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【獣医師執筆】犬の視界も白黒じゃない!? 知っておきたい犬の視界と目の病気

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】犬の視界も白黒じゃない!? 知っておきたい犬の視界と目の病気

20206月15日情報更新

犬の目がどのように見えているか知っていますか?

犬を含めて、動物の視界は、同じものを見ていても動物それぞれで見え方が異なっています。では犬はどのようにものが見えているのでしょうか? また、視界に影響を与える目の病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は獣医師の筆者が、犬の視界とそれに関わる目の病気についてお伝えします。

 

■犬の視界って人間とどう違うの?

・赤色はわからない

人間は色覚については“赤・青・黄”の3色を見分けることができますが、犬はその中の“赤”を認識することができません。ですので、全く白黒の世界ではありませんが、人間とは同じ色を見ても、実際に認識している色は大きく異なっています。

ちなみに、盲導犬は赤信号で止まることができますが、これは赤色を認識しているのではなく、周りの状況などから判断していると考えられています。

・犬の視界はハンティングの名残りも

犬は雑食動物ですが、その中でも人間より肉食に近い動物です。ですので、動体視力は人間よりも優れていると考えられます。視力自体は人間よりも悪いと言われていますが、動いているものに対する反応は良いようです。また、暗いところでの視覚も人間よりも優れていると言われています。

また視野については、人間よりも広いと言われています。一般的に肉食動物よりも草食動物の方が視野は広いと言われていますので、雑食の犬は肉食動物に近い動体視力と草食動物に近い視野の広さを併せ持っています。

・実は見え方は犬種によって違う?

犬の種類によって、近視の犬種や遠視の犬種があると言われています。しかし、研究報告によっては同じ犬種でも近視とするものや遠視とするものもあり、筆者が調べた範囲では、はっきりしたことはわかりませんでした。

犬種は人間の手によって作り出されたものですので、様々な遺伝的な要素を持っています。同じ犬種でも近視の犬と遠視の犬が混在していても不思議ではないと思います。

・視覚以外の感覚も関係している

犬の視界も白黒じゃない!? 知っておきたい犬の視界と目の病気
出典:PIXTA

人間の感覚では、視覚に不自由があると生活がかなり困難になってしまいます。しかし、犬は視覚だけでなく、聴覚や嗅覚など人間よりもはるかに優れている感覚器も使うことで、しっかりと空間を認識しているようです。

そのため、目が見えない犬でも、多少ものにぶつかったりはするものの、結構上手に歩き回ることができます。

 

■犬の視界に影響を与える病気について

犬の視界も白黒じゃない!? 知っておきたい犬の視界と目の病気
出典:PIXTA

犬にも様々な目の病気が存在し、病気の状態によっては視力を失うなど、視界に大きな影響を与えます。目の病気自体が寿命に影響を与えることは稀ですが、生活に大きな影響を与えますので、少しでも犬が快適な生活を維持できるように、目の病気についても定期的にチェックしてあげてください。

・白内障

白内障は、“水晶体”と呼ばれる眼の中にある透明なレンズが白く濁ってしまう病気です。レンズが濁ると見えにくくなりますし、さらに進行すると完全に視力は失われてしまいます。白内障はほとんどが高齢の犬で発症しますが、中には若い年齢でも発症することがあります。

白内障の治療は根本的には手術が必要です。ただし、白内障が進行しすぎると手術もできなくなるので、なるべく早い段階での発見が重要です。しかし、白内障の初期症状は、肉眼で見てもとてもわかりづらいので、定期的に動物病院でチェックしてもらうようにしましょう。

・緑内障

緑内障は眼に強い圧力がかかり、様々な異常を引き起こす病気です。緑内障は進行すると視力が失われるだけでなく、痛みやぶどう膜炎といった炎症も併発するので注意が必要です。緑内障の治療は、基本的には複数の目薬を使って管理しますが、眼科専門の動物病院では手術で治療するケースもあります。

緑内障も見た目では非常に気付きづらい病気です。眼を気にしている、眼が赤い、黒目(瞳孔)がいつも大きいなどの症状が見られたら、一度動物病院で検査を受けるようにしてください。

・角膜の病気

角膜は眼球の一番外側を覆う膜のことで、ケンカで傷ついたり、あるいはドライアイで乾燥したりしてしまうと角膜炎を起こします。角膜炎は重度になると角膜に穴が空いてしまい、失明の原因になることもありますので、眼をショボショボさせている、赤くなっている、眼を気にしているといった症状が見られた場合は、なるべく早く動物病院にかかるようにしましょう。

・網膜の病気

網膜は眼球の奥に内張されている組織で、角膜や水晶体を通して入ってきた光(映像)を受け止める役割があります。そのため網膜剥離や網膜変性症などの病気で、網膜の機能が失われると失明してしまいます。見た目には眼はなんともないのに、物にぶつかったり、暗がりで動きたがらなかったりなど、視力の低下を疑う症状が見られた場合は注意が必要です。

・その他

他にも視神経やぶどう膜など、眼の各組織に対する病気が存在します。ただし、なかなか見た目だけではどの病気かを判断することは難しいため、上記のような症状が見られたら、ひとまずきちんと動物病院で目の精密検査を受けるようにすることをおすすめします。

 

わんちゃんの視界は色覚や視野など人間とは大きく異なっています。また、視覚以外にも様々な感覚を駆使して空間を認識しています。しかし、目の病気については、人間と同じように様々な種類があります。目の病気が寿命に関わることはあまりありませんが、より快適な生活を維持するためにも、目のチェックもしっかりと行ってあげてくださいね。

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※ cytosine, Jobrestful,  Halfpoint / PIXTA

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