本格的な夏が到来する前の5月頃から徐々に増えてくるペットの熱中症。なかでも気温も湿度も高くなる7~8月は、とくに注意が必要です。そこで今回は、わんちゃん・ねこちゃんの熱中症の主な症状や応急処置、夏バテ対策をまとめてご紹介します。室温やお散歩の時間に気を配り、愛犬・愛猫を夏の暑さから守りましょう。
犬や猫も熱中症になるの?
高温多湿の環境で長時間過ごしたり、水分補給が追いつかないほど大量の汗をかいたりすると、体内の水分・塩分のバランスが崩れて体内に熱がこもった状態になります。この状態を熱中症といい、めまいや頭痛などの症状があらわれます。
熱中症は私たち人間だけがかかるものではありません。気温もしくは室温や湿度、水分不足といった条件が揃えば、わんちゃん・ねこちゃんも熱中症にかかってしまいます。以下に熱中症になりやす犬と猫の特徴をまとめたので、参考にしてみてください。
【熱中症になりやすい犬】
・短頭種(パグやペキニーズなど)
・子犬
・シニア犬
・心肺疾患や咽頭の疾患がある
・太っている
・毛色が黒い
・興奮しやすい
【熱中症になりやすい猫】
・短頭猫(ペルシャやエキゾチックショートヘアなど)
・長毛種(アメリカンカールやマンチカンなど)
・子猫
・シニア猫
・心疾患や腎臓病がある
・太っている
熱中症の主な症状
熱中症にかかってしまった場合、ぐったりと息苦しそうにしたり、下痢やおう吐をしたりします。対処が遅れると命にかかわることもあるので、以下のような症状が見られた場合は早急に動物病院で診察を受けましょう。
・体温が上がる
・ぐったりと息苦しそうにする
・よだれが多く出る
・口を開けてハァハァとパンティングする(犬の場合)
・食欲が低下する
・水を飲まなくなる
・下痢をする
・おう吐する
・痙攣する
・意識がなくなる
愛犬・愛猫が熱中症になったときの応急処置
愛犬・愛猫に熱中症の症状が見られたときは、まず涼しい場所に移動させましょう。そして体温を下げるために、首・脇・後ろ足の付け根に保冷剤や氷などをあててください。もし屋外にいる場合は、愛犬・愛猫の体に水をかけたり、冷たい飲み物の入ったペットボトルをあてたりするのも効果的です。
ただし、体を冷やしすぎると逆効果になるので注意が必要です。また、無理に水を飲ませようとすると誤飲の恐れがあるので、無理やり飲ませる必要はありません。応急処置が済んだら、動物病院に連絡してその後の指示を仰ぎましょう。熱中症は命にかかることもあるので、自己判断はおすすめできません。
愛犬の夏バテを予防する方法
愛犬の夏バテを予防するには、室温・湿度に気を配ることが大切です。室温25〜28℃、湿度50〜60%に保ち、愛犬が快適に過ごせる環境づくりを心がけましょう。
また、お散歩の時間を早朝や夜など涼しい時間帯に変えたり、必要に応じてクールマットやネッククーラーといったひんやりグッズを活用したりするのも夏バテ予防に効果的です。さらに外出時には飲み水を持ち歩き、こまめに水分補給をさせましょう。
ちなみに、被毛が暑そうだからとサマーカットにする飼い主さんも少なくありませんが、あまり短くしすぎるのはおすすめできません。被毛がなくなると地肌に直接日が当たることになるので、熱中症のリスクを高めてしまう恐れがあります。
愛猫の夏バテを予防する方法
愛猫の夏バテを予防するには、犬の場合と同じく快適に過ごせる室温・湿度を保つことが重要です。猫に適した環境は室温25〜28℃、湿度40〜60%とされているので、エアコンや除湿器を駆使して室温と湿度を調整しましょう。
また、クールマットやジェルマットなどのひんやりグッズを活用したり、いつでも新鮮な水を飲めるようにこまめに飲み水をかえたりするのもおすすめです。あまりに水を飲まない場合は、いつものフードにウェットフードを混ぜて与えてみてください。ウェットフードは水分補給になるだけでなく、食いつきがよくなる可能性もあります。
わんちゃん・ねこちゃんの熱中症は、気温も湿度も高くなる7~8月頃に急増します。扇風機だけでは熱中症の予防はできないので、必ずエアコンを使用して適切な室温・湿度を保ちましょう。もしも愛犬・愛猫に熱中症の症状が見られた場合は、すぐに応急処置を施し、できるだけ早く動物病院に連絡してください。大切な愛犬・愛猫を守るために、安易な自己判断は避けましょう。
戻る
みんなのコメント