わんちゃんの飼い主さんなら、“トイレのしつけ”でつまずいた経験はありませんか? わんにゃ365のSNSでも、トイレに関する疑問・質問が多く寄せられました。
そこで今回は、わんにゃ365のライターであり獣医師の船田治子先生に、特に多かった3つの質問についてお答えいただきます! ※ 身体的病気を除外しての回答です。
■1:前はできてたのに…
ー1か月ほど前から、家でトイレをしなくなってしまいました。家でもできるように戻ってほしいです。
トイレのしつけで共通して言えることは、上手にできた直後はたくさん褒め、失敗した時に叱らないことです。強く叱ると、わんちゃんは排泄すると怒られると思い、トイレ以外の場所で隠れて排泄することがあります。
また、飼い主さんが高い声を出して騒いでしまうと、わんちゃんは注目されたと思い、うれしくなって不適切な排泄を繰り返します。
1か月前に、そういった心当たりはありませんか? 成犬になってもトイレの失敗をするときは、子犬の時期のようにして、しつけをし直しましょう。
<対処法>
(1)排泄の時間を予測して、わんちゃんをトイレに連れて行きましょう。
(2)排泄が上手にできた直後におやつを与えたり、たくさん褒めてあげたりしましょう。失敗したときは、わんちゃんと目も合わさず、声もかけずに後始末をして下さい。
(3)サークル内で寝場所、食事の場所、トイレが近すぎると嫌がるかもしれません。サークルは体の大きさに合わせて選びましょう。
(4)ペットシーツは汚れに気付いたらすぐに交換して、いつも清潔に保ちましょう。
■2:ひとりでできるようにするには?
ーひとりで留守番をしているとトイレの外にしちゃうんです。いつもはちゃんとしてくれるのに……。
留守番が苦手なわんちゃんがいます。留守番のときだけ、トイレ以外の場所で排泄するわんちゃんは、飼い主さんの姿が見えないために、ストレス(分離不安)を感じている可能性があります。
飼い主さんは必ず戻ってくること、留守番は特別なことではないと学習させましょう。
<対処法>
(1)飼い主さんは外出前や帰宅後の15分間、わんちゃんに特別な声掛けをしないでください。さり気なく外出し、帰宅時はわんちゃんの興奮が収まってから、相手をしましょう。
(2)飼い主さんが出かけないときに、室内で外出時の動作(例:コートを着る、鍵を手にするなど)を何度もして、わんちゃんに見せましょう。
(3)留守番用の特別なおもちゃを数種類用意しましょう。おもちゃの中に、フードを詰め込めるタイプのもの(知育玩具)がおすすめですよ。
■3:シーツからはみ出しちゃう!
ーシーツを大きく広げて置いるのですが、新しいもの交換したあとでも、シーツの外にうんちをしてしまいます。「散歩に連れていってあげられなかったかな……」と思ったのですが、散歩に行ってもダメでした。
ーチワワ4匹を飼っているのですが、我が家もシーツから外れます。よく観察してみると、シーツの上にはのるのですが、ぐるぐる回ってポーズを決めているうちにお尻が出てしまっているようです。
トイレは床にペットシーツを敷いてあるだけですか? トイレの場所を認識しているのに少し外してしまう場合、排泄しやすいトイレであるかを考えましょう。
<対処法>
(1)トイレはわんちゃんが中に入って、くるくる体の向きを変えられる大きさが必要です。
(2)ペットシーツを敷いただけでは、わんちゃんはトイレの端がどこなのか、わかりにくいですよね。トイレトレーを使用するか周りをサークルで囲うなど、工夫をしましょう。
(3)多頭飼育の場合は、トイレの数を増やしたり、大きめのトイレを設置したりしましょう。
いかがでしたか?
わんちゃんがトイレの失敗をする原因として、泌尿生殖器系の病気、関節障害、認知症、発情期などが関与している可能性も考えられます。
治療が必要かもしれないので、気になる場合は動物病院でチェックしてもらいましょう。
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【参考】
※ 愛犬の友編集部編(2012)『気になる犬のトイレのしつけ』誠文堂新光社.
【画像】
※ Dzhulbee, Smit, eva_blanco, Parilov / Shutterstock
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