私たち人間も、老若男女問わず、一緒にいて楽しくて心地いいと思える相手がいるかと思えば、何となく相性が合わないな……と思う相手がいますよね。
同じように、わんちゃんにも好きなわんちゃんや苦手なわんちゃんがいます。初めて会ったわんちゃん同士なのに、最初から仲良く遊んだり、反対に突然ケンカを始めてしまったり……。
今回は、そんなわんちゃん同士の好き嫌いについて考えてみましょう!
■犬にも好みや相性があるのはなんで?
(1)去勢の有無による変化
理由は本当にさまざまです。一般的に、男の子の場合は去勢をしているかどうかによって相性も変わってきます。去勢をしていないわんちゃんは、自分の子孫を残そうとする本能から、性成熟を迎えたあとは、同性のわんちゃんをライバル視する傾向があります。
去勢をしていない男の子同士はもちろんですが、去勢をしていない男の子は、去勢をしているわんちゃんに対しても関係なく敵意を示すことがあります。
また、避妊をしていない女の子も、よりよい子孫を残すために、性成熟を迎えると、発情期以外は男の子を受け入れにくい面があります。特に、積極的に迫ってくる男の子を苦手とするわんちゃんもいるようです。
(2)過去の経験が与える影響
過去の経験も影響を与えることがあります。幼いころに、あまり他のわんちゃんと接してこなかったわんちゃんは、挨拶をしようと近づいて来るわんちゃんに、どう対応していいのかわからず、「こわい」「いやだな」と思ってしまいがちです。
そういうわんちゃんは、「こわいから、やめてよ」というサインも上手に出すことができず、唸ったり、歯を剥き出したり、場合によっては、突然噛もうとしたりして、相手のわんちゃんも「なんだこいつ、やる気だな!」と受け取ってしまい、ケンカに発展することもあります。
(3)似たような相手や特定の場所が怖い
また、過去に、相手のわんちゃんに怖い思いをさせられてしまったわんちゃんは、その後も相手と同じ犬種のわんちゃんや、似たような体格や見た目をしたわんちゃんに対して、苦手意識を持ち続けることがあります。
さらに、怖い経験をした相手のわんちゃんだけでなく、そのときの状況や環境もひっくるめて、”怖い”という気持ちを抱くことがあります。
例えば、ドッグランで他のわんちゃんに追いかけられて、怖い思いをしたわんちゃんは、ドッグランという場所自体を苦手と感じてしまい、そこで出会うわんちゃんはすべて苦手と思ってしまうことがあるのです。
逆に、幼いころから一緒に楽しく遊んだわんちゃん同士は、大きくなってもずっと仲良しのままでいることがあります。同じ犬種や、似たような体格の他のわんちゃんも大好き!という子もいますよね。
もちろん、わんちゃんが本来持つ生まれ持った性格も関係してくるでしょう。私たちも、「理由はわからないけれど、あの人とは何となくウマが合う、でもあの人と一緒にいると居心地が悪いな」と感じることがあるように、わんちゃんにもわからない相性の良し悪しはあるのかもしれません。
■相手のわんちゃんに会った時に気をつけることは?
散歩やドッグランなどで相手のわんちゃんに会ったとき、あなたのわんちゃんがストレスを感じているかどうかを見逃さないようにしましょう。
わんちゃんがストレスを示すサインとして、主に次のようなものがあります。
・あくびをする
・耳を後ろに倒す
・パンティング(ハッハッと口を開けて浅くて速い呼吸)をする
・体を掻く
・鼻舐めをする
・ブルブルと体を震わせる
・後ずさりをする
・体を舐める
・舌なめずりをする
・隠れる(逃げようとする)
・震える
・吠える
・歯を剥く、唸る
これらのサインが見られたら、わんちゃんは相手のわんちゃんに対して苦手意識を持っているかもしれません。そんなときは、無理に挨拶をさせようとしたりせず、飼い主さんが間に入って距離を取ってあげてください。
尻尾を振っているからと言って、必ずしもよろこんでいるわけではありません。興奮しているときもわんちゃんは尻尾を振るので、上記のストレスサインと併せて判断しましょう。
また、わんちゃん同士の挨拶に、お尻の匂いを嗅ぐという行動がありますが、これは一般的に余裕のある(わんちゃんの世界では優位な)わんちゃんが、余裕のない(同じく劣位な)わんちゃんに嗅がせてあげる行動です。
あなたのわんちゃんが、相手のお尻を嗅いだ後、相手に嗅がれそうになると嫌がって嗅がせないという行動が見られたら、「こわい、やだな」と思っているサインです。お互いさまではないので、決して無理に嗅がせないようにしてあげてください。
いかがですか?
私たち人間と同じように、わんちゃんにも好き嫌いがあり、お互いの相性があります。同じ犬同士、同じ犬種同士だからといって、必ずしも仲良くできるとは限りません。無理して仲良くさせる必要はありません。
わんちゃんが発しているサインを見逃さないようにし、ケンカに発展することのないよう、わんちゃん同士で上手に付き合っていけるよう、飼い主さんも手助けしてあげてくださいね。
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