ドッグランとは、アメリカ発祥のノーリードでわんちゃんが遊ぶことができる広場のことです。日本にも10年以上前に公園などに広まり、今では、商業施設、ペットショップ、ドッグカフェ、インターチェンジなど様々な場所にあるので、利用しているわんちゃんも多いと思います。
トラブルなく楽しく利用するために、飼い主さんに知っておいてほしいことをご紹介します。よく読んでから、ドッグランにおでかけしましょう!
目次
■ドッグランルールは事前チェックが大事
ドッグランはわんちゃんがノーリードで遊べる場所ですが、自分勝手に行動してよいものではなく、みんなが気持ちよく利用できるためのルールがあります。主なルールには、どのようなものがあるのでしょうか?
ドッグランの主なルール
・狂犬病予防注射、混合ワクチンが済んでいること(証明書の提示あり)
・ヒート中、ヒート終了後3〜4週間は利用を控える
・ドッグラン内でのトラブルについては当事者同士で解決し、責任は当事者間で負うこと
・愛犬の行動をコントロールできる人が同伴すること
・飼育が闘犬目的、寄生虫や伝染性の病気がある場合、攻撃的な場合はドッグラン内には入れないこと
・飲食や喫煙は不可
・子どもの入場を制限(親の同伴があれば可)
・おもちゃの使用は、混雑時は避ける。トラブル回避のためにも、おもちゃは周囲に許可を得てから使用すること
・愛犬の排泄は飼い主が処理する(ウンチは拾い、オシッコには水を掛ける)こと
・愛犬から目を離さないこと
・ドッグランの出入りに注意すること
ドッグランの中には、年会費や会員証がないと利用ができないところなどもあります。ルールについては、みなさんが利用するドッグランのホームページなどで確認してから、おでかけするようにしましょう。
■暗黙のルールを知っておこう!
ドッグランには上記のルールだけでなく、幾つかの“暗黙のルール”が存在しています。トラブル回避のためにも、覚えておきましょう。
・おもちゃは混雑時の使用は避けること
犬同士でのおもちゃの奪い合い、誤飲、破壊などの危険性があるため、例え混雑していない時間であっても、十分な注意が必要です。おもちゃで遊ばせるときは、周囲に気を配り一声かけましょう。
・おやつの使用はなるべく控える
おやつの奪い合いからケンカが起こる可能性があるので、おやつを与える際には十分に気を配りましょう。また、ドッグランを訪れているわんちゃんのなかには、食べ物のアレルギーを持っている子がいるかもしれません。おやつを与えてもいいか、飼い主さんの許可を取ることを忘れないでください。
・その他にも…
・愛犬以外のわんちゃんに触るときは、飼い主さんに一声掛けてOKが出てからにする
・子どもの入場が可能であっても目が届かないことが多いので、大人ひとりの場合は同行させない
・体格によるエリア分けを守る(小型犬を大型犬エリアで遊ばせない)
・相性によるトラブル(マウント、執拗な追い回し、威嚇の行動)の際は飼い主さんが介入する
■リードをつけたまま一周して情報交換
ドッグランの出入り口はほとんどの場合、二重扉になっています。これは、飛び出し防止のためにそうなっているのですが、扉と扉の間のエリアを、リードの着脱スペースとして利用している飼い主さんを見かけることがあります。
扉と扉の間での作業は、他のわんちゃんとの接触によるトラブルや外への飛び出しの危険性があるため、おすすめできません。リードの着脱は、必ずドッグラン内で行うようにしてください。
扉からドッグランに入ると、既に遊んでいるわんちゃんたちが近寄って来ることが予想されます。いきなりたくさんのわんちゃんたちに囲まれるとナーバスになることも考えられるので、すぐにリードは放さず、まずはドッグラン内を一周しましょう。そうして歩くことで、愛犬の気持ちを落ち着かせることができます。
その際、ドッグランにどんなわんちゃんが来ているかを見ながら、全体の雰囲気を観察します。また、飼い主さんたちに愛犬の名前や年齢、性格など情報を伝えつつ、言葉を交わしましょう。
初対面や不特定多数のわんちゃんと交流することになるので、飼い主さん同士のコミュニケーションは忘れないようにしてください。
■ドッグランに相性が合わない犬がいたり雰囲気が苦手な場合もある
すべてのわんちゃんが、ドッグランを楽しい場所だと思っているわけではありません。どうすれば上手に活用できるのか考えてみました。
初対面同士は苦手だけど、顔見知りであれば上手く遊べるという子もいます。初対面のわんちゃんがいる場合は、柵越しに合わせてみたり、リードをつけて挨拶させてみたりして、慎重に合わせていきましょう。相性が心配な場合は、ドッグランの利用を見合わせるという判断も必要です。
また、苦手としているわんちゃんを気にすることなく遊ばせたいときは、気が合う同士でドッグランを貸し切りにするのもいいと思います。
「わんちゃんと関わるのが苦手」、もしくは、「わんちゃん同士で楽しく遊べない」という子にとって、ドッグランは苦手な場所ということも……。飼い主さんと一緒のお散歩を好む場合、ドッグランで遊ぶことがストレスになることもあるので、くれぐれも無理強いはしないでくださいね。
飼い主さんは、ドッグランで遊んでいる愛犬の様子を、注意深く観察することが大事です。もし「居心地が悪そうだな」と感じたら、ストレス回避のためにも、すぐにドッグランから出るようにしましょう。
■愛犬から目を離さずトラブル回避
スマホの操作や飼い主さん同士のおしゃべりに花を咲かせていると、愛犬がどこで排泄をしたかが分からなくなってしまいます。
また「ドッグランで遊んでいるから大丈夫」という気持ちからか、愛犬から目を離してドッグランの外に出てしまう(タバコを吸いに行く、トイレに行く)飼い主さんもいます。
ドッグランは、めまぐるしく状況が変わる場所です。夢中で遊んでいて、トラブルに巻き込まれることも珍しくありません。くれぐれも、飼い主さんは愛犬から目を離さず、愛犬の様子を見守ってくださいね。
飼い主さん同士のコミュニケーションが取れていると、トラブルになりにくい傾向にあります。自分勝手な行動をすることなく、お互いに配慮して利用するように心掛けましょう。
<取材協力>
遠藤ゆかり(えんどうゆかり)
戸田市を中心に犬のしつけレッスンをしている、『PLUS WAN』のドッグトレーナー。わんちゃんと飼い主さんの楽しい生活に欠かせない“絆”を育むお手伝いをしている。HP:https://plus-wan.jimdo.com
【関連記事】
※ 実は知らないことだらけ!初めての「わんちゃんしつけ教室」~前編~
※ 自然災害がきたらできる事とは?愛犬を守るために「地震の前後」にすべき対策
※ セルフチェックで見つかることも!犬の死因の多くを占める病気とは?
【画像】
※ FotoES, StudioWanted, Paya Mona, Grisha Bruev, ARENA Creative, Grisha Bruev / Shutterstock
戻る
みんなのコメント