※2021年8月31日情報更新
お散歩中やお留守番中など、目を離した隙にわんちゃんがパクっと何かを飲み込んでしまったという経験がある方は多いのではないでしょうか。
犬には狩猟本能があるため自然な行動なのですが、好奇心旺盛な性格の子は特に注意が必要です。そこで今回は、わんちゃんの誤食について、いくつかのパターンとその対処法を説明します。
■拾い食いやゴミ箱あさり
日頃から食欲旺盛な子や、色々な食べ物を与えられている子の場合、美味しそうな匂いがすれば口に入れようとします。しつけの段階でコントロールが出来ている子は良いのですが、「食べてみたら美味しかった」という成功体験を得てしまうと、ついつい繰り返してしまうなど、一度味わってしまうと癖になる可能性も高い様に見受けられます。
日頃からお散歩のコースは遠くまで見渡せて、先に何か落ちていたら回避できるように目配りが必要です。また、家のゴミ箱は蓋が付いているタイプを使う、倒されないような重いものにする、ゴミ箱をしまえる場所に収納するなど、わんちゃんの性格や体格に合わせて対処しましょう。
■遊んでいたら誤って飲み込んでしまった
公園や家の中でも、おもちゃを使って遊ぶことはよくあると思います。お気に入りのおもちゃで遊んでいる間に、気が付かないうちにおもちゃを壊してしまい、破片を飲み込んでしまうパワフルなわんちゃんは要注意です。
大型犬などでは、テニスボールなどで「取ってこい」などのアクティビティをしている時に、勢いで丸ごと飲み込んでしまうケースもあるようです。
・簡単に破壊されない強度があるか
・ボタンなど、パーツが取れやすいデザインが付いていないか
・口にすっぽり入ってしまうサイズではないか
おもちゃを選ぶ際には、上記の点に注意して選んであげましょう。
■土や砂などの異物を食べたがるようになった
以前はあまりしなかったのに、土や砂利を食べてしまうことが増えた、草をたべたがるようになった、などの症状は、病気の可能性もあるので注意が必要です。胃腸の不快感がこういった現象をもたらす可能性もありますが、例えば高齢のわんちゃんであれば、時々見られる甲状腺機能低下症の影響の可能性もあります。
甲状腺機能低下症は老犬(特に男の子)に多い病気で、元気や食欲が無くなる、太りやすくなる、毛が薄くなる、などの代謝異常を引き起こす病気です。筆者の経験では、この病気の気が付きにくい症状として、貧血や異嗜(いし)があげられます。異嗜とは、食べ物以外のものを食べようとしてしまう症状のことです。
老犬が老犬っぽくなる症状が多いため、飼い主さんも気が付きにくく、発見が遅れてしまう可能性があります。血液検査でいくつかのホルモン数値を測定することで確認できますので、あやしいと思ったらかかりつけの獣医師に相談するとよいでしょう。
万が一、わんちゃんが異物を飲み込んでしまった場合は、まず動物病院に相談しましょう。異物の大きさや成分によっては、命に関わる救急疾患に発展することも考えられます。
また、金属製の異物以外は、レントゲン検査では異物が体内にあるか確定できないこともあります。飲み込んだ物の形状によっては催吐処置や内視鏡で取り出すことも可能ですが、鋭利なものの場合は開腹手術が必要になります。
ティッシュや布類などの柔らかい異物でも、腸の中で絡まってしまい腸閉塞を起こす危険性もあります。必ずしも便と一緒に排泄されるとは限らないので、体調に異変を感じたらすぐに病院に連れていってあげてください。
いかがですか?
日頃から気をつけてあげることはもちろんですが、飲み込んでしまった場合はその内容によって対処方法も変わってきます。判断が付かない場合は、すぐにかかりつけの獣医師に相談して指示を仰いでくださいね。
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【参考】
※ 小山秀・辻本元著(2015)『犬と猫の治療ガイド2015』インターズー
【画像】
※ Cryptographer, violetblue, Yevgen Romanenko, sanjagrujic / Shutterstock
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