬、肥満犬、短頭種(ブルドッグ、パグ、シーズーなど)、心臓呼吸器疾患をもつわんちゃんは、特に注意が必要です。

毎日フードを与えるときに様子をチェックして、わんちゃんに異変が起きていないか確かめましょう。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【画像】

※ rangsan lerkngam, Javier Brosch, Kuznetsov Alexey / Shutterstock

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