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【獣医師執筆】人間と同じ洗剤でOK?犬猫の洋服やタオル「正しい洗い方」を解説

船田治子

獣医師
船田治子

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【獣医師執筆】人間と同じ洗剤でOK?犬猫の洋服やタオル「正しい洗い方」を解説

みなさんは犬猫用品を洗うときに、どんな洗剤を使っていますか? 人用やペット用など、家庭によってさまざまだと思います。

わんちゃん、ねこちゃんの便や尿の汚れは直ぐに洗濯しますよね。しかしそれ以外のベッドや毛布、首輪、おもちゃなどは、あまり洗濯していない場合も多いと思います。

そこで今回は、犬猫用品の汚れと洗濯洗剤について説明します。

■汚れとはどんなものがあるの?

人間と同じ洗剤でOK?犬猫の洋服やタオル「正しい洗い方」を獣医師が解説
出典:https://www.shutterstock.com/

(1)皮脂(ワックスエステル)

特にわんちゃんは、皮膚に脂肪腺が多く、皮膚や被毛は特有の皮脂(ワックスエステル)で覆われています。いつも寝ているベッドや毛布などは、洗濯しても汚れやニオイが残っていることはありませんか?

(2)排泄物、嘔吐物、唾液など

病気以外でも、トイレの失敗やねこちゃんが毛玉を吐いたりすることもあります。かじるおもちゃには、唾液がたくさんつきますよね。

(3)細菌や真菌

室内飼いのわんちゃんやねこちゃんの布製用品には、大腸菌やアレルギーの原因になる真菌が高率に検出されたという報告があります。また低率ではあるものの、人畜共通感染症の原因菌であるパスツレラも検出されたそうです(※)。

(4)外からもちこむ泥や花粉など

散歩などで外に出かけたときや、昼は外、夜はおうちの中といった暮らしをしているわんちゃんは、泥や花粉を持ち込む可能性があります。

■どんな洗剤を使えばいいの?

人間と同じ洗剤でOK?犬猫の洋服やタオル「正しい洗い方」を獣医師が解説
出典:https://www.shutterstock.com/

(1)人が日常的に使用している洗剤(合成洗剤、石けん)

合成洗剤には様々な界面活性剤が配合され、汚れを落としやすく作られています。特に蛋白質や脂肪を分解する酵素入りのものをおすすめします。

そして、無香料または香りの弱い洗剤を選びましょう。皮膚が敏感なわんちゃんやねこちゃんの場合は、かかりつけの先生に相談してみましょう。

(2)ペット用洗剤

ペットの布製品専用洗濯洗剤や洗濯用仕上げ剤も市販されているので、試してみるのもよいでしょう。

(3)塩素系漂白剤

標準使用濃度で、十分な殺菌効果が得られます。トイレトレーなど、消毒、消臭が必要な時には利用しましょう。ただし洋服やカーペットなどでは、色落ちすることがありますので気をつけてください。

犬猫用品の汚れを放置すると、汚れもニオイも落ちにくくなりますよね。それだけではなく、病原体も増えてしまう可能性があります。特に、免疫力の弱い乳幼児や高齢者のいる家庭では、感染症に注意しましょう。

わんちゃん、ねこちゃんのためにも、飼い主さんの家族のためにも、犬猫用品は定期的に洗濯をして清潔な環境を作りましょう。そして、安心してわんちゃんやねこちゃんとの生活を楽しんでくださいね!

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【参考】

林谷秀樹ほか(2016)『伴侶動物の敷物の微生物汚染実態調査』69, pp.753-757, 日本獣医師会雑誌. 

【画像】

※ Igor Normann, New Africa, FotoDuets / Shutterstock

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