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皮膚科獣医師が紐解く!犬の「換毛期」の基本と気をつけたい病気

小林真也

獣医師
小林真也

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皮膚科獣医師が紐解く!犬の「換毛期」の基本と気をつけたい病気

春と言えば“換毛期”の季節ですよね。愛犬がダブルコートだと、よく毛が抜けるので気になる飼い主さんもいるともいます。

今回はそんな換毛期について、皮膚科獣医師の小林真也先生に解説いただきました!

■換毛期ってどういうこと?

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出典:https://www.shutterstock.com/

犬は有毛動物で体の大部分が毛で覆われています。毛はバリア機能や体温調節に関わり、太く硬い一次毛(オーバーコート)と細くやわらかい二次毛(アンダーコート)があります。1つの毛穴には1本の一次毛と、その周囲に5〜20本程度の二次毛が囲んで生えていると言われています。

この二次毛の密度が増えたり、減ったりする時期を“換毛期”と呼びます。換毛期は日照時間や気温の影響で始まり、通常は春と秋の2回起こります。イメージは人の衣替えといったところでしょうか。

■換毛期が起こる犬種とは?

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犬にはシングルコートとダブルコートの犬種がいます。シングルコートは一次毛のみで、ダブルコートは一次毛と二次毛が生えています。このため、換毛期があるのはダブルコートの犬種だけで、シングルコートの犬種は換毛期がありません。

シングルコートの主な犬種はトイプードル、ヨークシャテリア、ミニチュアダックスフンド(スムース)、チワワ(スムース)などです。

ダブルコートの主な犬種は柴犬、ポメラニアン、ゴールデンレトリバー、ミニチュアダックスフンド(ロング)、チワワ(ロング)、ミニチュアシュナウザーなどがいます。愛犬がシングルコートなのかダブルコートなのか調べてみましょう。

■換毛期に注意したいトラブルとは

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(1)皮膚感染症

特に冬毛から夏毛に変わる時期は注意が必要です。冬毛が残ってしまっていると、皮膚の湿度が高くなってしまい、ブドウ球菌やマラセチアといった皮膚常在菌が増殖し、皮膚炎を起こしてしまうことがあります。

(2)換毛期異常

特に室内飼育で散歩に行かない犬は気を付けましょう。換毛期は日照時間に左右されるので、エアコンのよく効いた室内で快適に過ごしていると、換毛期のタイミングが乱れたり、換毛期自体が起こらないこともあるようです。

(3)過剰なブラッシングによる皮膚トラブル

換毛期は異常なほどに毛が抜けます。夢中になってブラッシングを行い過ぎてしまうと皮膚を傷つけてしまい、皮膚炎を引き起こすことがあります。特にスリッカーなど固い素材のものを使用するときは注意しましょう。

(4)その他の脱毛症と勘違い

毛が抜けるのは換毛期だけでなく、皮膚病が関連していることもあります。皮膚病が関連する場合は、部分的もしくは全体的に脱毛が生じます。通常換毛期だけでは脱毛を引き起こすことはありませんので、皮膚の状態をよく観察し脱毛があるかどうかチェックしてあげましょう。

換毛期は病気ではなく生理的な現象なので、異常だと思う量の毛が抜けても慌てないでください。日常的に散歩などをすることで、換毛期を適切なタイミングで迎えられる様環境を整えてあげて、換毛期がきたら定期的なシャンプーとこまめなブラッシングをして、皮膚トラブルを防いであげてくださいね。

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