近年、ねこちゃんの完全室内飼育が推奨されていますが、そんな外出する機会の少ないねこちゃんを動物病院へ連れて行く際はどのようにされていますか?
テリトリー内の自宅では大人しい性格のねこちゃんが、普段あまり行くことの少ない動物病院で、緊張と恐怖から大暴れしてパニック状態に…ということは珍しくありません。スムーズな診察や治療はねこちゃんのストレスを軽減します。また思わぬ事故も防ぐためにも、事前の準備がとても大切です。今回は、動物病院へ行く際に気を付けたいポイントをご紹介いたします。
■ネットに入れていく
はじめて聞いた方は「ネットに入れるなんて可哀そう」と思われるかもしれませんが、動物病院ではねこちゃんがネットに入った状態で来院してくれるととても助かります。
・ネットに入ると大人しくなる
狭い場所を好むため、体にネットが密着することで安心し、ほとんどのねこちゃんが大人しくなります。
・保定がスムーズにできる
「保定」とは、安全に診察や治療が行えるようにねこちゃんの体を押さえることです。暴れて噛むわんちゃんには口輪やエリザベスカラーをつけて保定しますが、手足が器用で体が柔軟なねこちゃんが暴れた場合、エリザベスカラーを付けていても触ることさえ難しいです。ネットに入ることで、ねこちゃんが動きにくい状態になり「抵抗すること」を諦めさせられます。
・治療がスムーズにできる
ネットは入ったままでも外からねこちゃんの様子を診ることができます。また、検査や処置を行う際には必要な部分だけをネットから出すことができとても便利です。
・自宅で捕まえるときに使える
嫌がって逃げるねこちゃんを素手で捕まえようとするとケガをしてしまいます。ねこちゃんが落ち着いている(油断)している時にサッとネットを被せて捕まえましょう。
・脱走を防ぐことができる
わんちゃんのようなリードをあまり付けることが無いねこちゃんは、万が一キャリーバッグから飛び出た場合、捕まえることが難しいです。そのため、逃げ出さないようにネットへ入れてあげましょう。ネットへ入れると逆に落ち着かないねこちゃんの場合には、猫用リードを付けておくと安心ですね。
■バスタオルを持っていく
・保定がスムーズにできる
洗濯ネットと同様に、タオルは保定の際にとても便利です。タオルを顔から被せて視野を塞ぐことで大人しくなることがあり、ネットと併用して保定に使用できます。ネットを嫌がるねこちゃんにはタオルのみを使用します。
・落ち着く
動物病院でもタオルの準備はありますが、自分の匂いがするいつものタオルの方がより落ち着くことができます。待合室で周りが気になって落ち着かない場合にはキャリーケースをタオルで覆ったり、入院の際にはタオルも一緒に預けるとまた安心に繋がるかもしれませんね。
■キャリーバックを使用する
かわいいデザインのものがたくさんありますが、機能性にもこだわって選んであげてください。
・上が開くタイプ
母猫が仔猫をくわえる時、上へ持ち上げますよね。それと同様に上から出してあげると比較的に大人しく出てくれるので、上から出せるタイプのキャリーバッグがおすすめです。横から引っ張ると更に嫌がってしまうので、扉が横にあるキャリーバッグは向きを縦に変えて出すなどして対応してみてください。
・分解できるタイプ
このタイプは、聴診、注射、皮下点滴、簡単な処置など、ねこちゃんがキャリーバッグに入っていてもできる際にはとても便利です。
・窓が少ない、または窓にフタができるタイプ
怖がりなねこちゃんには、外があまり見えないデザインがおすすめです。窓部分がメッシュ素材のものは若干の遮光機能があるので、これも便利ですね。
・掃除しやすい、洗いやすいタイプ
汚れた時に簡単に綺麗にできるものが綺麗好きなねこちゃんにおすすめです。また、病院の匂いがキャリーバッグに残ったままだと、キャリーバッグを嫌がる原因にもなりますので、こまめに手入れしやすいものが便利です。
「キャリーバッグを見ると逃げていく」「入るのを嫌がって捕まえられない」を防ぐために、キャリーバッグに慣れてもらうことも大切です。
・寝床をキャリーバッグ内につくる
・毎日の食事をキャリーバッグ内で与える
・自分からキャリーバッグに入った時は褒める
・キャリーバッグ内で遊ぶ、おもちゃを入れておく
・爪切り、耳掃除、歯磨きなど嫌がることはキャリーバッグに入っている時にしない
毎日の生活の中で「キャリーバッグをお気に入りの場所」にすると、動物病院でのストレスが軽減されるかもしれませんね。
動物病院では体のあちこちを触られて、警戒心の強いねこちゃんにとってはストレスになります。まずは自宅でたくさんスキンシップをとり、触られることに慣れてもらいましょう。飼い主が触れないねこちゃんを動物病院で診るのはとても大変です。また、「うちの仔は大人しいから大丈夫」と、何の対策もなしでキャリーバッグに入ってきたねこちゃんが診察室内で豹変した時も大変です。思わぬ事故を防ぐために、是非今回の内容を参考にしてみてください。
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