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【獣医師執筆】猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは

牧口香絵

獣医師
牧口香絵

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【獣医師執筆】猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは

2021318日情報更新

長期の休暇がとれるとご家族でご旅行を楽しまれる方も多いのではないでしょうか? わんちゃんとねこちゃんと泊まれる宿も増え、お出かけがしやすくなりましたが、ねこちゃんとのおでかけは散歩も含めなかなか勇気がいるという方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、ねこちゃんとお散歩する際の注意点やおでかけを楽しく安全に行う方法をお話したいと思います。

 

■猫とお散歩ができる?

猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは
出典:https://www.shutterstock.com

著者が愛犬と訪れる公園では、よくねこちゃんがハーネスをつけて散歩をしている姿をみかけます。そのねこちゃんは外の環境にかなり慣れているようで、ロングリードをつけて、飼い主さんから離れて自由気ままにお散歩を楽しんでいます。

すべてのねこちゃんが、このように散歩を楽しむことができるようになるのは難しいかもしれませんが、順序立てて慣れさせることでお散歩ができるようになります。お散歩ができるようになりやすいねこちゃんは、どのような特徴があるでしょうか?

・子猫のときから家庭に迎えられ、社会化期(さまざまな刺激に順応しやすい時期のこと。猫ですと生後2週齢から9週齢の時期)にさまざまな経験している

・家に迎え入れられた当初から様々な年齢層、性別の人と触れあいを経験している

・家庭にほかの動物がいる

・もともと性格が大胆で動じない、来客が来ても隠れずあいさつができる

・大きな音を聞いても恐れない

 

■お散歩やおでかけを楽しく安全にできるように準備したいこと

猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは
出典:https://www.shutterstock.com

お散歩デビューができるように、時間をかけて以下のようなことに慣れさせてみましょう。わんちゃんと比べると、ねこちゃんは新しい刺激や環境に慣れるのに時間がかかります。ねこちゃんのペースでゆっくり慣れさせてくださいね。

・キャリーケース

ねこちゃんと外出する際には必ず使うアイテムです。はじめから悪い印象をつけるとねこちゃんはキャリーケースに入ってくれなくなりますので、まずキャリーケースを用意したら、扉を完全に外し中にタオルをしきます。

タオルの下にねこちゃんの好きなおもちゃやおやつを隠しいれておくと、ねこちゃんが自ら中に入るようになってきます。慣れてきたらキャリーケースの中でフードを与えてみるのも効果的です。

・リードとハーネス

始めはリードとハーネスをおもちゃ代わりにします。リードの付いたハーネスにねこちゃんの好きなおもちゃをつけて、ハーネスを床にはわせて追いかけさせます。楽しく追いかけてくれたら言葉で「いいこだね」と誉めます。遊びながらハーネスをねこちゃんの体に乗せたり、リードを巻きつけたりした体に触れても嫌がらないように慣れさせます。

おやつなども使いながら時間をかけてハーネスを体に装着する練習もしていきます。ハーネスはサイズがあわないと体が抜けてしまうこともあります。
H(エイチ)型の『Premier Come With Me Kitty イージーウォーク猫用ハーネス&バンジーリード』がおすすめです(※1)。

・車

キャリーケースに慣れたら、キャリーケースにねこちゃんをいれた状態で車の後部座席に乗せ、隣に家族が座ります。ケース越しにねこちゃんに声をかけたり、好きなおやつをあたえたりして車の環境に慣らせます。始めは停まっている車の中で、慣れてきたら走っている車に慣れさせていきます。

・抱っこ

外出中にとっさに車が来るなど危険を回避するために抱っこに慣れさせましょう。始めは数秒といった短い時間抱っこをします。抱っこをしたらおやつをあげるなど楽しいことと印象づけ、時間をかけて長い時間抱っこができるようにしていきます。

・さまざまな音

外にでるとさまざまな音が耳に飛び込んできます。ねこちゃんは五感のうち最も耳がよい動物ですので、外にでたときに聞く可能性の高い音に聞き慣れておくことをおすすめします。わんちゃんの音慣れに開発されたCD『WANモア・レッスン(CD)アウトドア編』を、始めは低音で聞かせることも効果的です(※2)。

 

■お散歩やおでかけの頻度と方法について

猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは
出典:https://www.shutterstock.com

おでかけの準備ができたらいざ外へ! いえいえ、その前にもう少し練習をしましょう。ハーネスとリードの装着に慣れてきたら装着した状態でまずは家の中で歩く練習をしましょう。おやつや好きなおもちゃを利用して楽しく行ってください。「上手に歩けているよ、いいこ」など声掛けをしてあげるとねこちゃんも安心します。

上手に歩けるようになれたら、お庭など近場から少しずつ慣れさせていきましょう。おでかけに慣らすためには毎日の練習が大切です。慣れてきたらねこちゃんのペースに合わせて散歩の時間や頻度を決めてあげてください。

 

猫はとても繊細な動物で、新しい刺激や環境が苦手な子もいます。時間をかけて慣らしてもハーネスやリードに慣れないねこちゃんもいます。無理はさせずにねこちゃんの気持ちを尊重してあげてくださいね。

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【参考】

※1 Premier Come With Me Kitty イージーウォーク猫用ハーネス&バンジーリード

※2 WANモア・レッスン(CD)アウトドア編

【画像】

※ korkiatt, Grigorita Ko, Africa Studio, Fernando Jose V. Soares / Shutterstock

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