愛犬の目が開きづらそうにしている、さらにはしょぼしょぼとしているといった状況で救急来院される飼い主さんは少なくありません。
そもそも、目がしょぼしょぼして開きづらくなるという症状は「羞明(しゅうめい)」と言いますが、これは、目に痛みや違和感、ときには充血があるときに起こります。では、何が原因で羞明を引き起こしているのでしょうか。症状として考えられる原因と、筆者がおすすめしている対処法をご紹介いたします。
■原因1:目にゴミや毛が入った
犬は人と比べ体が小さく、地面に近いところで生活しているため、比較的ほこりなどのゴミや自身の被毛が目に入ることが多いです。目の中に異物が入っている場合、犬猫用の点眼薬をさし取り除いてあげてください。ぬるま湯で目を洗い流してあげるのも効果的です。
■原因2:角膜に何かしらの炎症が起きた
目の表面の角膜に白っぽい炎症が見られる場合は、「角膜炎」の可能性があります。重症化した場合は、麻酔処置が必要になることもありますので、かかりつけの獣医師さんにすぐにご相談ください。
■原因3:外部からの強い刺激があった
たとえば、犬自身で目をこすった、他の犬とのケンカで目を引っ掻かれたことが刺激となり、目をしょぼしょぼとさせる仕草を見せることがあります。原因のひとつとして、目の表面の角膜に傷ができる「角膜潰瘍」が考えられます。
症状が出ている場合には、犬自身も何かしらの異常がある場合があるので、様子を見ずに動物病院へ受診してください。
■原因4:結膜やぶどう膜などに問題が生じた
結膜とは、まぶたの裏側を覆っている半透明な膜のこと。ぶどう膜とは、目の部位である虹彩・毛様体・脈絡膜の総称です。結膜やぶどう膜に炎症が起きると、目に痛みを伴うため目をしょぼしょぼさせたり、瞬きをしきりに行います。
しかし、
■原因5:緑内障になった
「緑内障」とは、目の中の水(眼房水)が何らかの理由で溜まりすぎてしまうなどで、眼圧が高くなる病気です。緑内障になると白目の充血や痛みはかなり強く、治療が遅れたり重症化すると最悪失明する可能性も……。目が充血していたり、顔や頭を触られるのを嫌がる仕草がサインのひとつとなるでしょう。
まずは動物病院で処方された点眼薬で対処を行います。眼圧が上昇してしまう場合は、眼球を切除する必要が出てくる場合もあります。外部からの強い衝撃などにより結膜の下の血管が破綻すると、出血が起こり部分的に赤くなることもあります。
"目が開かない”という症状には、いくつもの原因が存在します。最悪失明という可能性があることを飼い主さんは心に留めていただき、少しでも不安要素があるようなら早い段階でかかりつけの獣医師さんと原因を追求しましょう。
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