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なんだか臭う…!気になる愛猫の体臭を消し去る対策ポイント3つ

古川諭香

愛玩動物飼養管理士・キャットケアスぺシャリスト
古川諭香

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なんだか臭う…!気になる愛猫の体臭を消し去る対策ポイント3つ

暑さも和らぎつつあるこの時期こそ、愛猫の体臭が気になることも……。ねこちゃんはとてもきれい好きな動物であるため本来無臭ですが、気温が高い夏の時期はやはり冬場よりも臭いやすくなります。

そこで、今回は愛猫の体臭対策をどう行っていけばよいのかをご説明していきます。

 

■愛猫の臭い対策3選

出典:https://pixta.jp/

愛猫の体臭を消すには、まず臭いの原因を突き止めることが大切です。臭いを発生させている原因によって体臭への対処法は異なってきます。

(1)シャンプーやお風呂で被毛を清潔に

全体的に被毛が臭うときはシャンプーを行ったり、お風呂に入れたりして清潔な状態を保っていきましょう。その際は必ず“猫用のシャンプー”を使用してください。

また、ねこちゃんは元々、水を苦手に思う子が多く、お風呂場に入ることを嫌がる子もいるでしょう。そのため、初めのうちはねこちゃんがすっぽり入れるくらいの桶にお湯を張り、慣れさせていきましょう。お湯の温度はねこちゃんの体温と同じ38度前後になるよう、調節してあげてください。

(2)歯周病も疑おう

ねこちゃんは自分の体を舐めて綺麗にする動物だからこそ、口臭が体臭の原因であるケースも少なくありません。ねこちゃんも歯周病になるため、愛猫の口が臭いと感じた時は歯周病を引き起こしていないか、口腔内をチェックしてみましょう。

定期的に検診を受けたり、日頃から愛猫に歯磨きを行ったりして、口腔内をチェックする習慣もつけていくといいですね!

(3)お尻の臭いは肛門絞りで解決できる

体臭のひとつとして、ねこちゃんのお尻からイヤな臭いが出ていることがあります。

愛猫のお尻が臭うときは、肛門嚢(こうもんのう)の中にある肛門腺から臭いのもととなる分泌物が出ている可能性があります。肛門嚢とは、肛門の4時と8時の方向にひとつずつ付いているもののことです。そして、肛門嚢の中にある肛門腺が悪臭の原因かもしれません。例えば、スカンクは敵に向かって強い悪臭を出すことがありますが、それもこの肛門嚢が関係しているそう。

肛門嚢が詰まりやすいねこちゃんには定期的に、“肛門絞り”を行うことがおすすめです。初めは必ず獣医師に行ってもらい、コツや正しいやり方を教えてもらい、その上で飼い主さんから対応するようにしましょう。

 

■対策法を行う頻度や注意点は?

ねこちゃんの体臭を消し去るにはさまざまな方法がありますが、どの方法も行う頻度や注意点を守らないと効果が期待できにくくなるので注意しましょう。

(1)シャンプーやお風呂の頻度と注意点

シャンプーやお風呂の頻度は、ねこちゃんの毛種や品種によっても異なってきます。例えば、長毛種の場合は抜け毛対策も兼ねられるため、2週間に1回程度の頻度で行ってもよいですが、短毛種の場合はブラッシングで十分抜け毛がケアできるため、多くても月1回の頻度にしておきましょう。ただし、スフィンクスのような無毛猫やコーニッシュレックス、ラパーマといった巻き毛猫は皮脂の分泌が活発なこともあるので、週に1回程度のシャンプーやお風呂を検討していきましょう。

なお、皮脂は体臭の原因にもなりますが、シャンプーやお風呂の頻度を増やしすぎると、皮脂を落とすぎてしまい、逆に皮膚病を招いてしまう可能性があるので注意が必要です。

また、ねこちゃんがどうしてもお湯を怖がってしまう場合は無理に行わず、ドライシャンプーや体拭きシートなどで被毛を拭き、臭いをケアしてあげましょう。その際も必ずペット用のウェットシートを選ぶのがポイントです。人間用のウェットシートはノンアルコールと記載されていても、微量のアルコール成分が含まれていることがあるので使用しないようにしていきましょう。

ちなみ、ねこちゃんたちは臭いを嗅いで相手を認識しているため、多頭飼いの場合はシャンプーの香りが被毛についたことが原因で猫同士の仲が悪くなったり、逆によくなったりするケースがあります。ですから、シャンプー後は猫同士がどんな態度を取るのかもチェックしてみましょう。

(2)歯周病対策にもなる歯磨きの頻度と注意点

家庭での歯磨きは歯周病対策に効果的ですが、子猫の頃から習慣化させていないと、毎日磨かせてくれません。そんな猫ちゃんに対しては毎日無理やり行おうとせず、2~3日置きに磨くだけでも大丈夫です。

歯垢は約1週間程度で歯石化すると言われているので、歯石化する前に歯垢を取り除けばよいということでもあるので、毎日歯磨きができない場合はストレスを溜めさせないためにも、頻度を少し減らしてみましょう。

歯ブラシを使って歯磨きを行うことが難しい場合は、ガーゼを濡らして歯を拭いていってください。奥歯にある臼歯は磨くのが難しいため、まずは人間でいう前歯の位置にある切歯から磨くようにし、次に尖っている犬歯、臼歯の順に磨くのがオススメです。

(3)肛門絞りの頻度と注意点

肛門腺に分泌物が溜まるスピードは、ねこちゃんによって個体差があります。月に1回の頻度で肛門絞りを行えばよい子もいれば、数週間に1回行わないといけない子もいるので、頻度はかかりつけの獣医師と相談しながら決めていきましょう。

 

■臭う前にできる予防策とは?

出典:https://pixta.jp/

ねこちゃんは人間のように体の表面に汗をかきませんが、肉球は汗ばみます。そして、皮脂腺や汗を分泌するアポクリン汗腺がある尻尾の付け根や肛門周り、耳の周りなども臭いやすくなると言われているため、定期的に体拭きシートなどで拭いてあげましょう。グルーミング(毛づくろい)の回数が減る老猫期は、特に臭いやすくなるので飼い主さんが被毛を清潔に保ってあげなければなりません。

また、トイレが不衛生だと尿や便がねこちゃんの被毛にくっつき、臭いのもとになります。汚いトイレは粗相を引き起こす原因にもなるので、月に1回は猫砂を入れ替えたり、毎日の排泄物を素早く処理したりして清潔なトイレ環境を保っていきましょう。

 

体臭は病気に気づくためのきっかけにもなり、ねこちゃんの健康を守ることにも繋がっていきます。生活の中で異変を感じたときはすぐ獣医師に相談しましょう。これからの季節も飼い主さんの気遣いで、臭いゼロな被毛を保っていきましょうね。

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※ takashi, aksenovko, Fuchsia / pixta

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