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これだけはやっちゃダメ!昔の常識は通用しない「犬の間違った飼い方」3つ

船田治子

獣医師
船田治子

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これだけはやっちゃダメ!昔の常識は通用しない「犬の間違った飼い方」3つ

犬のために良いと思っていたことが、実は犬の健康を害していることがあります。「昔はみんながやっていたから」といって、当たり前だと思っていた常識が、今では間違っていることがあるのです。

そこで今回は、具体的な3つの例を挙げて、犬の間違った飼い方について説明します。

■1:子犬のフードを減らせば小さく育つ?

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出典:https://www.shutterstock.com/

かつて子犬の時期に食事の量を減らして、犬の体があまり大きくならないようにすることがありました。今でもまれに小型犬に対して行うことがあるようですが、子犬はバランスの取れた十分な栄養を与えられなければ、健康な体を作ることができません。健康体に見えても骨折しやすかったり、病気に対する抵抗力が弱くなったりします。また子犬はいつも空腹状態で、イライラしてしまいます。

<対処法>

犬の体格は遺伝的素因が大きく影響します。食事によって無理に体格をコントロールしようとすることは、体に大きな負担となります。子犬の時期は重要な成長期です。信頼できるフードメーカーの子犬用フードを選び、指示されている量をしっかり食べさせましょう。

 

■2:フードを口移しで食べさせてもいい?

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”ズーノーシス(動物由来感染症)”ということばを知っていますか? 動物から人間にうつる感染症のことです。犬からの主な感染症には、パスツレラ症、皮膚糸状菌症、エキノコックス症、狂犬病、カプノサイトファーガ感染症、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症、ブルセラ症、重症熱性血小板減少症候群などがあります。

犬が口腔内に常在菌としてもっているものもあり、人間が咬まれたり、口移しで食べ物を与えたりした時に感染を受けて、病気を発症することがあります。また人間から犬に口腔内の化膿菌などを感染させてしまい、犬が下痢を起こすこともあります。

<対処法>

犬がどんなに可愛いと思っても口移しで食べ物を与えたり、キスしたりするのは止めましょう。人間が噛み砕いた食べ物を犬に与えるのも止めましょう。犬と遊んだり排泄物の処理をしたりした後は、手をよく洗ってください。節度をもって可愛がり、手洗いを励行すれば、犬からの感染を極端に恐れることはありません。

もし犬も飼い主さんも一緒に、あるいは前後して体調を崩した場合は、飼い主さんもかかりつけの先生に、飼っている犬も調子が悪いことを伝えて下さい。診断治療が速やかになることもあります。

 

■3:犬は傷を舐めて治すの?

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犬が体に傷を負った時に、“舐めて治す”と聞いたことがありませんか? 犬は皮膚に痛みや痒みがあると、届く部分なら必ず舐めます。時間をかけてしつこく舐めるほど傷がひどくなり、そのままにしておくと化膿してしまいます。

小さな傷の場合、舐めても自然に治ることがあります。しかしその場合は、舐めなければもっと早く治るでしょう。

<対処法>

犬が体の特定の場所を舐めたり咬んだりしているときは、何か原因があります。その場所をよく見てあげてください。傷があったり赤くなっていたり腫れていたりすると思います。ノミ・ダニなどの外部寄生虫がついていることもあります。舐めて症状がひどくなる前に動物病院に連れて行きましょう。

 

室内犬が増え、犬と飼い主さんの距離が近くなってきました。犬を家族の一員として愛情をもって関わる飼い主さんが増えたことは喜ばしいことです。しかし犬の特性を理解して、節度をもって接することが重要です。飼い主さんと犬の健全な信頼関係を築いていけば、より楽しい犬との生活を送ることができますよ。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

厚生労働省(2018)『動物由来感染症ハンドブック2018』表紙~P10、P15~裏表紙

【画像】

※ Billion Photos, Ezzolo, eurobanks, WilleeCole Photography / Shutterstock

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