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【獣医師執筆】猫の「口臭」どうすればいい?主な原因と最適なケアについて徹底解説

西原克明

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西原克明

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【獣医師執筆】猫の「口臭」どうすればいい?主な原因と最適なケアについて徹底解説

愛猫のくちのニオイ、気になりませんか? 一般的に、ほとんどの猫には口臭があり、中には病気の症状のひとつであることが多いそう。

そこで今回は、猫の口臭の原因とその対策について、獣医師の西原克明先生に解説していただきました!

■口臭の原因は歯周病!?

猫の「口臭」どうすればいい?主な原因と最適なケアについて徹底解説
出典:https://pixta.jp/

猫の口臭は、多くの原因が“歯周病”と関係しています。多くの猫では、歯周病を治療すると口臭がなくなり、逆に、歯周病の進行に合わせて、口臭も悪化します。そのため、口臭の原因としての歯周病は、気にしてほしい病気と言えます。

また、歯周病とは別に、あるいは歯周病に併発して、猫では“口内炎“が見られることもあります。猫の口内炎は、猫カリシウイルスや猫エイズウイルス感染の症状として見られることもありますが、中には原因不明で、なかなか完治しない“難治性口内炎”と呼ばれるものもあります。

さらには、腎臓病が悪化した状態で引き起こされる“尿毒症”や、重度の糖尿病で見られる“ケトアシドーシス“などでも、異常な口臭が認められるようになります。

■口臭の原因が病気かも…まず治療を受けよう!

猫の「口臭」どうすればいい?主な原因と最適なケアについて徹底解説
出典:https://pixta.jp/

尿毒症やケトアシドーシスといった、重症で見られる口臭は、猫自身もかなりぐったりしているので、口臭ケアよりも、しっかりと動物病院で治療を受けることが先決です。

また、元気な猫に見られる口臭についても、まず動物病院を受診して、歯周病や口内炎の状態をしっかりと確認するようにしましょう。

そして、歯周病が見られたときには、まずは全身麻酔をかけて、歯周病治療を行うことが一般的です。歯周病は、その字の通り“歯の周りの病気”です。歯の周りの中でも、歯と歯ぐきの間、いわゆる歯周ポケットの歯垢を除去するなど、治療することが重要です。

歯周ポケットの治療は非常にデリケートで、猫が動かないことが大切なため、猫ではどうしても麻酔が必要になります。

■口臭予防は根気が必要!

猫の「口臭」どうすればいい?主な原因と最適なケアについて徹底解説
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全身麻酔で歯科処置を実施したあとは、予防のためのデンタルケアが必要です。そのデンタルケアの中で、もっともしっかり予防できる方法は、“歯ブラシを用いたブラッシング”になります。

ただし、ほとんどの猫は、歯ブラシをとても嫌がり、ブラッシングできないケースが多いと感じます。そのため、ブラッシングに慣らすためには、相当な根気が必要です。

また、デンタルケアには、歯ブラシ以外にもデンタルスプレーや飲み水に混ぜるタイプ、ガーゼタイプのものなど、様々なものがあります。

もちろん、中には口臭を軽減させる効果が見られるものもありますが、残念ながら、歯周病を予防する効果はありません。それらだけでは、歯周病が再発するケースが多いと感じます。

したがって、きちんと歯ブラシができるようになりたいところですが、難しい場合、歯周病対応の観点からは、定期的に麻酔での歯科処置を受けるようにしましょう。

麻酔に関しては、抵抗を持つ飼い主さんも多く、確かに少なからず危険性はあります。しかし、実際のところ麻酔のリスクよりも歯周病のリスクの方がはるかに高いのではないでしょうか。

猫に元気で長生きしてもらうためには、歯周病の場合きちんと麻酔をかけた上で歯科処置を受けることをおすすめします。

■口臭ケアに役立つおすすめグッズ

猫の「口臭」どうすればいい?主な原因と最適なケアについて徹底解説
出典:https://pixta.jp/

最近では“インターフェロン”と呼ばれる、免疫力を高める成分が配合された薬剤があり、猫の口に塗るだけで、歯周病の予防効果が得られるものもあります。

さらに、くちの中のケアに役立つ、いわゆる善玉菌を配合したサプリメントもあります。これらは口臭予防だけでなく、歯周病予防にも役立つと思われます。

歯ブラシが苦手な猫は、このような薬剤を併用してもよいかもしれません。

猫の口臭の原因は様々ですが、そのほとんどが歯周病と関係しています。歯周病を含め、病気が関係している口臭は、それ以上悪化させないためにも、しっかりと治療を行いましょう。

また、口臭予防には普段からのデンタルケアなど、日常生活での工夫が必要です。ぜひ日々の生活に、口臭ケアを取り入れてみてくださいね。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

※ 網本昭輝(2017)「歯周病の疫学と病態」,『Vet-i No.19』2017年8月1日号, p.6-10, DSファーマアニマルヘルス.

【画像】

※ elwynn, tankist276, Meriluxa, ぱぱ〜ん, duiwoy / PIXTA(ピクスタ)

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