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【獣医師執筆】抜け毛がないのは本当?「トイプードル」と暮らす前に知っておきたいこと

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】抜け毛がないのは本当?「トイプードル」と暮らす前に知っておきたいこと

20209月10日情報更新

トイプードルはここ数年、日本で最も人気のある犬種で、筆者の病院でも多くのトイプードルを見かけています。そんなトイプードルも、いざお家に迎えるとなるといくつかの注意点もあります。

そこで今回は、トイプードルと暮らすため知っておきたい情報をお届けします。

■トイプードルってどんな犬?

トイプードルはプードルの中でも最も小型の犬種です。ジャパンケンネルクラブ(JKC)の分類では、トイ種の他にも体の大きさによっていくつかに分類されています。ミニチュア・プードル、ミディアム・プードル、スタンダード・プードルがあり、この順番に体格が大きくなっていきます。

プードルの起源は、古くからヨーロッパのあちこちで見かけられており、はっきりとは分かっていません。しかし、トイプードルについては1700年代に誕生したと言われています。

 

■トイプードルは抜け毛がない?どんな毛色があるの?

出典:https://www.shutterstock.com

トイプードルは他の犬種に比べて手足が長く、スラッとした立ち姿が印象的です。被毛については換毛期がないため、春や秋の季節の変わり目の抜け毛はありませんが、その分毛はどんどん伸びますので、定期的なカットが必要になります。

毛色はJKCの基準では、多少の濃淡はあるものの、全身一色のみで、チワワやダックスフントのように複数の毛色が混ざっているプードルはほとんど見かけません。毛色の種類には、ホワイト、アプリコット、シルバー、ブラウン、ブラックなど様々なタイプがあります。

 

■トイプードルのしつけについて

トイプードルは一般的に利口で従順なため、比較的しつけやすい犬種と言えます(もちろん個体差はあります)。しかし他の小型犬同様、トイプードルは室内で飼育しますが、動きは活発ですので、ときに高いところから落ちたり、フローリングなど滑りやすい床で転んだりして、思わぬアクシデントが起こることがあります。

トイレトレーニングなど一般的なしつけは問題なくても、お家の中での運動管理が難しい場合がありますので、ドッグトレーナーのアドバイスなどを受けることも大切です。

 

■トイプードルでよく見られる病気について

トイプードルも他の犬種と同様に、トイプードル特有の病気が報告されています。病気の種類には先天的なものもあれば、年齢が経過してから発症するものもありますし、心臓病や皮膚病、内分泌(ホルモン)の病気、血液の病気など、種類も実に多くの病気が報告されています(※)。

筆者の経験ではこれらの病気の中でも、比較的若い年齢のトイプードルでは、膝のお皿が外れる“膝蓋骨脱臼”や、乳歯が大人になっても抜けない“乳歯遺残”、さらには歯周病やアレルギー性皮膚炎などを診察する機会が多くあります。

これらの病気は、ある程度成長するまではなんの症状も示さないことも多く、事前に病気の有無を調べることは非常に困難ですが、早い段階で治療を行うことで、その後の生活を楽にしてあげることは可能です。

また高齢のトイプードルでは、心臓病の一つである“僧帽弁閉鎖不全症”、歯周病や腫瘍(ガン)といった病気が多いように感じています。特に高齢期の病気は早期発見が大切です。ぜひ年に2回程度の定期的な健康診断を実施してあげましょう。

出典:https://www.shutterstock.com

そして、どの年齢のトイプードルでも注意していただきたいのが、“歯周病”です。特にトイプードルのような小型犬は、筆者の経験上、歯周病の悪化リスクが非常に高いため、日ごろのデンタルケアで予防に努めることが重要です。

さらには、病気ではありませんが、トイプードルの前足は非常に細く、高いところから飛び降りたり、あるいは走り回っているときに転んだりして、前足を骨折してしまうケースも多くみられます。特にまだ骨が成長している1歳未満の若いトイプードルにみられることが多いので、この時期の運動管理には注意が必要です。

 

トイプードルは比較的利口で従順なタイプなので、飼いやすい犬種といえます。しかし、膝蓋骨脱臼や歯周病など、トイプードルに見られる病気も様々存在し、その多くが早期発見、早期治療が重要になります。

そのため、日ごろからの健康管理には積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考・画像】

※ Alison Thomas(2004)"Breed Predispositions to Disease in Dogs and Cats" Blackwell Publishing

※ Eloine Chapman, ardiwebs, ayu1125/ Shutterstock

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