今回は、トリミングにおける口輪の役割をご紹介いたします。実際【口輪】と聞くと、とても抵抗感を示される飼い主さまが大半かと思います。トリマー側の本音をお話すると、私たちも口輪を付けたくないと考えています。
今回の記事では口輪の必要なわんちゃんがいる理由と、トリミング時の「なぜ、うちの子に口輪をつけるの?」という飼い主さまの疑問を少しでも解消できたらと思います。
口輪を付ける意味は?
普段お家では大人しい愛犬でも、トリミングになると嫌がったり動き回ったり、歯を当てて攻撃してしまうわんちゃんが少なからずいます。動物病院で特に痛いことをするわけではなくても、獣医師さんを怖がってしまう気持ちと同じですね。
そのようなわんちゃんにはやむを得ず、口輪を装着してカットやシャンプーをすることがあります。ですが、主に口輪はわんちゃんへのハサミによる事故や怪我、トリマー自身の怪我防止の役割を果たしています。トリマーが使用するバリカンやハサミは、美容師が使用する物のように非常に軽い力で良く切れます。
少し想像してみていただきたいのですが、軽い力で良く切れるハサミを持った状態で、カット中に急にわんちゃんが動いたり、咬むつもりはなくとも手に歯を当ててきたらどうなるでしょうか…。
可愛くなるために行ったサロンから、「今、病院なのですが…」なんて連絡はきてほしくないですよね。私たちも、そのような連絡は絶対にしたくありません。冒頭でもお伝えしましたが、トリマーも本来であれば口輪など使用したくはありません。
ですが、事故に繋がる危険性があるなと判断した場合は、双方の安全を考慮して着用をしています。
口輪のデザインが変化
従来の口輪は「うちの子どんなに狂暴なの…?」と思うようなデザインでしたが、最近はアヒルの口をモチーフにしたデザインがあり、見た目的な抵抗感は昔に比べると少なくなったように感じます。
見た目には、アヒルのくちばしが付いているように見えて可愛いですが、それでも口輪に対する抵抗感は少なからずあると思います。ですが、大切な愛犬の事故防止のためだと思っていただける嬉しいです。
トリミングに対する疑問はトリマーに聞いてみて
もし、大切なわんちゃんに口輪をしている理由が気になるようでしたら、サロンスタッフに「なぜ、うちの子に口輪が必要なのですか?」と質問してみるのもいいかもしれません。
トリマーとしても、「口輪は付けないでください」とお伝えいただくより、理由をお話できる機会をいただけると双方の安全に配慮ができるかと思います。
トリミングが苦手な愛犬の自宅ケア
トリマーとお話する機会があれば、トリミング中にわんちゃんの苦手な事を聞いてみてもいいかもしれません。足を触るのを嫌がる、ブラッシングを嫌がるなど、自宅でも練習ができる事でしたら毎日の撫で撫でタイムのうち、数分、数回をわんちゃんの苦手な部分を触る習慣にしてもいいかもしれません。
毎日少しずつ触ることで、トリマーに触られることへの抵抗感が少しでも改善されたら、口輪を着用せずにお手入れができるようになるかもしれません。飼い主さまには無条件でどこを触られても大丈夫でも、他人には触られたくないわんちゃんもいます。
必ずしも習慣化に効果期待できるわけではないですが、少なくともお手入れをするという行為に対するストレスは軽減されるかと思います。
トリミング後に大事なこと
とにかく、たくさん褒めてあげてください。トリミングの間、わんちゃんは家族と離れてとっても頑張っています。どれだけ、サロンが好きなわんちゃんでも家族の方が大好きに決まっています。
お迎えの時には、飼い主さまのお顔を見れば大喜びで駆け寄ってくるはずです。ぜひお家に帰ったら、ゆっくりわんちゃんとリラックスした時間を過ごしてくださいね。
トリマーからのお願い
実は、トリマーがとても困ってしまう事があるんです。それは、トリミング中にわんちゃんが飼い主さまを見つけてしまうことです。
わんちゃんは飼い主さまを頼りにしているため、お手入れを頑張っているときに飼い主さまを見つけてしまったら、どれだけ普段トリミング中に大人しいわんちゃんでも、お迎えにきてくれたと大興奮して動き回ったり、落ち着きがなくなってしまいます。
トリミング中に興奮して動き回ると危ないですし、時間通りにお手入れを終わらせることが難しくなってしまいます。わんちゃん自身も「なんで、見えてるのにこっちに来てくれないの?」と不安になったりもします。
トリミングサロンでお待ちの間は、愛犬から飼い主さまが極力見えないように、そしてお迎えの時間はサロンと決めた時間に来店していただけるとわんちゃんに不安感を与えずに済むかと思います。
いかがでしたか?トリミングサロンでの口輪は、大切なお客さまのわんちゃんを守るために使用しています。口輪を上手に利用して、安全にトリミングできるように心がけています。
戻る
みんなのコメント