わんちゃんと一緒に暮らしたら必ず行うことがいくつかあります。畜犬登録や健康診断。他にも、混合ワクチンの接種など。中でもとても重要な項目として狂犬病の予防接種があります。今回はこの狂犬病についてお話ししたいと思います。
■狂犬病とはどんな病気?
わんちゃんや動物だけの病気ではなく、人を含めた全ての哺乳類が感染し、発病するといわれています。また、治療方法がなく、神経症状を示してほぼ100%死亡する極めて危険なウイルス性の人獣共通感染症です。
・狂犬病を発症する潜伏期間は?
狂犬病にかかった動物にかまれた部位から、唾液に含まれるウイルスが侵入。わんちゃんの潜伏期間は2週間~2ヵ月程度、人の潜伏期間は1~3ヵ月程度です。通常、人から人に感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはないといわれています。
・狂犬病の症状(わんちゃんの場合)
狂犬病のわんちゃんは、むやみに歩き回り、柱などの物体にかみついたり、地面を無意味に掘る、狼のような特徴的な遠吠えをするなどの異常行動をとります。また、流れるようにヨダレをたらすようになります。(唾液の分泌の増加)。この時期のわんちゃんは攻撃的で、ちょっとした刺激でかみつきます。また、水を飲むとのどがけいれんし苦しむため、水を極端に怖れるようになります。やがて、足腰が立たなくなり、うつろに宙をながめるようになります。
・狂犬病の症状(人の場合)
発病するかどうかは、かまれた傷口の大きさや体内に入ったウイルス量などで大きく変わります。症状は、発熱、頭痛、全身倦怠、嘔吐などの不定症状で始まり、かまれた部位の異常感覚などです。
他にも、筋肉の緊張、幻覚、けいれん、嚥下困難などが起きます。液体を飲むとのどがけいれんを起こし、非常に苦しいため水を怖れるようになります(このため狂犬病を恐水病ともいわれています)。犬の遠吠えのようなうなり声をあげ、大量のヨダレをながし、昏睡、呼吸麻痺が起きます。
■狂犬病予防について
わんちゃんも人もとても怖い症状があらわれます。どれだけ予防が大切かおわかりいただけましたか?
・生後3ヶ月を過ぎれば年1回、狂犬病の予防接種をする事が法律で定められています。(1年に1回必ず受ける必要があります)
・病院か集合注射で接種出来ます。
・ワクチン接種後アレルギー反応が出る事がありますので、なるべく午前中に接種する事をおすすめしています。
■発症させない予防が大切
わんちゃんの登録や、予防注射が徹底されるようになり日本での発生はありませんが、今でも日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で発生しています。治療方法がなく、発病したら基本的に致死率は100%という恐ろしい病気です。
飼い主が狂犬病に関して正しい知識を持ち、わんちゃんの登録と予防注射を確実に行うことが大切です。
最後に、狂犬病は、感染後発症すると治療することができません。しかしながら、狂犬病は予防注射することで発症を予防することができます。しっかりと予防注射を受けさせることでわんちゃんを狂犬病から守ることはもちろん、人や他の動物への感染を防止できるので、必ず予防注射を受けましょう。
生後91日以上のわんちゃんは予防注射を受け、その後は1年に1回(予防注射接種時期は4~6月)の予防注射で免疫を補強させましょう。狂犬病予防注射はお住まいの市区町村が行う集合注射、または動物病院で接種してください。
【関連記事】
※目が白くなるのは白内障だけじゃない…!犬の「角膜内皮ジストロフィー」とは?
戻る
みんなのコメント