茨城県つくば市にある保護犬カフェ『キドックスカフェ』におじゃましてきました! 大通りから少し入ったところにありますが、看板もあるのですぐに分かります。
今回は保護犬たちと触れ合いながら、代表理事の上山さんにお話を伺いました!
■他の保護犬カフェとの違い
いきなりですが、まずはわんちゃんではなく人間のお話を。キドックスカフェの店員さんは、過去に引きこもりや不登校を経験し、現在は社会での自立を目指している若者たち。
カフェスタッフとしてだけではなく、普段は『キドックスシェルター』でわんちゃんのことを学び、お世話をしながら経験や知識を身に着けています。
シェルターでの保護犬と若者たちの様子は、キドックスの活動を書いた本『捨て犬たちとめざす明日』で知ることができますよ。
保護犬のお世話をしていくうちに変わっていく若者の様子が描かれているのですが、「本に書かれているように、若者たちは変わっていくものですか?」と質問したところ、
「変わります!全然違いますよ! 起伏はあるけど、どの子も生き生きしてくるのが分かります。
自立するのに何年もかかる子もいますが、1ヶ月くらいで卒業しちゃう子もいます。もちろん、戻ってきちゃう子もいますが」と上山さん。
戻る場所があるからこそ、飛び立つ勇気が持てるのだと思います。だから、キドックスカフェに遊びに行くことは、保護犬だけでなく、そんな若者たちの支援にも繋がっているんですよ。
■キドックスカフェにいる保護犬たち
カフェでお出迎えしてくれるのは、シェルターで一定期間トレーニングを積んだ保護犬たち。
ここで人と過ごすことが、保護犬たちの社会化のトレーニングになります。だから、ただ癒されに行くのではなく、保護犬たちの社会化のお手伝いという意識も必要。
犬生アルバムには、一頭一頭の性格やつきあい方が細かく書かれているので、まずはお勉強です。
これを読むだけで、スタッフさんの愛情が伝わってきます。
シェルターで引き取るわんちゃんたちは、人馴れしている子たちばかりではありません。むしろ、保護するわんちゃんたちは、あえて性格にバラツキがでるようにしているそう。
人間大好き、いつも元気で「遊ぼうよ!」というわんちゃんが合う家庭もあれば、ゆっくりまったり、スローペースなわんちゃんが合う家庭もありますからね。
■緊張しいの「ケイちゃん」
例えば、ずっと警戒していて、なかなか心を開いてくれない“ケイちゃん”。
人が遠くにいるときは、小さくうなっているのですが、近づくとしっぽを撒いて怯えてしまいます。
引きこもりを経験した若者にとっては、自分と重ね合わせて特に愛おしく感じるそう。
カフェに来るお客さんも、ケイちゃんが心を許してくれたら、そりゃたまりません!
心を開いた人には、めちゃくちゃ甘えるらしいです(笑)
こんなに緊張されちゃったら、リラックスした表情が見たくなっちゃいますね。
■キドックスカフェのシステム
キドックスカフェに入店するやいなや、人懐っこい保護犬たちの洗礼を受けて、最初はガチャガチャ(笑)
そんなわんちゃんたちを落ち着かせたり、人見知りのわんちゃんたちと仲良くなるための“犬用ボーロ”があります。
人間もお茶をしながら、保護犬とゆっくり過ごす至福の時間……。料金システムは、時間制・1ドリンク&ミニスイーツ付きです。
また、キドックスカフェでは、わんちゃん用のおやつやグッズの販売もしています。自立を目指す若者たちが作っているんですよ。
このカフェでの売り上げは、わんちゃんの保護活動や若者たちへの支援に使われています。
しかも、このわんちゃん用グッズがオシャレ!
筆者も愛犬へのおみやげに、ボーロとリンゴの木で作ったおもちゃを買いました。
かなり気に入ったようで、本能のままにガブついています(笑)
■保護犬の現状
茨城県で保護されるわんちゃんたちは、ほとんどが中型犬以上の雑種。土地柄、飼い主が明らかなわんちゃんよりも、野犬や迷子犬などの飼い主がわからないわんちゃんが多いそう。
どうしても小型犬や純血種に比べて、家族が見つかりにくいのが現状です。
キドックスに今いるわんちゃんたちも、10kg以下の子はいません。マンションでは”エレベーター内では抱っこ、8kg以下のわんちゃんしか飼ってはいけない”とルールがあることも……どうしても条件に合う家族が見つからりにくいそうです。
しかし、キドックスでは他の保護団体ほど譲渡の条件は厳しくありません。いろいろなわんちゃんがいるように、飼い主さんも様々な方がいるからです。
例えば、お年寄りでも近くに頼れる家族がいるなど、その犬を迎えるための適切な環境をつくれる方であればOK。もちろん「ヤンチャな子はおすすめしません」と上山さん。だから、おとなしい子や人懐っこい子、元気いっぱいの子など、いろいろな性格のわんちゃんを保護するようにしているんです。
家の中で飼うのが望ましい子が多いけど、家の中より外が好きな子もいる。散歩の時間もそれほど必要ない子もいる。もちろん、長い時間必要な子も……。
トイレはほとんどの子が外でするけど、トイレの間隔が短い子は、ちゃんとトイレトレーニングをしているんです。
子犬から迎えるよりも、確実に飼いやすい。ただし、トライアル期間は本気で一緒に暮らすためのお試し期間。そのため、必要な道具は一切貸し出さず、すべて揃えてから保護犬を迎え入れてもらっているそうです。
また、キドックスカフェを卒業したわんちゃんの今の生活や、面白いエピソードもたくさん教えていただきました。わんちゃんが巣立った後も、密に飼い主さんと連絡を取っているのですね。
「保護犬を迎えたい」と検討している方はもちろんですが、「わんちゃんとふれあいたい!」という方も気軽に行ける『キドックスカフェ』。
お客さんの7割くらいは、楽しくふれあうために遊びに来ている方なんですよ。営業日時をホームページでご確認のうえ、ぜひ訪れてみてくださいね!
<施設情報>
保護犬と出会えるカフェ『キドックスカフェ』
住所:茨城県吉瀬511-5
営業日時:月曜日、土曜日、日曜日、祝日
営業時間:11:00~18:30(ラストオーダー17:30)
電話番号:070-5088-6436
メール:info@kidogs.org
HP:http://cafe.kidogs.org
Instagram:https://www.instagram.com/kidogsfarm/
Facebook:https://www.facebook.com/kidogs/
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