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床ずれや皮膚病に注意!注意するべき「シニア犬のケア」について獣医師が解説

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ホリスティック獣医Sara

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床ずれや皮膚病に注意!注意するべき「シニア犬のケア」について獣医師が解説

おうちで飼っている犬にも、高齢化が進んでいると言われています。どんな動物もいつかは年老いていきますが、みなさんは心の準備ができていますか?

一般社団法人ペットフード協会によって行われた、平成30年全国犬猫飼育実態調査によると、日本で飼われている犬の平均寿命は14.29歳(超小型犬では15.01歳、中・大型犬では13.36歳)との報告があります(※1)。

年齢があがると、どんなに元気な犬でも身体の機能が落ちてさまざまな病気になりやすくなります。その中でもシニア犬に多い皮膚病について、今回は獣医師である筆者が解説いたします。

■シニア犬によく見られる皮膚病は?

床ずれや皮膚病に注意!注意するべき「シニア犬のケア」について獣医師が解説
出典:https://www.shutterstock.com/

上記同様、平成30年全国犬猫飼育実態調査からの報告によると、シニアのペット飼育で苦労しそうなことの一つとして『介護が必要になったときにケアがしきれないこと』という内容が挙げられています(1)。

ペットの高齢化が進むなかで介護が必要となる犬も増えていますが、シニア犬に多く見られがちな皮膚病として、介護が必要になって寝たきりになったときに起こりがちな床ずれや皮膚の感染による皮膚病などが挙げられます。

■床ずれはどうやって起こる?

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床ずれは医療用語で褥瘡(じょくそう)とも呼ばれます。寝返りを上手くうてないような状況で寝たきりになるなど、長時間床に身体を接していることで皮膚が圧迫され、循環が悪くなることで起こります。

特に、以下の要因で起こりやすくなることが知られています(※2)。

・床についている身体の部位に脂肪が十分にない

・脱水を起こして皮膚に弾力がなくなっている

・栄養失調(低タンパク・ビタミン不足・貧血など)

・摩擦により、皮膚を擦りむいたり引っ張られたりする

・尿や便などによる皮膚のただれ

・低温やけど(ヒートマットなどを利用している場合)

一部ですが、上記のような症状が見られることがあります。

床ずれを起こしやすい犬種としては皮膚の薄いグレイハウンドが有名ですが、その他のリスクの一つとして四肢に麻痺を起こす椎間板ヘルニアなどの病気が知られています。

そのような病気になりやすい犬種としてはミニチュア・ダックスフンドやフレンチ・ブルドッグなどが報告されています(※3)。

■シニア犬の皮膚病ケアはどうすればいい?

床ずれを起こしやすい部分は皮膚が薄く横になったときに圧迫されやすい突出した場所で、ある程度決まっています。具体的な場所としては坐骨まわり、膝まわり、くるぶし周辺、肩から上腕にかけて、肘まわり、肢先、胸の張っている部分などがあります。

床ずれや皮膚病に注意!注意するべき「シニア犬のケア」について獣医師が解説
出典:Saraホリスティックアニマルクリニック

こちらの写真を参考にしてみてください。寝たきりになってしまった場合に、床ずれが起きる前からさまざまな方法で予防していくようにしましょう。

一ヶ所に集中して体重がかかってしまうと床ずれが起きやすくなります。できるだけ体重によってかかる圧力が分散されるよう、マットレスなどを利用した方が痛みが起きづらいことが分かっています(※4)。

その他、便や尿などの排泄を横になったまましてしまうような場合に、おしりやお腹まわりの皮膚に排泄物が付着し、皮膚がただれてしまうことが診療現場ではよく見られます。

長毛の犬の場合は、排泄物が毛に付着することで不衛生になりやすく、そこから細菌感染を起こす場合もあります。毛をバリカンで刈るなどして、常に清潔に保つようにしましょう。

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ポイントとしては、ペットシーツを2~3枚重ね、横になっている犬の下に置いておくと、排泄をしたあとに1枚シーツを抜くだけで綺麗になります。

そのあと洗浄する場合は、水を入れた洗面器やじょうろなどから温水を流してそのまま洗いましょう。下に流れた水はペットシーツに吸収されるため、シーツを抜き取ることで清潔に保てます。

その他、温水にハーブやアロマセラピーに利用される精油を垂らす方法もありますよ。

寝たきりになって自分で寝返りを打てなくなったら、床ずれ防止のため1日のうちに何度も寝返りを打たせることを忘れないようにしましょう。

犬が高齢になり介護が必要になると、毎日ご自宅でケアしていくことにプレッシャーを感じ、飼い主さんの気持ちが滅入ってしまうことも少なくありません。

そんなときは、一人で抱え込まないことが大切です。インターネット上で同じようにシニア犬の世話をしている飼い主さんの体験談を読んでみたり、専門家に相談してみたりすることをおすすめします。

ちょっとした視点の切り替えや工夫で世話が楽になるので、シニア犬の介護をしている飼い主さんは参考にしてみてくださいね!

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

※1 平成30年 全国犬猫飼育実態調査|全国犬猫飼育実態調査|一般社団法人ペットフード協会

※2 S.F.Swaim, R.R.Hanson Jr, et al. (1997). Decubitus Ulcers in Animals. The Decubitus Ulcer in Clinical Practice. Springer Switzerland AG, 217-238.

※3 Clare Rusbridge. (2015). Canine chondrodystrophic intervertebral disc disease (Hansen type 1 disc disease). BMC Musculoskelet Disord, 16(Suppl 1): S11.

※4 Hofman A, Geelkerken RH, et al. (1994). Pressure sores and pressure-decreasing mattresses: controlled clinical trial. Lancet, 343: 568-571.

【画像】

※ Saraホリスティックアニマルクリニック

※ Haley Ridgeway, Tunde Gaspar, Daniel Brasil, Mary Lynn Strand / Shutterstock

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