ねこちゃんが咳やくしゃみをしたり、鼻水を出したりと、人間の風邪に似た症状がみられる病気の総称を、「猫風邪」と言います。猫が風邪をひいている状態ですが「風邪」は病名ではなく、症状のことを言います
■猫風邪の症状
・くしゃみや咳を繰り返す
・粘性の高い鼻水を出す
・目ヤニがたくさん出ている
・発熱による食欲不振や脱水症状
・角膜の炎症により、目をつぶっている
鼻水やくしゃみをしているからといって、猫風邪と判断することはできません。長い間室内飼いを徹底している猫ちゃんで、飼い主さんも他の猫ちゃんと触れ合っていないにも関わらず、急にくしゃみや鼻水が見られたとき、つまり、猫風邪の元になるウイルスの流入経路を確認できないときは、他の病気の可能性があります。
■猫風邪の病原体
ねこちゃんが風邪をひく原因となるウイルスはたくさんの種類がありますが、その中の一つに「カリシウイルス」というウイルスがあります。
猫風邪の中では頻度が高いウイルスで、正式には「カリシウイルス感染症」といいます。
カリシウイルスは感染力の強いウイルスで、乾燥した環境下では3~4週間生存することができます。免疫力の弱まっているねこちゃんや子猫に感染しやすい一方で、健康的なねこちゃんであれば感染しても何の症状も現れないことが多いです。
カリシウイルスに感染した時の症状は、一般的な風邪の症状である鼻水やくしゃみ、発熱や食欲不振です。それに加えて、カリシウイルス特有の症状として口の中や舌に潰瘍ができ、痛みによってよだれが多くなり、口臭が出るようになります。
猫の風邪の原因となるウイルスは他には、ヘルペスウイルスやクラミジアなどがあり、それぞれに特有の症状が現れます。
■猫風邪の感染経路
主な感染原因は、ウイルスに感染したねこちゃんとの接触感染です。ねこちゃんに接触していない場合でも、飼い主がカリシウイルスに感染したねこちゃんに触ったあとに皮膚や衣服を介して感染させてしまう場合があります。
また、接触感染以外にも空気感染でカリシウイルスに感染することがあります。空気感染の場合、一般的にはウイルスに感染した猫のくしゃみによるもので、風邪が治ったあとの猫でもカリシウイルスの保菌状態(キャリア)になることで、他の猫への感染源となる場合があるといわれています。
ただし、一度発症してから完治した場合、免疫ができるので再発することはほとんどありません。
■猫風邪は人に感染するの?
猫ヘルペスウイルスが原因の「猫ウイルス性鼻気管炎」と猫カリシウイルスが原因の「猫カリシウイルス感染症」は、人に感染することはありませんが、「クラミジア」が原因の猫風邪は、人にうつることがあると言われています。猫風邪にかかった猫の世話をした手で、目や口や傷口には絶対に触れないようにしましょう。世話をした後は充分に手洗いをして清潔にすることが感染予防になります。
■猫風邪の予防
猫風邪はワクチンがあり、予防ができる病気です。保護した野良猫はすでに感染している場合があるため、なるべく早く病院に連れて行き診断をしてもらいましょう。また、先住猫がいる場合は診断が終わるまで感染予防のためにあわせないようにしてください。
■絶対にしてはいけないこと
くしゃみや鼻水の症状があり、風邪だと自己判断をし人間用の風邪薬を与えることは絶対にしてはいけません。薬によっては少量与えただけで、死に至るものもあります。
いかがでしたか?よく耳にする「猫風邪」ですが、きちんとワクチンを接種していれば予防ができるため、必ず受けるようにしましょう。また、鼻水と目ヤニがよく出るようなら、ぬるめのお湯を染み込ませたガーゼやティッシュなどで優しく拭きとってあげてください。1~2週間経っても改善傾向が見られない場合は、他の病気も考えられるため病院に連れて行ってあげてくださいね。
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