※2020年12月21日情報更新
猫という動物は“戦いを回避するための行動”を相手に知らせてくれています。みなさん気がついていましたか? 基本的にねこちゃんは戦いたくない動物なのです。
「分かってくれないのであれば、戦うしかニャイ!」となり、パンチしたり、噛み付いたりしているのです。そこで今回は、ねこちゃんの“戦いを回避するときの行動”について、獣医行動診療科認定医師の筆者がご紹介します。
■こわいから攻撃するパターンが圧倒的に多い!
行動診療科の診察をしていると、“攻撃行動”で困っている猫の飼い主さんはとても多いです。ねこちゃんは3次元に動けますので、攻撃されると非常に怖い相手になります。そして、鋭い牙や爪で攻撃してくるのです。大怪我につながることも容易に想像できます。
猫は攻撃行動を避けたい動物であると説明しましたが、どんな理由で攻撃すると思いますか? 実は、“恐怖を感じて攻撃する”パターンが圧倒的に多いです。
不安や恐怖を感じていて「これ以上は無理ですよ」「ちょっと私は自信がありませんので、やめてください」とニャン語で必死に訴えているのです。それに気がつかないと……「限界ニャー」となってしまいます。
■攻撃行動が発現する予兆行動とは
攻撃行動が発現する前には、必ず“予兆”となる行動が確認されます。「突然攻撃してきました」というお話しもよく聞きますが、それは「気がつかなかった」だけ。よ~く観察すれば、必ず予測できる行動があります。これに気づくか気がつかないかで、攻撃されるかどうかの分かれ道になることも多いでしょう。
攻撃行動が発現する予兆行動について、2つご紹介します。もっとたくさんの行動パターンがありますが、よくあるケースについて説明しますね。
(1)こわい気持ちになってきている猫
重心が後ろ気味になり、耳を寝かせ、目をそらせて、尻尾も下がり気味になっているときは、“自信がない”証拠。恐怖や不安を感じています。
こんな行動のねこちゃんを見たら、限界サインの直前だと感じてあげてください。とっても自信がないときなので、それ以上の刺激や負担をかけてしまうと「限界ニャー」になってしまう可能性があります。
(2)イライラしはじめている
最初は大好きな飼い主さんに撫でてもらってうっとりしていたねこちゃんが、急に猫パンチや噛み付いてきたことはありませんか? これも予兆行動をしっかり出してくれています。
分かりやすい動きとしては、尻尾の動きです。尻尾を左右にパタンパタンと1秒間隔くらいで降り始めたら、もうそれ以上は触らないことが大切です。
いかがですか?
攻撃行動の予兆行動を説明してきましたが、予兆行動を認識することで攻撃行動を避けることができるでしょう。可愛い愛猫に「限界ニャー」をさせないようにしていきたいですよね。
そして、ねこちゃんが「嫌だなあ」「こわいなあ」と感じさせない対応方法も、とても重要になります。ご説明した行動は“限界の直前”が多いですので、限界にならない対応をまずは考えていきましょう。
【関連記事】
※ 猫はどうして爪とぎをするの?しつけだけでは難しい「壁を守る対策法」を解説
※ 猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは
※ なんだか臭う…!気になる愛猫の体臭を消し去る対策ポイント3つ
【画像】
※ Tony Campbell, Kolomiyets Viktoriya, elwynn / Shutterstock
戻る
みんなのコメント