いつまでも子どものようにかわいいわんちゃんですが、じつは人の数倍も早く年齢を重ねています。老化のサインに早く気づいてあげることが、わんちゃんの老後の幸せにつながっていきます。
■瞳が白く濁ってくる
眼球の黒目の部分が白く濁ってきます。これは「白内障」という人間にも見られる老化の症状です。目の中には「水晶体」と呼ばれる、ピントを調節するレンズのような部分があります。白内障は、透明だった水晶体が白く濁って視界がぼやけて見にくくなり、症状が進むと失明してしまうこともあります。
わんちゃんは嗅覚や聴覚に頼って生活しています。なので、物の配置が分かっているおうちの中や、歩き慣れたお散歩コースでは、少しくらい目が見えていなくてもスムーズに歩けてしまいます。これが、白内障の発見が遅れる要因にもなっています。
早期発見には、普段からわんちゃんをよく観察し、定期的な健康診断も受けるようにしましょう。見えにくくなってくると、夕方のお散歩を嫌がったり触れられた時に怖がったり、攻撃的になったりすることもあります。愛犬からのサインを見逃さないようにしましょう。
■被毛のツヤ、色の変化
シニアになってくると、皮膚は水分や油分が保てなくなり、弾力を失っていくのは人と同じです。体全体の被毛が、パサパサとしてツヤがなくなってきます。フサフサだった自慢の毛並みも、首や横腹が薄くなり、マズルと呼ばれる鼻口部や目の周囲には白髪が目立つようになります。色素が薄くなるので、真っ黒だった鼻が茶色くなったりも。被毛があるのでわかりにくいですが、人と同じようにシミやシワも出はじめます。
また、新陳代謝も悪くなるので、抜け毛に対して毛の成長が遅く、密度が薄くなったように感じます。乾燥のためか、皮膚が荒れやすく、痒みを感じる老犬もいるようです。痒がる様子や皮膚に赤みやある場合は、とくに注意が必要です。
日頃からお手入れに気を配り、老犬の皮膚の状態をチェックしてあげることで、早めに変化に気づき、おうちでのケアで皮膚を良い状態に保つことができます。
■睡眠時間が長くなった
わんちゃんは昼も夜もよく寝ます。成犬の睡眠時間は平均で12時間~13時間といわれていますが、老犬や子犬はそれ以上の睡眠を必要として、19時間前後といわれています。
老犬は耳が遠くなったり、周囲への興味が薄れたりして、一日中寝ているといった感じになってきます。わんちゃんの好みに合った寝床を用意し、また毛布やカバーは洗える素材の物で常に清潔を保てるようにしましょう。
■散歩を嫌がるようになった
筋力が低下していたり、関節に異常が発生すると、歩くことが負担になります。散歩に行きたがらない、行ってもすぐに帰りたがるような仕草を見せるようになるのも老化のサインです。
また心臓病が原因で散歩に行きたがらないこともあります。歩き方がぎこちなかったり、座り方が今までと違ったり、足を触られるのをイヤがったりしたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
筋力の維持や気分転換など様々な効果が散歩や運動にはあるため、短い時間で回数を増やすなど、愛犬に無理のないお散歩をしてあげてください。特に、初めは元気でも途中で帰りたがることもあるので、戻りの距離も考えたコースを選択してあげてください。
いかがでしたか。このような老化のサインに、飼い主が早めに気がつき、すぐに対処することで老化の進行を遅らせることができます。老化は自然の摂理ではありますが、その進行をできるだけ遅らせてあげたり、老化を理解した上で、できるだけ生活しやすくしてあげてくださいね。
【関連記事】
戻る
みんなのコメント