【獣医師執筆】犬の健康のために知っておきたい！正しい運動量のポイント3つ｜記事｜わんにゃ365

※2020年10月18日情報更新

あなたのわんちゃんの健康はいかがですか？　わんちゃんが元気で長生きするためには、日頃から、バランスの良い食事、適切な運動、ストレスケアが重要だと言われています。

今回は、獣医師の筆者がわんちゃんの健康管理の中でも“適切な運動”のポイントについて解説します。

■犬種ごとに必要な散歩時間は決まっているの？

実際に筆者の診療でも、「この子は何分くらいお散歩させるべき？」といった質問をたくさんいただきます。しかし、それぞれのわんちゃんにとっての適切な運動量、散歩の時間というのは、一頭一頭違います。

もちろん、小型犬よりは大型犬の方が運動量は多いですし、トイ種よりもハウンド系のわんちゃんの方がより多くの運動が必要です。犬種によってある程度の散歩時間に違いはありますが、残念ながら犬種だけでは適切な散歩時間を決めることはできません。

例えば、同じ犬種でも、元気ハツラツなわんちゃんと、大人しくてほとんど動かないわんちゃんでは、必要な運動量は変わります。同じように、たとえ同じ体重でも、若いわんちゃんと老衰で代謝が落ちているわんちゃんでは運動量は違います。

このように犬種や性格、年齢、さらにはフードの種類や肥満の程度、持病の有無によっても、必要な運動量は違ってきます。そのため、なかなか一概には適切な運動量や散歩時間を決めるというのは難しいのです。

■高齢のわんちゃんが、散歩したがらなくなったら要注意

散歩時間を考えるとき、高齢のわんちゃんと暮らす方は、「昔よりも歩かなくなった。老衰だから無理な散歩はやめよう」と感じることがあると思います。でもその判断には注意が必要です。

実は老衰だと思っていたら、関節炎や心臓病が隠れていることがあるのです。つまり、老衰のために散歩したがらないのではなく、体が痛い、だるいことが原因で動きたがらないのかもしれません。

老衰かな、と感じたら、必ずかかりつけの獣医師に相談して、病気が隠れていないかをチェックしてもらうようにしてください。

■わんちゃんの運動量を考えるための3つのポイント

・健康診断

まずはわんちゃんに隠れた病気がないかどうか、定期的な健康診断で確認しましょう。もし関節や心臓、あるいは気管など呼吸器に問題がある場合は、逆に運動が体の負担になることがありますので注意が必要です。

・体重と体型

適切な運動量、散歩時間が守られていると、多少の変動はありますが、だいたい体重や体型が一定になります。ですので常日頃から測定して、こまめに運動量が適切かどうかをチェックしてあげてください。
また、わんちゃんの体型はボディコンディションスコア（BCS）という方法で測定します。背骨や肋骨周辺の筋肉量や、腰回りのくびれで評価します。
ボディコンディションスコアについては、主観的な評価にはなりますが、慣れればお家でも測定できますので、一度かかりつけの動物病院で測定してもらってください。

・食事

いくら適切な運動量をキープしていても、ダイエット用のドッグフードや、消化の良いドッグフードなど、食事内容が変われば体重や体型は変化します。例えば、同じ運動量でもダイエットフードよりは消化の良いフードの方が太りやすくなります。
もし、ダイエットを意識して運動量を考える場合は、必ず食事内容にも注意するようにしましょう。

わんちゃんの適切な運動量は、犬種や年齢以外にも、特に健康状態や体重、体型、食事内容が大きく影響します。
こまめにこれらをチェックして、なるべく必要十分な運動をキープできるようにしましょう。