みなさんは旅行が好きですか? わんちゃんを飼っている飼い主さんの中にも、旅行好きの方はいるでしょう。しかし、わんちゃんを飼い始めると、旅行は少し敷居が高くなりますよね。
近場であれば、車に乗せて一緒におでかけできますが、海外旅行となると、一緒に連れていくハードルは一気に高くなります。また、愛犬を海外旅行に連れていくためには、あらかじめ知っておくべきことがたくさんあります。
そこで今回は、愛犬との海外旅行において、日本を出発するまでの注意点についてご紹介します。
■愛犬との海外旅行の準備その1~検疫について~
愛犬を海外に連れていく上で避けて通れないのが“検疫”です。検疫は、国から国へと伝染病が広がらないように措置をとることです。それぞれの国において検疫制度が定められており、国から国へと動物を移動させる際には、この検疫を受ける必要があります。渡航先の国に愛犬を入国させるためには、その国で定められた基準を満たす必要があります。
検疫上、とりわけ重要な病気の一つに“狂犬病”があります。狂犬病のウイルスはわんちゃんにも人にも感染し、発症すればほぼ100%命を落とす恐ろしい病気です。現在、日本は狂犬病清浄国とされており、狂犬病の発生が長年ありませんが、世界的には一部の国を除いてほとんどの国で発生しています。
わんちゃんを入国させるために、狂犬病のワクチン接種やマイクロチップによる個体識別などが必要となる国もあるので、渡航先の国の大使館や検疫機関に入国条件を確認するようにしましょう。
また、検疫は出国するときだけでなく、日本に帰国する際にも必要です。狂犬病の発生がある国からの帰国かどうかによって、必要となる措置が異なるので注意しなければなりません。
特に狂犬病清浄国以外の国の場合には、基準がより厳しくなります。入国の条件を満たしていない場合、長期間にわたる係留検査が必要となるケースもあり、わんちゃんにとっても飼い主さんにとっても辛い時間となるでしょう。動物検疫所からしっかりと情報を集め、海外への出発前から帰国時の準備をしておきましょう。
■愛犬との海外旅行の準備その2~健康管理について~
短期間であれ長期間であれ、海外旅行をする際には、事前に愛犬の健康診断をしっかりと受けておくことを推奨します。飛行機での長時間の移動は、わんちゃんにとって大きなストレスになります。慣れない場所での生活により、滞在中に愛犬が体調を崩す可能性もあります。
渡航先の国によっては、まだまだ獣医療が発達していない場所もあります。獣医療が進んでいる欧米であっても、愛犬の症状を英語等で的確に伝えなければ、良い治療が受けられるとは限りません。渡航する前に全身の健康チェックを日本でしっかりと済ませておき、万全の状態で旅行することが大切です。
海外には、日本で発生頻度の少ない感染症がたくさんあります。狂犬病はその代表例ですが、パルボウイルス感染症やジステンパーウイルス感染症などの重篤な症状を示す感染症や、人にも感染するレプトスピラ症が頻繁に発生している国もあります。事前に渡航先で発生している感染症を調べ、それに応じたワクチンの接種をしておきましょう。
■愛犬との海外旅行の準備その3~飛行機について~
長時間の飛行機での移動は、わんちゃんにとってかなりの負担になります。小型犬のみに限られる等の制約がある場合が多いですが、機内に持ち込み可能な航空会社もあります。わんちゃんにとっても、貨物室に入れられるより飼い主さんが近くにいる方が、幾分かストレスも軽減されるでしょう。事前に航空会社に相談しておくことが大事です。
フレンチブルドッグやパグをはじめとする短頭種は、暑い時期の預かりができない場合があります。短頭種は体温調節が上手にできないことがあり、暑い時期の長時間移動は熱中症のリスクを高めます。短頭種を飼っている場合には、旅行の季節についても考えなければいけません。
今回は愛犬との旅行の準備について、そして重要なポイントについてご紹介しました。わんちゃんと一緒に旅行するためには、いろいろと準備が必要です。大変かもしれませんが、愛犬のためにも念入りに計画を練っておきましょう。
しっかりと準備をした分、愛犬との海外旅行が充実したものになるはずです。そして次回は、渡航先に到着してからのポイントについてご紹介します。ぜひご覧くださいね。
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【参考】
※ デルタ航空のペットに関する規定:犬や猫、その他の動物を連れてのご旅行:デルタ航空
※ ペットをお連れのお客様[国際線] | Service & Info [国際線] | ANA
【画像】
※ Javier Brosch, cunaplus, Andrey_Kuzmin, Lyudvig Aristarhovich / Shutterstock
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