わんにゃとの暮らし

【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

miyu

JCSA 認定「動物看護士」
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【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

犬が早食いをするのは本能ですので、しつけでどうにかなるものではありません。また、犬の唾液には、人間と同じような、食べ物を分解する酵素は含まれていないので、ゆっくりと咀嚼する必要はありません。

愛犬がガツガツとご飯を早食いしている光景は、元気の良さが伝わってきて微笑ましいですよね。しかし、飼い主が何も対策をしないと、健康を損ねてしまうリスクも潜んでいます。それでは、いったいどんなリスクがあるのかをお話したいと思います。

肥満

【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

これは人間と同じですが、早食いだと、満腹感を感じる前にどんどん食べ物を摂取してしまうため肥満の原因になります。そのため、1日に必要な摂取カロリーをきちんと管理してご飯をあげると良いでしょう。

特に手作りのご飯をあげる場合、塩分や脂分が多くなってしまう傾向があるので注意してください。

また肥満になってしまうと、脂肪が肝臓などの臓器に溜まり、機能を低下させてしまいます。動脈にも大きな圧力がかかり、心血管疾患が引き起こされてしまうリスクも高くなります。そして、ますます運動量が減り、消費カロリーが少なくなり、肥満が加速させてしまうことにも繋がります。そのため、摂取カロリーに気をつけるだけでなく、消費カロリー、つまり運動量にも気を配る必要があります。

窒息

【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

ドライフードを急いで駆け込むと喉が塞がれてしまうので、吐く力が弱い幼犬や老犬は、それにより窒息してしまう可能性があります。対策としては、ドライフードに水分を含ませたり、ウェットフードをあげるようにするといいでしょう。

もしフードを吐き出しても、元気な様子であれば問題ないかと思いますが、ぐったりしていたり、何度も吐いてしまう場合は、病気の可能性もあるため動物病院の診察を受けるようにしてください。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

急いでご飯を駆け込むことで、食べ物や口腔内細菌が食道ではなく気管に入り込み、肺炎を起こしてしまう可能性があります。対策としては、ご飯を急いで駆け込まないように、内側に凹凸があるような早食い防止専用の皿を使うと良いでしょう。

また、多頭飼いをしている場合だと、自分のご飯を急いで食べないと!という競争意識が働いてしまうこともあるので、食事の時間や場所を分けてもいいかもしれません。あとは、食事を少しずつ小まめに与えることも一つの策です。

胃拡張・胃捻転 

【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

多量のドライフードを空気と一緒に取り込んだり、また食べた後に水を飲み、胃の内容物が膨張することで、胃拡張・胃捻転になってしまうことがあります。重度の胃拡張になると、静脈が閉塞してしまったり、心拍数の減少や重度のショックを引き起こしてしまうこともあります。

症状としては、急激にぐったりとして、嘔吐をしたとしても内容物が出ずに、よだればかり出るようになります。呼吸困難などのショック症状が出ることもあり、早急に治療が必要となる危険な病気なのです。また胃拡張・胃捻転は若いわんちゃんにも起こり得る病気なため注意が必要です。

食べるスピードが遅くなった場合 

【動物看護士執筆】犬の早食いに要注意!気を付けるポイントをご紹介

たとえ早食いが良くないからといって、食べるスピードが遅くなった場合は、病気が原因なこともあるので注意が必要です。特に虫歯や歯周病など、口の中にトラブルがあることも考えられます。また、胃腸の調子が悪いなど、さまざまな原因が考えられるので、定期的に検診を受けることをおすすめします。

なお、冒頭にお話した通り、早食いは犬の本能なので、早食いすることに対して、決して叱ったりしないようにしてください。食欲が旺盛なことは元気な証拠ですので、健康が長く続くように、私たち飼い主側が色々と工夫をしていきたいですね。

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