ペットの安楽死。
つらい話題ではありますが、わんちゃんやねこちゃんと暮らす人にとっては、考えておかなければならないことのひとつです。重い病気やケガでペットに回復の見込みがないのなら、安楽死を検討せざるを得なくなるかもしれません。
本記事では、体験を含めてペットの安楽死について紹介します。参考のひとつとして、ぜひ内容をご覧ください。
■ペットの安楽死とは
ペットの安楽死とは、わんちゃんやねこちゃんなどの動物を「苦痛なく死に至らしめる行為」のことです。安楽死には次の2つがあります。
■積極的安楽死
■消極的安楽死
一般的な「ペットの安楽死」といえるのが、動物病院で薬剤を投与して行う「積極的安楽死」です。
「消極的安楽死」では、治療による延命をせずに自宅で看取ります。
■ペットの安楽死を検討するケース
安楽死を検討する必要が生じるのは、おもに次のようなケースです。
・病気やケガで、ペットが回復する見込みが極めて薄いとき
・病気やケガで、延命治療をしてもペットに苦痛を与えると思われるとき
・金銭的または環境的な理由で、病気やケガの治療が難しいとき
安楽死は、飼い主と獣医師が合意のうえで行います。ただし、安楽死は賛否両論で、正解はありません。
獣医師も、人によって安楽死に対する考え方が違います。安楽死を行っていない病院もあるでしょう。飼い主が希望しても、回復の見込みがあるなら断られるかもしれません。
■ペットの安楽死を選択するタイミング
どのタイミングで安楽死させるかについての考えも、人によって違います。一般的に考えられるのは、次のようなタイミングです。
・強い痛みがある
・食事ができない
・嘔吐や流涎が続いている
・呼吸がしづらい状態である
・自力で排泄できない
安楽死は、苦痛からの解放が目的です。強い痛みが出たり食事ができなくなったりする前の安楽死を希望する人もいるでしょう。
■体験談:安楽死をしないと選択した理由
筆者も、愛犬を安楽死させるべきか悩んだ経験があります。
2019年、我が家のビーグル・漣(れん)が「悪性黒色腫(メラノーマ)」と診断されました。
切除手術を受け、抗がん剤治療を開始したのが3月です。体調が落ち着いたようにも見えましたが、同年10月には心臓周辺・気管支・肺などに腫瘍が転移していました。
安楽死を検討したのは、肺に余白がないほど腫瘍が転移していて、いつもゼエゼエと呼吸が苦しそうだったためです。1分1秒でも長く一緒にいたいものの、「愛犬が苦しむのなら安楽死させるべきなのだろうか」と考えるようになりました。
そこで、かかりつけの獣医師に、安楽死を検討するべきなのか、相談したのです。
「安楽死を検討してもいい段階ではある。ただ、治療を続けてみてもよいのではないか」
「呼吸は苦しいだろうが、痛みはないはず」
子犬時代から可愛がってくれた獣医師の言葉に、「安楽死はしない」と決めました。
漣が息を引き取ったのは、それからわずか10日後の早朝です。
最後まで一緒に過ごせたため、結果的には安楽死を選択しなくてよかったと思っています。もし強い痛みがあったと聞いたなら、安楽死を選んでいたかもしれません。
■ペットの安楽死は慎重な検討が必要
ペットが苦しんでいて回復の見込みがないなら、安楽死も選択肢のひとつです。どうするかは、飼い主が決めなくてはなりません。
「なるべく苦しませないよう、安楽死させる」
「安楽死させず、回復するよう治療を続けてみる」
悩んで決めたとしても、後悔するかもしれません。しかし、飼い主が決めた答えであれば、どちらも正解だといえるでしょう。
少しでも後悔を減らせるよう、安楽死を検討しなくてはならないときは、ご家族でよく話し合ってくださいね。
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