わんにゃの健康と病気

【動物看護士執筆】犬・猫が寒い時季にかかりやすい意外な病気・ケガとは?

miyu

JCSA 認定「動物看護士」
miyu

いいね 0

【動物看護士執筆】犬・猫が寒い時季にかかりやすい意外な病気・ケガとは?

寒い冬の季節に風邪やウイルス性の感染症にかかりやすいことは想定しやすいですが、実はそのほかの病気やケガのリスクも高まります。今回は、そんな冬にかかりやすい“意外な”病気やケガについてお伝えします。

泌尿器系の疾患

shutterstock_1862219650.jpg
出典:https://www.shutterstock.com/

寒い冬の季節が到来すると、膀胱炎や尿閉、尿管結石などの泌尿器系の疾病リスクが高まります。なぜかというと、気温の低下や運動量が減少することによって、水分の摂取量が少なくなり、尿の回数が減るからです。それにより尿の濃度が高まり、本来であれば排出されるはずの有毒物質が体内に止まる時間も長くなってしまいます。一般的には、尿道の短い雌は膀胱炎にかかりやすく、尿道が長い雄は尿閉が起こりやすいといわれています。

排尿時に痛そうにしていたり、ちょろちょろと中断しながらおしっこしたり、おしっこの色がいつもより濃い、もしくは赤色が混じるなど、何かいつもと異なる様子がある場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

もし尿閉を起こしてしまった場合、24時間ほどで膀胱は満杯になってしまいます。48時間経過する頃には、本来であれば体外へ排出されるべき有毒物質が体に残るために、嘔吐などの症状が見られるようになります。そして、72時間ほど経過してしまうと、尿毒症で死亡してしまう危険が高まります。つまり、症状からたったの3日程度で、危険な状態になってしまうというわけです。

特に猫の場合は、おしっこシートが猫砂の下に隠れているタイプのトイレもあるので、意識しておしっこシートを確認しないと、その発見が遅れてしまうため注意が必要です。

それでは、どのように対策をすればよいのでしょうか。基本的には、運動量をキープし、水分の摂取量を減らさないようにすることが大切です。そのため、水の温度を冷たくしすぎないように気をつけ、水の減りが遅い時は、チュールタイプ(ペースト)や肉汁などで水に匂いをつけてあげると喜んで飲んでくれるかもしれません。もしくは犬用のミルクや甘酒など、愛犬が好きな味付けをしてあげたり、ウェットフードを与える機会を増やしてもいいかと思います。

そして、運動量を減らさないためには、頑張って散歩に連れて行くしかありません。ねこちゃんの場合は、キャットタワーを用意するなど、室内でも運動できる工夫をするとよいでしょう。また、肝心の愛犬が散歩を嫌がるときは、寒さ対策のために服を着せたり、肉球が肌荒れを起こさないように肉球クリームでケアをしたり、必要に応じて靴を履かせてもいいかもしれません。

やけど

shutterstock_2104091159.jpg
出典:https://www.shutterstock.com/

やけどは冬場に発生しやすいケガとなります。愛犬や愛猫がストーブの前を陣取っている光景はよく目に付きますが、うたた寝をしてしまうとやけどをしたり、ヒーター部分に毛が触れて焦げてしまう事故のリスクも高まります。こたつの場合も、こたつの天井付近に身体が近づくとやけどをしてしまうので、温度調整を低めにし、コタツの足の部分を高くするといいかもしれません。

また、温度がそこまで高くなくても、長時間使用することで低温やけどを起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。犬や猫の場合、毛に埋もれていて肌の状態が分かりにくいので、毎日ブラッシングやマッサージをしてあげると、早期発見に繋がります。

ちなみに、このコタツの足を高くする商品については我が家でも利用していて、ダイソーなどの100円均一でも販売されているのでおすすめです。またねこちゃんの場合、お風呂に忍び込んでお湯を張った湯船にジャンプをしてやけどをしてしまう事例も少なくないようです。

 

上記のことは、人にもいえることだと思います。愛犬・愛猫と一緒に運動不足にならないように気をつけたり、十分に水分を補給し、低温やけどにも気をつけて、寒い冬を元気に乗り切りましょう。

この記事に付けられているタグ

いいね 0