※2020年8月6日情報更新
まだまだ暑い日が続く中、エアコンの使い方は気になりますよね。室内で過ごすねこちゃんはどうでしょうか? 筆者が考える、ねこちゃんが室内で快適に過ごすための方法や注意点についてお話します。
■猫は暑さに強いの?
現在の“イエネコ”の祖先は、その遺伝子から北アフリカに住んでいるリビアヤマネコであると言われています。暑さには強いのではないかと思われがちですが、高温多湿な日本の夏は決してねこちゃんにとって過ごしやすい季節とは言えません。
■エアコンの上手な使用法
昔は戸を開けっ放しにした、風通しのよい室内環境も多かったと記憶していますが、最近はねこちゃんの室内飼いが増えたことや、防犯上の理由からもなかなかそういった環境は作れなくなりました。
筆者は、暑さをしのぐ方法としてはエアコンが一番効果的であると思います。ねこちゃんのいるお宅でのエアコン使用時には次の3点に注意しましょう。
(1)設定温度は25℃~28℃
ねこちゃんが好む室温は、人が快適に過ごせる室温より1~3℃高いといわれています。設定温度は25℃~28℃をおすすめしますが、個々のねこちゃんの状態にもよりますので、様子をみながら調整をしましょう。
(2)風に直接当てない
扇風機を併用して室内の空気を循環させるのはよいことですが、エアコンや扇風機の風が直接ねこちゃんにかからないように注意しましょう。特にケージ飼いのねこちゃんは注意しましょう。
(3)エアコンのない場所も選べるようにする
ねこちゃんが、屋内の北側にある廊下や玄関のたたき、洗面所などの涼しい場所で気持ちよさそうに長々と寝ているのを見かけたことはありませんか? ねこちゃんは、エアコンの無い環境を好むこともあります。エアコン使用時には、ドアストッパーなどを利用して扉の隙間を作り、ねこちゃんが居心地の良い場所を自由に選べるようにしてあげるといいですね。
■夏に留守番させる時の注意点
・ 部屋を締め切らない
エアコンをつけたままのつもりが、停電になってしまったり、テーブルの上に置いてあったリモコンをねこちゃんが踏んでOFFにしたり、暖房に切り替えたり……これは笑い話ではすみませんね。
もしそういう事態になっても、ねこちゃんが自分でその部屋から出ていけるようにしておけば、安心できるでしょう。
ケージ内でお留守番するねこちゃんについては、エアコンの風が直接当たらないように注意し、万が一エアコンが使えなくなったときのことを考えて、クールマットなども入れてあげるとよいでしょう。日当たりの良い部屋であれば、カーテンを閉めておきましょう。
・お風呂で溺れないように対策をする
ねこちゃんは洗面所や、お風呂場の水回りを好むかもしれません。留守番時にはお風呂の水を抜いておくか、絶対にお風呂場に入れないようにしましょう。くれぐれも悲しい事故を起こさないように注意してください。
・自由に水を飲めるようにする
お留守番の時間にもよりますが、水を2~3か所に置いたり、容器をひっくり返したりすることがないように工夫してあげましょう。
■熱中症のサインを見逃さないで!
肉球部にしか汗腺がないねこちゃんは、暑い日にパンティング(口を開けてハアハアとする呼吸)をして、体温を下げようとします。しかし、それだけでは十分に体温が下がらず、高体温(41℃以上)が持続することで様々な症状がみられるようになります。
熱中症が疑われたら、濡れたタオルでねこちゃんをくるみ、保冷剤などを首や脇の下、内股に挟んで速やかに動物病院につれていきましょう。発見、処置が遅れると命を失うこともあります。
特に、子ねこ、高齢ねこ、短頭種(ペルシャ、ヒマラヤンなど)、肥満、病気を持っているねこちゃんは、熱中症のリスクが高いので、飼い主さんは注意しましょう。
室内での暑さ対策として、エアコンは一番便利で使いやすいと思います。特に留守番時の思わぬ事故に注意して、室内環境を整えてあげると良いでしょう。上手にエアコン等を利用して、人もねこちゃんも一緒に、夏を快適に過ごしましょうね。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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【画像】
※ bombermoon,EcoPrint,Nekotamaya,Nikita Dukhnik,Prystai / Shutterstock
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