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【獣医師執筆】本当にこたつが好きなの?猫の生体に合わせた「正しい暖房の使い方」

船田治子

獣医師
船田治子

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【獣医師執筆】本当にこたつが好きなの?猫の生体に合わせた「正しい暖房の使い方」

童謡などで「猫はこたつで丸くなる」と歌われますが、ねこちゃんは、実際に寒がりでこたつが好きなのでしょうか?

そこで今回は、ねこちゃんと冬の暖房について説明します。

■猫は寒がり?

本当にこたつが好きなの?猫の生体に合わせた「正しい暖房の使い方」
出典:https://www.shutterstock.com/

ねこちゃんの祖先は“リビアヤマネコ”と言われています。約5千年前に古代エジプトで人に飼われるようになってから、長い年月をかけて世界各地に広がり、様々な家猫の品種が作られてきました。

多くは温帯から熱帯に分布していますので、一般的には寒さが苦手と言えます。しかし、それぞれの国の気候や環境により、寒さに強い体や暑さに強い体の特徴をもつ品種が生まれたので、一概に寒がりと決めつけることはできないでしょう。

 

■冬の暖房について

本当にこたつが好きなの?猫の生体に合わせた「正しい暖房の使い方」
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(1)飼い主さんの在宅時

各種暖房器具を使用する時は次の点を注意しましょう。

<エアコン>

空気が乾燥すると細菌やウイルスが活発になります。ねこちゃんの鼻や喉の粘膜も、乾燥すると免疫力が低下して呼吸器病を起こしやすくなります。加湿器を使ったり濡れタオルを室内に干したりするなどして、湿度を調整しましょう。

<ストーブ&ファンヒーター>

ねこちゃんが近づきすぎると火傷しますので、ガードを設けるなどしましょう。

<ホットカーペット>

低温火傷を起こさないように低めの温度に設定しましょう。ねこちゃんの体温(38℃~39℃)程度がよいです。

<こたつ>

ねこちゃんが長時間中に入っていると、脱水を起こすこともあります。温度は低めで外に自由に出られるように工夫しましょう。

(2)お留守番をさせる時

健康な成猫ならば、基本的に暖房器具は必要ありません。毛布などを敷いて暖かくて安心できる場所を作ってあげましょう。覆いのあるドーム式であれば体温が逃げにくく、一層暖かく過ごせるでしょう。 

子猫、高齢、病気など、寒さに対する抵抗力が落ちているねこちゃんには、暖房が必要です。部屋全体を暖めるよりも、ペット用ホットカーペットなどの利用をおすすめします。

人用の湯たんぽも意外と便利に使えます。熱湯を入れたら毛布やタオルで包み、触れると暖かい程度の温度になるように調整します。保温時間も長く、安全で経済的です。ペットボトルでも湯たんぽを作れますが、熱湯を入れられませんので保温時間は短くなります。

 

■猫はこたつが好き?

本当にこたつが好きなの?猫の生体に合わせた「正しい暖房の使い方」
出典:https://www.shutterstock.com/

ねこちゃんは、本能的に暗くてせまい穴ぐらのような場所が好きです。暖かいこたつの中は好きな場所と言えます。

元気なねこちゃんは自由に出入りができますので特に問題はありません。しかし体力の衰えているねこちゃんについては、長時間こたつの中からでられないでいると、低温火傷や脱水症状を起こすことがありますので、使用しないほうがよいでしょう。

 

ねこちゃんはこたつが好きですが、飼い主さんがねこちゃんの状態をよく見て十分に気をつけてあげましょう。寒い季節でも、室内ではねこちゃんと一緒に体も心も暖かく過ごしたいですね。

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