わんにゃの健康と病気

【動物看護士執筆】これって犬の風邪?気になる症状と対策を解説

miyu

JCSA 認定「動物看護士」
miyu

いいね 0

【動物看護士執筆】これって犬の風邪?気になる症状と対策を解説

わたしたちヒトと同じように、犬も「ケンネルコフ」という名の風邪にかかってしまうことがあります。症状はヒトと似ていますが、犬はヒトよりも身体が繊細なので、重症化してしまわないように注意が必要です。この記事では、犬が風邪をひいたときの気になる症状と対策を解説します。

犬の風邪「ケンネルコフ」とは?

shutterstock_1782091526.jpg
出典:https://www.shutterstock.com/

もし犬が咳やくしゃみ、鼻水など、ヒトの風邪と同じような症状に苦しんでいる場合は、「ケンネルコフ」になっているかもしれません。「ケンネルコフ」とは、犬伝染性気管気管支炎というウイルスや細菌などが原因となる呼吸器疾患のことです。

主な症状は咳やくしゃみ、鼻水、発熱、下痢、嘔吐などですが、それに伴う脱水症状や気管支炎に進行してしまう場合もあるので要注意です。また感染経路としては、犬同士の唾液や鼻水などの飛沫感染や接触感染が考えられます(基本的にヒトへの感染はしないといわれています)。

もし風邪の症状がでたらどうすればいい?

shutterstock_2028213533.jpg
出典:https://www.shutterstock.com/

    咳や食欲不振など異変を感じた場合は、基本的に動物病院への受診をおすすめします。犬は基本的に我慢強い生き物なので、辛くても飼い主に表現しないこともあります。特に子犬や老犬など身体が強くない場合は、症状が深刻になる前に、早めの受診を心がけましょう。

    病院に行くまでの間は、身体を冷やさないように温める、脱水を防ぐために水分を含んだ総合栄養食を与えるなど、犬が衰弱しないように気を配ってください。高熱や下痢・嘔吐が続く場合は、アレルギーや炎症性腸疾患、異物誤飲など、風邪以外の原因も考えられます。その場合はレントゲン検査など、病院でしかできない処置が必要になりますので、風邪だと自己判断せず、病院に行くのが安心ですね。

    また、絶対にヒト用の風邪薬を与えるのはやめましょう。腎臓に障害が起きる可能性もあるので、必ず動物病院で処方された薬を与えるようにしてください。

    混合ワクチンで風邪を予防できるの?

    出典:わんにゃ365

    ケンネルコフの予防には、混合ワクチンの接種が効果的です。5種以上の混合ワクチンにおいて、「イヌパラインフルエンザ」や「イヌアデノウイルスⅡ型」を予防することができます。万が一感染したとしても、症状を和らげることが期待できます。

    ただし、細菌感染を防ぐことはできませんし、ワクチンさえ打てば100パーセント安心!というわけではありません。そのため、普段からストレスの少ない環境を整えたり、栄養のある食事を与えることなどが大切になります。

    風邪を予防するおすすめ食材

    風邪予防の食材
    出典:https://www.shutterstock.com/

    ヒトと同じように、栄養バランスの取れた食事を心がければ、風邪もひきにくくなります。特に納豆には、「納豆キナーゼ」という酵素やビタミンB2が含まれていて、免疫力アップにおすすめです。整腸作用や血栓予防、皮膚の健康に効果的なので、寒い季節に限らず通年与えたい食材の一つです。納豆を乾燥させた犬用のおやつも商品化されているので、手軽に与えられるのも魅力です。

    また、にんじんやかぼちゃには「β–カロテン」が特に多く含まれていて、免疫力アップが期待できます。茹でて食べやすいように刻んだものをフードに少しトッピングしてあげると食べやすいです。これらもフリーズドライの犬用のおやつとして、販売されているのでおすすめです。

    風邪を予防する環境づくり

    防寒着を着用している犬
    出典:わんにゃ365

    犬が暮らす部屋の温度は、成犬や大型犬は2023℃、子犬や老犬、シングルコートの小型犬だと2325℃ほどが適温だと一般的にいわれています。湿度については、5060%ほどが推奨されています。特に冬の季節、寒くて乾燥している部屋だと、風邪になってしまう可能性が高いので注意してください。

    なお、ヒト用の電気毛布やホットカーペットだと火傷してしまう可能性もあるので、犬専用のペットヒーターを用意してあげるといいでしょう。また、カイロは誤飲の可能性が高いので、目の届かないところでの使用は控えてください。その他にも、散歩中に暖かい服を着せる、マッサージをして血行を促進させるなど、ヒトと同じような対策が効果的になります。

    いかがでしたか。犬の免疫力を十分に保つために良質な食事をとり、愛犬が風邪をひかないように「予防」に対する意識を持っておくことが大切です。普段から愛犬とコミュニケーションを取り、愛犬の異変や病気のサインを見逃さないようにしましょう。

    この記事に付けられているタグ

    いいね 0