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【獣医師執筆】寒さは目にダメージを与える?これからの時期に知っておきたい犬猫のための冬知識

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】寒さは目にダメージを与える?これからの時期に知っておきたい犬猫のための冬知識

犬や猫は、夏になると熱中症など命に関わる病態があるのは知られています。その一方で、特に犬は、寒さには強いイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、品種や年齢、あるいは持病の有無によっては、冬でも犬や猫の負担になることがあります。

そこで今回は、寒さと犬や猫の病気、さらには寒さに対する目のケアについてお伝えします。

■寒さに弱い犬種、猫種

寒さは目にダメージを与える?これからの時期に知っておきたい犬猫のための冬知識
出典:https://www.shutterstock.com/

犬の場合、寒い地域で品種改良されたため、比較的寒さに強い犬と、暖かい地域で作られたため、寒さは苦手な犬種があります。たとえば、シベリアンハスキーや秋田犬のような犬種は、通常の被毛の下にアンダーコート(下毛)と呼ばれる細かく密集して生えている毛があり、これが保温効果を非常に高めますので、寒い場所でも体を冷やさずに暮らすことができます。

一方で、スムースコート(短毛)の犬種やアンダーコートがない犬種は、そこまで保温性が高くないので、寒さは苦手と考えられています。トイプードルやフレンチブルドック、スムースコートのチワワやダックスが当てはまります。

また同じように、アンダーコートを持つ猫も比較的寒さに強いと言われています。中には「筋肉が多い猫も、代謝がしっかりしているから寒さに強い」とする考えもあるようですが、個人的には、現代ではほとんどの猫は室内で暮らしており、十分な運動量が確保できず、外で暮らす猫より筋肉量が少ないので、あまり寒さに強いという印象は受けません。

犬種や猫種以外にも、幼若、あるいは逆に高齢の犬猫、さらには持病がある場合は、寒さに弱いと考えられています。

■寒い時期に多い病気

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寒い時期に最も多く見られる病気は、泌尿器系の病気です。寒くなると自然とお水を飲む量が減ってしまい、その分、尿量も減り、尿が濃くなります。すると、尿石症を持つ犬猫では症状が悪化したり、あるいは猫では原因不明の特発性膀胱炎が見られるようになります。

また、気管虚脱など呼吸器系の病気も悪化しやすくなります。これは室内と外の寒暖差、あるいは室内の乾燥が刺激となって、弱った気管に負担をかけ、症状を悪化させていると考えられています。

さらには、直接の寒さではありませんが、ストーブやファンヒーターの前で暖まることが多い動物では、皮膚が乾燥し、フケが増えたり痒みが見られることもあります。

また、ドライアイを持つ犬猫では、乾燥によって角膜炎や結膜炎を悪化させてしまうことがあります。

■寒さによる目の病気はそれほど多くない

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このように、寒い時期に発生しやすい病気はあるのですが、その中でも目の病気というのはあまり多くはありません。

しかし、目の病気のほとんどは、発症してしまうと痒みや痛みなど症状が強く、さらには治療しようにも目薬をさせてくれないケースや、あるいはエリザベスカラーを長期間着けてストレスが強くかかる場合が多いため、普段からこまめに目のコンディションをチェックし、日常的にケアしてあげることが重要です。

■寒い時期に注意したい目のケアについて

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目のケアは、毎日お家でできることと、定期的に動物病院でチェックしてもらうことがあります。

お家では、毎日、目の状態をチェックしていただき、目やにの変化(色や量、涙やけが広がっていないかなど)、白目やまぶたが赤くなっていないか、さらには目の表面や目の中の変化、瞳孔の大きさなどを確認しましょう。

また、動物病院では、白内障のチェックやドライアイの検査、さらには角膜や眼圧の検査などを行い、隠れた病気がないかを定期的にチェックしてもらうことをおすすめします。

犬や猫は寒い時期には、泌尿器系の病気が増えることが知られています。また、呼吸器の持病やカサカサ肌、ドライアイを持つ犬猫では、冬場に症状が悪化することがあるため注意が必要です。

普段からお家でのチェックやケアを、さらには定期的に動物病院でのチェックも行い、異常を素早く発見できるようにしてあげましょう。

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※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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