野良猫の生活は一見自由に生きているように見えますが、その生活は私たちが考える以上に厳しい環境で生きています。お家で暮らしているねこちゃんの平均寿命が15年に対し、野良猫の寿命は3年から5年といわれています。
夏は暑く、冬は寒い。雨や風をしのぐ場所を見つけるのも大変です。特に冬の寒さは子猫や病気などで抵抗力が弱ったねこちゃんには命とりになります。子猫から成猫に成長することはとても大変で、子猫時代の死亡率の高さが野良猫の平均寿命を下げているといってもいいでしょう。
■ねこちゃんの繁殖力
ねこちゃんの繁殖力は高く、年に2~4回出産することができ、1回の出産で4~8匹の赤ちゃんを産みます。1年で32匹もの赤ちゃんが産まれる可能性があるのです。社会問題となっている、「多頭飼育崩壊」のニュース等で見たことがある方が多いと思いますが、なんと、1世帯で100匹以上になっている例もあります。
増えてしまい、飼い続けることができなくなってしまったねこちゃんの引き取り先を探すのも難しく、結果として捨てられることも多くあります。ねこちゃんに避妊手術が行われていない場合はまた野良猫が増えていくことになります。
■民間の保護団体が行っている「TNR」活動について
不幸な猫を減らすために、野良猫を捕獲して不妊・去勢手術を施したうえで元の場所に戻す「TNR(Trap Neuter Return)」という活動を行っている民間の保護団体は数多くあります。
保護団体によって不妊・去勢手術が施された猫は、目印として片方の耳が三角にカットされていることが多いので、TNRを初めて知ったという方は、野良猫を見かけたら耳の形をみてください。
TNRにかかる費用は基本的に保護団体が負担していますが、手術の費用を無料にしている動物病院もありますし、自治体からの補助もあります。このように野良猫については行政と民間による対策が行われていますが、それでも追いついていないというのが現状なのです。
■野良猫を保護したら必ず行うこと
・保護したあとはすぐに動物病院へ連れて行く
感染症にかかっていないか、ノミやダニがついていないかなど、健康状態をチェックしてもらうためです。保護したねこちゃんの健康状態の把握と、すでにお家にねこちゃんがいる場合は先住猫への感染を防ぐためにも必ず動物病院に連れていきましょう。
動物病院でかかる費用の相場は、5,000円~15,000円ですが、受診する動物病院の料金体系によって異なるので、事前に受診予定の病院へ問い合わせておくと安心です。
・迷いねこではないか確認する
野良猫ではなく迷いねこであれば、必死に探している方がいるはずです。迷いねこは遺失物法に明記されている通り、逸走した家畜となるため届け出が必要です。保護したねこちゃんが迷いねこではないか、保健所や警察に問い合わせてみたり、SNSやインターネットの迷いねこ情報を確認しておきましょう。
・飼育できる環境を整える
保護したねこちゃんを受け入れることになったら、飼育するための環境を整えます。初めてのおうちは、ねこちゃんも緊張しているため静かで落ち着ける場所を用意し、ケージや毛布、トイレ用品やフードなどを用意しておきましょう。
■保護猫を迎え入れたら注意すること
・ねこちゃんの様子をみながら距離を縮めよう
子猫の場合はなついてくれるのに時間はかからないかもしれませんが、成猫の場合は警戒していてご飯も食べてくれないこともあります。急いで仲良くなろうとせず、ねこちゃんの様子をみながら少しずつ距離を縮めていきましょう。
・ねこちゃんのお風呂はいつから
お家の中で生活していくには、トイレのしつけも必要になります。部屋の中を落ち着かない様子で歩いていたらトイレに連れていくなどして覚えてもらいます。また、お風呂はねこちゃんにとって体の負担も大きくストレスになります。慣れてからにしましょう。
ねこちゃんと暮らすにはそれなりに費用がかかりお世話も大変ですが、保護したからには、ねこちゃんが幸せに暮らせるよう最後まで責任を持ちましょう。
■ねこちゃんの瞳のケアにおすすめ
ねこちゃんの健康を守るのは飼い主さまの役目です。毎日のねこちゃんの様子をしっかりと把握し、少しでも違うと感じたら獣医師にご相談くださいね。
▼ねこちゃんの瞳の健康におすすめ
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