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サポートならお任せあれ!手足が不自由な人たちの手助けをする「介助犬」とは

マルヤマミエコ

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マルヤマミエコ

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サポートならお任せあれ!手足が不自由な人たちの手助けをする「介助犬」とは

現在、日本国内で介助犬を必要としている人は、約15,000人と言われています。しかし、認定されている介助犬は68頭(※1)と少なく、盲導犬などと比べて歴史が浅いこともあり、普及が遅れています。そのため、障害者自身が、介助犬を利用する対象者であることを知らないのが現状です。

そこで今回は、介助犬とはどのような犬なのか、また介助犬普及のために私たちができることについて、『社会福祉法人日本介助犬協会』にお聞きしました。

 

■介助犬の存在を知ってもらうことが大事

介助犬は、手足が不自由な障害者の生活をサポートする犬です。介助犬の育成から訓練までを行なう団体は全国に26団体あり、その一つが『社会福祉法人日本介助犬協会』(以下、日本介助犬協会とする)です。

日本介助犬協会では、1996年に第一号介助犬のシンシアが活動をスタート。シンシアと使用者の木村佳友氏が公共施設やレストランなどで同伴を拒否されても「介助犬はペットではなく、障害者を補助する犬」であることを世間に伝え続けた結果、その地道な活動が実を結び、2002年に身体障害者補助犬法(※2)が成立されました。2003年にはこの法律に基づいて、シンシアが介助犬認定を受けています。

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

介助犬は使用者の介助作業を行うのが主な役割ですが、使用者の精神的な支えや気持ちの張りにも、良い影響を与えています。介助犬と暮らすまでは家の中に閉じこもりがちだった人が、公共の交通機関を使用して外出したり、生活に自信が出て積極的に社会参加したりするようになっています。

 

■介助犬はさまざまな動作を身につけている

日本介助犬協会では犬の性質や体の大きさを考慮して、ラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーの2犬種を、介助犬として育成・訓練しています。介助犬候補の多くは、性格面・健康面共に介助犬に向いている繁殖犬から生まれた犬たちです。

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

介助犬は訓練によって、さまざまな動作を身につけています。主要8動作(落ちた物を拾う、指示した物を持ってくる、緊急連絡手段の確保、ドアの開閉、衣服の脱衣補助、車いすの牽引、起立・歩行介助、荷物の運搬)の他にも、訓練によって使用者が必要な動作をすることができます。

 

■子犬期はパピーホームで過ごす

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

介助犬候補の犬は生後2ヶ月までを親兄弟姉妹たちと共に過ごし、犬同士のルールやコミュニケーションを身につけます。そして、生後2ヶ月から1歳までを、パピーホームボランティアの家で過ごすことになるのです。

パピーホームでは、介助犬候補の犬にさまざまな経験を通して社会化を行い、“人が大好きになるように”愛情を持って育てます。また期間中は、訓練センターで行われるパピーのハンドリングやしつけについて学ぶレッスンに、参加することができます。

その他に犬との生活の中で困ったことがあれば、協会スタッフが相談に乗り、犬の成長をバックアップします。

 

■1歳から訓練所に入所

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

1歳になると、訓練犬として総合訓練センターに入所。半年から1年をかけて、それぞれの介助犬候補の犬の持っている性格や、能力を活かした訓練を行います。

介助犬候補の犬が「作業することが楽しい!」と思うように、指示通りに上手に出来たら犬を褒めてあげて、少しずつ自信をつけさせていく方法で訓練しているのが特徴です。訓練はセンター内だけでなく、商業施設や公共の交通機関でも行われます。

訓練期間中は3ヶ月ごとに複数のトレーナーが適性チェックを行い、進行状況を確認。こうして、それぞれの介助犬候補の犬の使用者候補を選定します。訓練犬が介助犬の適性に合わない場合はキャリアチェンジをして、ペットとして生活することになります。しかし、去る犬ばかりではなく、盲導犬からキャリアチェンジして介助犬になるケースもあります。

 

■介助犬候補の犬と使用者との合同訓練

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

選定された介助犬候補の犬と使用者は、介助犬総合訓練センターで約2週間、その後自宅に場所を移して合計40日以上の合同訓練を行います。介助犬使用者は介助犬の世話(使用者だけでは無理なときは、周囲の人の手を借りる)も行うことになるので、訓練の他に、犬の健康や行動学、飼育方法など、犬について知るための座学もあります。

合同訓練では、介助犬訓練士が同行して指導を行います。自宅では犬の排泄場所や方法を決め、ドアの開閉はどうするか、職場への移動などを確認し、介助犬候補の犬と使用者の生活がどうすれば暮らしやすくなるか、負担が軽くなるかを考えて、訓練を進めていきます。その際、状況に応じて100均で購入した物を使って、グッズを手作りすることもあります。

合同訓練では徐々に介助犬候補の犬と使用者との時間を増やしていくことで、訓練終了時には、使用者だけで介助犬候補の犬への指示が的確にできるようになります。

すべての訓練終了後、指定法人の認定審査を受けて合格すると、介助犬と使用者のペアとして認定されます。

「社会福祉法人日本介助犬協会」では、介助犬の活動期間を10歳までとしています。それ以降は、これまで生活を共にしていた介助犬使用者、もしくは、新たな飼い主さんの元で、ペットとして暮らすことになります。

 

■街で介助犬と出会ったら

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

介助犬が“介助犬と協会の名称、介助犬認定証が入っているケープを身につけているとき”は作業中です。作業の妨げになるので、介助犬には“触らない・食べ物を与えない・話し掛けない”、この3つを必ず守ってください。

介助犬使用者が困っているところに遭遇したら、犬ではなく使用者に声をかけます。その場合、「大丈夫ですか?」だと頼みにくい人もいるので、「何かお手伝いしましょうか?」と、声を掛けるようにしましょう。

 

■介助犬育成支援のために私たちができること

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出典:社会福祉法人日本介助犬協会

介助犬は生まれてから認定されるまで、1頭につき約250万円の費用がかかります。日本介助犬協会では、そのほとんどを寄附(※2)や募金でまかなっています。

会員になって会費を納める、遺贈、お店や施設に設置してある介助犬募金箱への募金、支援自動販売機での飲料購入、協会公認のLINEスタンプ購入(※4)、SNSで介助犬情報を拡散するなど、介助犬育成の支援にはさまざまな方法があります。

日本介助犬協会のホームページをチェックして、自分にできる支援法を見つけましょう!

 

日本における介助犬の認知度は、まだまだ低いのが現状です。日本介助犬協会では介助犬を理解してもらうために、毎月1回『介助犬総合訓練センターシンシアの丘』で見学会を実施。また、さまざまなイベントに参加して、介助犬のデモンストレーションを行っています。

協会のホームページでスケジュールをチェックして、ぜひ会場に足を運んでくださいね。

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【取材協力】
社会福祉法人日本介助犬協会

【参考】

※1 平成30年8月27日現在の登録頭数

※2 身体障害者補助犬法について知るために、環境省のHPでは『ほじょ犬もっと知ってBOOK』『医療機関向け ほじょ犬もっと知ってBOOKが、PDF配布されています。

※3 社会福祉法人日本介助犬協会は、特定公益増進法人に該当するので、寄付は減免措置の対象となります。

※4 LINE STOREで「介助犬」と検索。購入金額の一部が、日本介助犬協会に寄付されます。

【画像】

※ 社会福祉法人日本介助犬協会

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