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【獣医師執筆】愛犬と一緒に食べたい!夏バテを乗り切る「野菜スープ」レシピ

石井万寿美

獣医師
石井万寿美

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【獣医師執筆】愛犬と一緒に食べたい!夏バテを乗り切る「野菜スープ」レシピ

2021824日情報更新

わんちゃんは、全身を毛で覆われているので、夏は苦手の子が多いです。夏を上手く乗り切るためには、食事も大切!

そこで今回は、ハーバード大学の元准教授の高橋弘先生執筆の『ハーバード大学式 命の野菜スープ』(※1)を参考に、獣医師の筆者がわんちゃん用の夏バテ対策レシピをご紹介します。テーマは「ファイトケミカルで、夏バテを乗り切ろう」です。

■「ファイトケミカル」って何?

ダックスフンドと野菜の写真
出典: https://www.shutterstock.com

ファイトケミカルとは、植物由来の機能性成分です。植物は自分で動くことができません。そのため、紫外線による活性酸素の害から身を守るために、ファイトケミカルを作り出すとされています(※1)。このファイトケミカルには、健康を促す効果が期待できるさまざまな成分が含まれています。
今回参考にした『ハーバード大学式 命の野菜スープ』には、ファイトケミカルが多く含まれる野菜として、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、かぼちゃの4つが挙げられていますが、玉ねぎはわんちゃんにとって危険ですので、与えないでくださいね。

 

■それぞれの野菜にはどんな役割があるの?

キャベツノんじん.png

           出典: https://www.shutterstock.com

キャベツ・にんじん・かぼちゃには、どのようなファイトケミカルが含まれているのでしょうか?

・キャベツ

ファイトケミカルであるイソチオシアネートが含まれます。この成分は、研究によると一部の発がん物質を無毒化する作用も報告されているようです(※2)。もちろん、ビタミンCも豊富で胃の粘膜を保護するビタミンU(キャベジン)も含まれています。

・にんじん

ファイトケミカルであるβカロチン、αカロチンが含まれています。

・かぼちゃ

ファイトケミカルであるβカロチン、カロチノイドが豊富。ビタミンCも豊富で、抗酸化作用が期待できます。また、皮の部分に繊維質もたくさんあります。

飼い主さんに「野菜を食べさせてくださいね」とお話をすると、皮をむいてわんちゃんに食べさせていることが多いです。しかし、皮にはファイトケミカルが多く含まれているので、それを摂取しないのはもったいないです。そのまま与えてくださいね。筆者としては、できれば無農薬のものがおすすめです。

 

■わんちゃんの夏バテしない「命の野菜スープ」レシピ

野菜スープの写真
出典: https://www.shutterstock.com

それでは、“命の野菜スープ”の作り方を紹介します! どこにでも手に入る食材で、とっても簡単に作れるので、ぜひ試してみてくださいね!

・材料

キャベツ

にんじん

かぼちゃ

※すべて適量

・作り方

1. 材料をすべて一口大に切る。

2. ホーローなどの厚みのある鍋に、1と水をひたひたになるぐらい入れて弱火で30分程度炊く。

3. 野菜が煮えたらであきあがり! 冷ましてから召し上がってください。

飼い主さんが召し上がるときは、このスープに味噌や醤油を入れて、味をつけてくださいね。

 

いかがでしたでしょうか? 飼い主さんもわんちゃんも一緒に同じものが食べられるので、うれしいですよね。暑くてなんだか元気が出ない……と感じたら、ぜひわんちゃんと食べてください。同じものを食べて、きっとわんちゃんとの距離も縮まるはずです! 口あたりもいいので、食もすすみますよ。

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【参考・画像】

※1 高橋弘「ハーバード大学式 命の野菜スープ」(宝島社)

※2 Wattenberg LW. Inhibitory effects of benzyl isothiocyanate administered shortly before diethylnitrosamine or benzo[a]pyrene on pulmonary and forestomach neoplasia in A/J mice. Carcinogenesis, 1987; 8: 1971-1973.

※ Avdeyukphoto, otsphoto / Shutterstock

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