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【獣医師執筆】男の子と女の子、それぞれの「性質」は?素敵な猫ライフを送るための基礎知識

白井春佳

獣医師
白井春佳

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【獣医師執筆】男の子と女の子、それぞれの「性質」は?素敵な猫ライフを送るための基礎知識

2021215日情報更新

ペットフード協会の調べによると、ねこちゃんの飼育頭数はわんちゃんを上回り、日本ではねこちゃんの飼育頭数の方が多くなりました(※。これからねこちゃんを迎えようと考えている方も多いと思います。

そこで今回は、ねこちゃんを初めて飼育するけど、男の子と女の子、どちらを迎えようか迷っている方に向けて、獣医行動診療科認定医師の筆者が解説します。

■ミスマッチは大変!

男の子と女の子、それぞれの「性質」は?素敵な猫ライフを送るための基礎知識
出典:https://www.shutterstock.com/

ペットを選択するときに重要なことが“マッチング”です。飼い主さんの生活スタイルに合わない性質のねこちゃんを迎えることで、ミスマッチになってしまったケースを筆者も多く見てきました。思い描いているペットライフとは違う、大変な苦労を人もペットも余儀なくされます。

また、ミスマッチが原因で問題行動が発生することもあります。ハッピーなペットライフを送るためにも、飼い主さんとのマッチングはとても重要と言えるでしょう。

■猫飼育の初心者におすすめする「不妊手術」

男の子と女の子、それぞれの「性質」は?素敵な猫ライフを送るための基礎知識
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男の子と女の子、という題名でスタートしましたが、家庭内で飼育する場合は不妊手術をすることをおすすめします。病気や行動学的観点から考えても、飼い主さんとねこちゃんのリスクが大きいからです。おすすめするポイント2つをご紹介します。

(1)性ホルモンによる欲求行動は止められない

性ホルモンによる行動欲求は、人がコントロールすることはできません。非常に強い欲求なので、夜中に鳴き続ける、放浪する、喧嘩するなどの問題行動に発展してしまいます。さらに、ねこちゃんは繁殖能力が高い動物なので、望まない妊娠や出産などのトラブルにもつながります。

(2)性別の差よりも「個体の性質」の方が重要

初心者さんがねこちゃんを飼育する場合は、不妊手術を行なうことが望まれます。不妊手術を行いますので、男の子だから、女の子だから……という性的な性質を考えるより“その子の性質”を理解することが重要です。

■男の子と女の子、どっちを選ぶ?

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不妊手術をしても出現しやすい問題行動もあります。特に性別の差が高いと考えられる問題行動について3つ紹介します。

(1)尿マーキング

不妊手術を行なっても、尿マーキング行動は男の子で10%、女の子であれば5%残ると言われています。男の子の方が、尿マーキング行動が残る率が少し高いです。

(2)大きさ

個体差はありますが、男の子の方が大きく、女の子の方が小さめです。ただし、これも個体差が大きいので、一概には断言できない部分でもあります。

(3)性格

男の子は甘えん坊でヤンチャな子が多く、女の子はベタベタしないクールな子が多い、という報告があります。しかし、女の子でもヤンチャなタイプや甘えん坊な子もいるので、こちらも性別で判断するのは困難と言えるでしょう。

初心者で飼育する場合は、特別な場合を除き不妊手術は必要不可欠だと思います。男の子、女の子、というよりは“その子の性質”を見極めることが重要になります。自分のライフスタイルに合った性格のねこちゃんを迎えることが、幸せなにゃんこライフの第一歩だと言えるでしょう。

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【参考】

全国犬猫飼育実態調査|一般社団法人ペットフード協会

【画像】

※ Anton Watman, Africa Studio, Jaromir Chalabala, Vika Hova / Shutterstock

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