わんにゃとの暮らし

安全に痩せるためにはどうしたらいい?猫の「ダイエット」気になる手順を紹介

獣医師
立石絵美

いいね 2

安全に痩せるためにはどうしたらいい?猫の「ダイエット」気になる手順を紹介

飼い猫の“肥満”に悩んでいる飼い主さん、正しいダイエットはできていますか? ねこちゃんは、わんちゃんのようにお散歩したり、長時間運動したりすることができません。

「ウチの子は少食なのに痩せない」「好き嫌いが激しくて、ダイエット用のフードを食べてくれない」など、悩みもそれぞれ違うことでしょう。

そのため、すべての太ったねこちゃんが同じ方法で痩せられるわけではありません。またねこちゃんの場合、急激で極端なダイエットは、死亡のリスクを高める病気を引き起こす可能性も考えられます。

そこで今回は、安全にダイエットするための手順を一緒に考えてみましょう。

■食事量を見直す

安全に痩せるためにはどうしたらいい?猫の「ダイエット」気になる手順を紹介
出典:https://www.shutterstock.com/

食べる量をいきなり減らすのはストレスになるので、まずは余計なものをあげていないかチェックしましょう。知らない間に家族やお客さんが、おやつや人の食べ物を与えているかもしれません。

適切な量のフードを与えるために、家族でルールを決めましょう。1日に必要な量のフードを別の容器に計って入れ、その中から1日のフードを与えるのがおすすめです。

1日量が適正なのに太ってしまう場合は、基礎代謝量と合っていない可能性があります。ほとんど動かないねこちゃんの場合は、フードの量を510%ほど減らしてみましょう。

■食事内容の見直し

安全に痩せるためにはどうしたらいい?猫の「ダイエット」気になる手順を紹介
出典:https://www.shutterstock.com/

ねこちゃんは“真性肉食動物”です。本来の食性から、穀類を好んで食べることはありません。捕食した草食動物の内臓を一緒に食べることで、消化しづらい穀類や草の中の栄養素を補っています。

雑食の動物より腸管の比率が短く、消化に時間をかけずに活動できる内臓機能をもっているため、人が必要とする栄養素とは比率が異なります。

成猫のタンパク質要求量は成犬の2倍と言われており、タウリンを多く必要とするため、動物性タンパク質が30%程度含まれる食事が推奨されています。植物性タンパク質にはタウリンが含まれていないため、添加物として入れることになります。

粗悪なフードでは「○○ミート」「○○エキス」など肉副産物しか使用していない場合があります。また、おからや豆類などの植物性タンパク質を多く使用しているフードも出回っているので、フードを選ぶ際には原材料表記をよく確認しましょう。

それでも痩せない場合は、ダイエット用の処方食がおすすめです。カロリーが低いだけでなく、Lカルニチンなどの脂肪燃焼成分が入っているので、痩せやすい身体へとサポートしてくれます。ただし、炭水化物が過剰で余計に太ってしまうの子もいるので、かかりつけの獣医さんの指示に従いましょう。

■実は太っていない?

安全に痩せるためにはどうしたらいい?猫の「ダイエット」気になる手順を紹介
出典:https://www.shutterstock.com/

日本猫しかいなかった昔と比べると、大型の猫種も増えました。ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャットなど、体重が7キロを超える種類もいます。

筋肉質で、骨格がしっかりしているタイプのねこちゃんに多いのですが、触ってみると脂肪の付き方は適正であることもよくあります。

アメリカンショートヘアーなど、洋猫の場合はお腹の下にたるんだ皮下脂肪がユラユラしているのが正常です。これを“余計な脂肪=肥満”と勘違いして無理なダイエットをした結果、病気になってしまった子もいました。

また、長毛種のねこちゃんの場合、毛の量が多くて太って見えているだけのこともあります。逆に痩せているのに気づかないケースも見られるため、身体つきそのものを把握するのは意外に難しいことなのかもしれません。

個体に合った適正な体形を保てるような食事内容が必要になるため、減量が本当に必要か、獣医さんと相談しながら進めていくことをおすすめします。

安全なダイエットのためには、エネルギー要求量や環境に個体差があるので体重の変化を記録し、2~4週間ごとにダイエットプログラムを変更、調整することが必要です。また、急激なダイエットは体調を崩す可能性もあります。週に0.52%以内の体重減少速度を目安に取り組みましょう。

設定する理想体重値は猫種や筋肉量、脂肪の付き方などで変わります。まずはかかりつけの獣医さんに相談してみてください。的確なアドバイスをもらえるはずですよ。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

【関連記事】

※ 犬派の人にこそ知ってほしい!猫が持つ「ステキな魅力」3つ

※ 愛猫に長生きしてもらうために!知っておきたい「ペットドック」について~猫編~

※ なんだか臭う…!気になる愛猫の体臭を消し去る対策ポイント3つ

【参考】

※ 新井敏郎監修(2017)『臨床のための小動物栄養学』ファームプレス.

【画像】

※ vvvita, Okssi, Africa Studio, Benoit Daoust / Shutterstock

この記事に付けられているタグ

いいね 2