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【獣医師執筆】下痢をしたら注意?病気の可能性がある「猫のうんち」3パターン

北森隆士

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【獣医師執筆】下痢をしたら注意?病気の可能性がある「猫のうんち」3パターン

20201011日情報更新

今日、あなたの愛猫がどんなうんちをしたか把握していますか? 猫は言葉が話せないため、食欲や体重などの健康管理は、日々飼い主さんが意識して行う必要があります。

なかでもうんちから思わぬ病気が見つかる可能性があるので、毎日チェックすることが大切です。

今回は獣医の筆者が、うんちの状態からわかる猫の健康についてご説明します。

 

■つまようじで分割できるくらいの硬さなら正常なうんち

成猫の正常なうんちは、持ち上げても形が壊れないくらいのものです。硬さでいうと、つまようじなどで、下の写真のように簡単に分割できるくらいであれば正常なものといえるでしょう。

下痢をしたら注意?病気の可能性がある「猫のうんち」3パターン
出典:北森ペット病院

しかし、子猫は正常と思われるうんちでも、寄生虫がいる場合もあります。子猫のときに駆除しないと、一生、猫の体に残る寄生虫もいるので、子猫のうちに必ず病院で、一度は検便をしましょう。なお、離乳前の子猫のうんちは、ねり歯磨き状が正常です。

 

■柔らかめのうんちはフードが原因のことも

柔らかめのうんちをする成猫は、フードがあわない場合や、初めて食べるおやつが原因のケースがよく見られます。出始めが普通のうんち、後のほうが柔らかめのうんちになる場合は正常で一過性のことが多く、柔らかめのうんちが続く場合はフードの見直しで改善できることもあります。

子猫は、フードを変更したり、習慣的におやつを与えないようにしたりすると、よくなるケースが多いです。

また、子猫の場合、特に寄生虫や原虫などの病原体が原因で起こるケースがほとんどで、放置すると下痢になってしまいます。飼い主さんへ病原体が感染することもあるので、直ちに受診することをおすすめします。

 

■特に病気の可能性があるうんち3つ

下記のうんちは、猫が病気にかかっている可能性がありますので注意してあげてください。

(1)下痢

成猫で下痢をしているものの、食欲がある場合、食べ物が原因のケースがほとんどです。この場合、数日で治ります。外に出て、カエル等を食べる猫の場合、カエル由来の寄生虫が原因で、激しい下痢になってしまうこともあります。

また、最近では、慢性腸症や炎症性腸疾患という病気が報告されており、原因不明の下痢が3週間以上続くときは、これらの病気の可能性もあります。疑わしい場合は動物病院へ相談に行きましょう。

そして下痢は、様々な病気(がん、心臓病、腎臓病など)に付随して発生します。中高齢期で、体重減少や、元気・食欲低下をともなう下痢の場合は、検診に行くようにすることをおすすめします。

ワクチン未接種の子猫が激しい下痢で、食欲もなく、おう吐をともなう場合は、猫汎白血球減少症(猫パルボ)というウイルス性の感染症の可能性があります。非常に感染率、致死率が高い病気です。下痢の猫を自宅で保護したら、先住猫に感染したという事例が、後をたちません。ワクチンで予防可能な病気なので、まだワクチンを打っていない場合は、お近くの動物病院へ相談してください。

(2)血便

成猫の血便は、ガンが疑われることもありますが、多くは、一過性の下痢や硬い便に付随して発生します。ただ、便全体が黒い場合は、腸内の激しい出血の可能性もあります。直ちに動物病院へ行きましょう。

なお下痢で紹介した致死性の高いウイルス性の感染症によって血便が見られることがあります。同様に動物病院へ行くことをおすすめします。

(3)硬い便

成猫では、硬い便が原因の便秘症で、巨大結腸症という命に関わる怖い病気があります。

正常の猫の便のレントゲン写真では、青い矢印で指した箇所のように、小さなコロコロしたうんちがあるのがわかります。

下痢をしたら注意?病気の可能性がある「猫のうんち」3パターン
出典:北森ペット病院

一方、巨大結腸症の猫の便のレントゲン写真では、赤い矢印で指し2箇所のように、大きなうんちの塊があるのがわかります。

下痢をしたら注意?病気の可能性がある「猫のうんち」3パターン
出典:北森ペット病院

便の硬さ、排便時に長時間いきんでいないか確認してあげましょう。いきみすぎて、嘔吐することもあります。食事療法や投薬で多くは改善しますが、手術が必要な場合もあります。飼い主さんによる早期の発見、対処が重要となります。疑わしいときはすぐ動物病院へ連れて行ってあげましょう。

 

毎日のうんちを観察することで、猫の健康を守ってあげることができます。今回説明した症状や傾向がないか、日々の猫の健康チェックの一環として、ぜひ実施してくださいね。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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