ねこちゃんは行方不明になると思いがけない場所に潜伏するため、見つけるのが困難な場合もあります。わんちゃんと比べてねこちゃんは行方不明になりやすいので、普段から気をつけておくことが大切です。
そこで今回は、ねこちゃんが行方不明になる原因や探し方のコツについて、ペット探偵の『ジャパンロストペットレスキュー』にお話を伺いました。
■猫がいなくなる理由とは
ねこちゃんは家の中のみで生活させるという“完全室内飼育”と、家と外を行き来する“自由飼育”という2種類の飼い方があります。家の中にいれば安心なはずなのに外に出ていってしまったり、外に遊びに出かけて帰ってこなくなったりする、その理由と状況について探ってみました。
(1)家の中からいなくなる
完全室内飼育の場合、開いているドアや窓から興味本位に出て行ってしまうことが多いですが、ベランダで日向ぼっこ中に逃走することも少なくありません。戸建てや階下の低い部屋に限らず、マンションでも起こります。発情期に出て行くケースが多いですが、去勢・避妊手術済みでもその時期になると出て行くことがあります。
(2)外でいなくなる
ペットホテル、知人宅、実家、帰省途中のサービスエリア、動物病院の帰りにキャリーバッグの開閉部分が故障して逃げた、ねこちゃんを見せて欲しいと友人に頼まれて外に連れ出したところ逃げてしまったというケースも……。外出時に猫が行方不明になる場合、環境の変化に戸惑って逃げてしまうことが多いです。
自由飼育の場合、倉庫などに閉じ込められていたり、体を休めるために乗っていた車が移動したりしてなわばりの外に運ばれてしまうなど、トラブルに巻き込まれて帰宅できなくなることがあります。
■地元の掲示板やチラシを活用する
ねこちゃんの行方が分からなくなったら、直ぐに捜索を始めます。自治体に連絡を入れて、どの警察署や保健所に連絡すれば良いか聞きましょう。
ねこちゃんの場合、行方不明になった場所から、そう遠くには行かない習性があります。そのため、不特定多数の人が見るSNSよりも、地元の人が集まるインターネットの掲示板や情報交換連絡網などの方が役に立つので、活用しましょう。
チラシやポスターは効果が高いのでおすすめです。「探しています!」などのタイトルをつけて、愛猫の名前、体の特徴、飼い主さんの名前、連絡先を明記し、失踪時にいちばん近い姿の写真を使用します。チラシ1,000枚、ポスター100枚を目安に製作しましょう。
・ポスターの掲示
ペットショップ、動物病院、飲食店、コンビニ、スーパー、ガソリンスタンドなどにお願いしましょう。個人経営の店は、比較的協力的です。電信柱への掲示は条例に違反するので、絶対に行わないようにしてください。
・チラシ配布
ねこちゃんの行方不明地点を中心に、チラシのポスティングと配布をします。ガソリンスタンド、郵便配達、生協、宅配便など、外回りの仕事をしている人に配ると情報が入りやすいです。
■物陰や隙間などを捜索
行方不明になったねこちゃんは、物陰や隙間など、他の猫にも見つからないような狭い場所に潜伏する傾向にあります。捜索では、「まさかこんなところにはいないだろう」という所を探しましょう。
完全室内飼育のねこちゃんは外に慣れていなくて緊張しているために、潜伏場所からはなかなか出て行きません。空腹になったら捕食に出ますが、2〜3日はじっとしています。昼間はいなくても夜になったら、潜伏場所に戻ってくる可能性があります。真夜中の2〜4時が猫探しの“ゴールデンタイム”なので、その時間に探しに行くと見つかるかもしれません。
首輪やマイクロチップが取り付けられていないねこちゃんは、放浪中に保護されて、保護猫カフェで働いていることもあります。近隣の保護猫カフェにいないか、念のために確認しましょう。
■発見したら時間をかけて保護する
愛猫を発見しても、絶対に追いかけないこと。時間をかけて徐々に距離を縮めるのが、保護するポイントです。目の前にいるねこちゃんは、家の中で甘えていた猫とは別人格だと考えましょう。
手の上に愛猫の好きなおやつやフードを乗せて、食べてくれるまで低い姿勢で忍耐強く待ちましょう。手に乗せたおやつやフードを食べてくれるようになったら、信頼関係ができてきた証拠です。焦らずゆっくりと体を触ります。保護できたら、洗濯ネットやキャリーバッグなどに入れるのが
有効です。
■飼育環境を見直そう
ねこちゃんの場合、わかりにくい場所に隠れていることが多くあります。そのため、ジャパンロストペットレスキューでは、ファイバースコープ、動体検知カメラ、ルーペ、双眼鏡、捕獲器などを使用しての捜索も珍しくありません。
愛猫がいなくなっても「探せばいい」と、気軽に考えている飼い主さんがいます。無事に発見できれば良いですが、時間をかけて捜索しても見つからないこともあります。
猫はなわばりの中で暮らす動物です。完全室内飼育なら、外には絶対に出さないこと。自由飼育の場合も、外ではどの辺りで過ごしているのかを把握しておきましょう。 猫は「隙あらば出ていく」という動物なので、油断しないように注意してくださいね。
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【取材協力】
【画像】
※ ジャパンロストペットレスキュー
※ xu lin feng, Nikita Dukhnik, lpedan / Shutterstock
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