高齢期になると、視力の低下、筋力低下、体力低下などにより、若い頃と同じようにお世話をすると、わんちゃんの負担が大きくなることがあります。無理な世話を続けると、家族もわんちゃんもストレスになってしまうこともあります。
そんな高齢期のお世話ですが、ちょっとしたコツを習得することで、ぐんとお世話が楽になることがあります。そこで今回は、高齢犬のお世話を楽しくするコツについて、獣医行動診療科認がご紹介します。
■環境を見直そう!
高齢期に入ったら見直したいポイントを2つご紹介します。
(1)すべらない床
足の踏ん張りがきかなくなり、起き上がったり歩くことが困難になったりすることがあります。滑りにくい床、ひっかかりにくい床材に交換するだけで、自分の力で起き上がったり、立ち上がったりすることが可能になることもあります。
自分でできるということは、わんちゃんにとっても大きな自信につながります。反対に滑ったりすることで、恐怖心から立ち上がる気力が低下してしまうこともあります。歩きやすい床の素材を検討してあげてくださいね。
(2)寝床
寝ている時間が長くなった場合、寝床の素材はとても重要です。同じ方向に強いテンションがかかってしまうことで、褥創(じょくそう)を作ってしまうこともあります。
高反発で力を分散できるマットも動物用に販売されています。専用マットは筆者の高齢犬も使っていましたが、介護になっても褥創を作ることなく、最後までお世話ができました。動物病院で取り扱っている場合もありますので、相談してみてください。
■健康を保つためには清潔が大切
免疫力や体力が低下している場合、シャンプーは大きな負担になることもあります。このような時に役立つ方法を2つご紹介します。
(1)オールインワンのシャンプー
シャンプーの時間を軽減することは、体力温存に有効です。シャンプーとリンスをしているとかなり時間がかかります。オールインワンで洗い流しも早いシャンプーは、非常に使いやすいです。さらに無添加のものを選択すると皮膚にも優しいのでおすすめです。
(2)洗浄液
排泄物によるお尻周りの汚れや嘔吐による汚れには、洗浄液を使うのがおすすめです。こちらも動物の介護用品として開発され、発売されています。部分洗いだけで済むので、負担がかなり軽減されます。洗浄力が高くても肌に優しい材料のものを選んでくださいね。
高齢犬のお世話は、便利アイテムを上手に活用することで負担が大幅に軽減します。便利なアイテムを活用することは、楽しいお世話への近道になります。
当院でも便利アイテムを紹介すると、「お世話が楽になった」との感想をいただくことが多いです。動物病院では、高齢犬のお世話は多く経験していますので、病気がなくても相談してみてくださいね。
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※ Annette Shaff, Anna Hoychuk, Jennay Hitesman / Shutterstock
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